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お墓参り*.・

年末のことですが、旦那さんの父方のお祖母さまのお墓参りに行ってきました。

11月の末頃に90歳というお歳で人生の幕を閉じられたお祖母さま。

一昨年の夏、初めて南フランスを訪れたときにご挨拶に伺ったのが、お会いできた最初で最後となってしまいました。

そのときは、とても心良く迎えてくださり、体調もあまりすぐれない日が続く中でも、こちらに気を配ってくださり、手をとって挨拶してくださったりと、立居振る舞いにとても気品があり、可愛らしさも感じられる素敵な方であることが感じられました。

義父は7人兄妹で家族が多く、お祖母さまは若い頃、ご苦労がありながらも子供たちを育てあげたそうなのですが、子供たちがみんな優しくて仲が良いから私はとても幸せなのとおっしゃっていたのが、とても印象的で今でも記憶の中に残っていて、
私もこんな歳のとり方がしたいなぁ、と思ったことを覚えています。


お祖母さまが住んでいらしたアパルトマンはとても開放的で、バルコニーからは遠くに美しい海が見えました。

私たちが座っていたテーブルのあるダイニングには、南仏の夏の眩い光が差し込み、それはお祖母さまが大切に育まれてきた明るく温かな家族の形を優しく照らしているかのようでした。

フランスのお墓には、白い墓石の上にたくさんの陶器製の色とりどりのお花や本を模した飾りが飾られています。
亡くなった方の写真が飾られている墓石もたくさんあり、暗い感じはなく、明るい印象がありました。

名前と生まれた日付、亡くなった日付が刻まれているのは日本でも同じですね。

個人の写真やメッセージが刻まれていたりするのを見ると、よりリアルにその方々の人生が浮かび上がってくるような、家族の歴史が物語のように私の中にも流れこんでくるような、そんな不思議な感覚を覚えました。

お祖母さまのお墓には、たくさんの生花が墓石いっぱいに飾られていました。
先に亡くなったお祖父さまの写真も飾られています。

お祖父さまは、旦那さんが生まれる前に亡くなったそうなので、お祖母さまはそれから30年あまりの年月をお1人でお過ごしになられたことになります。

ようやく、お祖父さまとも再会することができたのかなぁ?と思うと、
じんわりと涙が溢れてきました。

風が少し冷たかったのですが、天気がとても良く、気持ちの良い日でした。
白い墓石が並んだ墓地は静かで美しく、周りは雄大な山々が囲み、素晴らしい景色でした。

墓地内には、木々も佇み、ピンクペッパーベリーの実が葉とともに柳のように静かに風に揺れていました。

アンティークのプレートの年代を調べていると、お祖母さまたちが生まれるずっと前のものや、お祖母さまたちがちょうど生まれた頃に作陶されたものなどがたくさんあり、感慨深くなってしまいます。

人の一生よりも長い時間を生きているアンティークたち。

そこには、さまざまな人たちの手が触れられ、その人たちの人生が宿り、また誰かに引き継がれ時を紡いでいく。

アンティークから感じる優しさ、温もり、美しさ、

私がそれを感じるのは、人々の人生の彩りが混ざり合い、宿り、美しく奏で合って調和している、雄大な自然の在り方そのものの美しさをそこに感じるからなのかもしれません。

帰りがけに白いモフモフした猫を見かけました。
ここに住んでいるのかな?

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