婚活相手にお別れを告げるはずが

誕プレとしてブランド物アクセサリーを頂いてしまった。
前回、前々回記事にも登場した婚活相手Ａのことである。

相手がいそいそと小さな紙袋を取り出した瞬間の、私の沈黙——脳内で「は？　なんでこのタイミングwww漫画かよwww」と草を生やしていた——を、相手はプラスなほう（＝嬉しい！　感動！）に解釈したようである。
その後は機嫌が良さそうであった。

漫画なら、「これは頂けませんゴメンナサイ」とか言って突き返すんだろうな……と思いつつ、色々と準備もできていなかったので、
「はぁ〜これはこれはありがとうございます……これはまた素敵なものを……」
と、中身のない感嘆を繰り返すだけであった。

モノは悪くないが、タイミングが悪すぎるがな。

つーか、「女性との交際経験は少ない」とか言ってたくせに、サプライズプレゼントとか無駄にハイレベルなことすんじゃねえ。

実際、渡されてから「金属アレルギーとかなかったですよね？」とか訊かれてもさぁ、

絶賛金属アレルギーだっつーの。

プレゼント、特にアクセサリーは。
高校生同士のプチプラプレゼントとかならともかく。
相手の意向を確かめてからにせえ。

——などと説教してやるほど、親身な気持ちにはなれない相手である。

実は今日、プレゼントを渡された飯屋に入る前に美術館に行ったのだが
・すぐ近くのドームで有名アイドルグループがコンサートをやっていて電車も駅も超満員で
・駅から向かう道でちょうど土砂降りになって「雨宿りしてから行きませんか」と提案したのに「もうすぐ着くから」と強行しやがって足元がグッシャ濡れになり
・気づいたらこっちに何の断りもなく喫煙所で一服してやがるし
・美術館を出て、近くのお手頃なフードコートで茶ァしばいて雨が止むのを待ってから帰りましょう、と提案したのに「いやここは駄目だ……ブツブツ……」と独り言を言いながらどんどん歩いて行くし

——で、最高にイライラさせられていたので、飯食ったら「じゃあ私買い物して帰るんで、さよなら」と雑にバイバイしたろかと思っていたところだったのだ。

しかも、プレゼントを渡されたのも某家電量販店の中の、チェーンのパスタ屋ですぜ。
ワイが男性ならもうちょい場所を考えるわ。

と、ツッコミどころ満載の誕プレであった。

つか私、Ａの誕生日がいつなのか知らないしな。
向こうが知っているということは顔合わせしてすぐの頃くらいに聞いたのかもしれないが、さっぱりである。

保証書が付いていたので後で品番を検索したら、返せないような金額ってわけでもないので安心した。
（まあこっちの方が年収は上だしな、向こうは実家暮らしな分貯蓄はしやすいだろうけど）
近日中に別れを告げることになったら、「誕プレ代はお返しします」と封筒に入れて渡せるよう準備しとこう。

キラキラは好物なので箱の中身に罪はないが、いかんせん、タイミングが悪すぎたのである（２回目）。

ということで、Ａもあともう少し惰性で続くのかもしれない。
いやーおかしいな、前回会った時に（ぼちぼち別れようぜ）オーラを出してたつもりだったんだがな……伝わってなかったか……。

いやはや、難しいものですな。