謎の方法でパチンコを辞めた人たち【年収1,000万円で逆襲】

お世話になっております。絶賛禁パチ継続中のコハラです。
ただいま100日をクリアし、順調に継続しております。

パチプロも泣いて逃げ出す超絶技術

どんなに実力差があっても一生勝率100%にはならない。
勝負の舞台がギャンブルである以上、それは誰もがわかってるはず。
俺が藤井聡太四段と将棋で勝負したら、1億回やったって勝てるわけないんだけど、小島武夫先生と100回くらい麻雀打ったら、7回くらいはたぶん勝てる。
ギャンブルってそういうもん。

高校出て速攻でフリーターになったC君は、バイト以外の時間はほぼパチンコと麻雀をやっていた。
麻雀はそんなに強くないんだけど、特にパチンコへのハマり具合がすごくて、パチプロもビビるくらいの技術があった。捻りの成功率なんて、ほぼ100%なんじゃないかっていうくらいで、俺が会った人の中で間違いなく最もレベルが高い。もちろん出禁になった店もけっこうある。

技術はあるが、カネはない

C君は技術を磨くことに時間を使っていたから、正社員として働く選択もしなかったし、バイトを入れる時間数も極限まで削っていた。
もちろん、この技術力があればピンでもそれなりに食っていけるし、軍団からの誘いも絶えなかった。だけど彼は自分の好き勝手に、自由に楽しみたいからってことで、残念ながら勧誘に乗ったことはない。彼はいわゆるオタクで、技術介入要素に燃えられるような台ばっか打ってるから、期待値高いが技術介入要素少なめみたいな台には見向きもしない。
軍団に入ると個人の趣向なんかよりも期待値最優先の稼働になっちゃうから、軍団には入らないということ。
もちろん純粋に期待値追い続けるよりは収支は下がるが、とりあえず食っていけているという状況。

ただこうなると、バイトしながらのピン稼働だし、
収支はあくまでも「それなりに食っていける」程度にすぎない。
おそらくガチで期待値追って稼働すればもう少しマシになるんだろうけど、オタク気質が強すぎて、それができない。
だからCくんは技術力のわりに、カネはそんなに持ってなかった。

欠損だらけで借金

期待値なんていうものは結局、死ぬほど多くの試行回数を重ねた末に収束する結果で、個人での稼働では当然のように上振れ下振れが発生する。
いよいよC君にも下振れの欠損祭りが襲ってきた。
期待値付近で稼働できているうちに、変なこだわりをもたずに期待値だけ追い続けて余剰資金を確保しておけばよかったのに、それをやらなかったツケが回ってきた。

その時の下振れは相当酷く、いくら時短で増やしまくることができても、確変取れずに毎回時短ではどうしようもないし、時短で引き戻せなきゃ結局ジリ貧になる。加えて初当たりが取れなさすぎて、テクニックを活かせる場がそもそも来ない。

それでもC君は立ち回りを変えなかった。最悪、スロットのハイエナでもして食いつなぐこともできたはずだが、
あくまでもパチンコで、自分の技術を活かせる台にこだわり続けた。

ついにC君は、借金に手を出す。
バイトとはいえ、有名企業だったことや、
下手な社員より稼いでいたことが、幸か不幸か、
それなりの借金を可能にした。

瞬く間にC君の借金は膨れ上がり、雀荘にも来なくなった。

闇金一歩手前の奇跡

どんなギャンブルでもそうだけど、
借金なんかし始めたらもう勝てない。
一度借金を清算し、自分の金で勝負できるようにならないと、
マトモな判断はできない。

例に漏れずC君は負け続け、消費者金融で借りられる額なんか一瞬で到達してしまったらしい。
最悪なことに、うちの地元は闇金探しには困らない。
石を投げれば闇金に当たるというのは言いすぎかもしれないが、
石を二個なげればまあ借金持ちの人に当たる。そんな街。
必然的に金融屋は多い。もちろんマトモじゃないところもたくさんある。


ある日、C君がそのマトモじゃない金融屋から出てくるところを雀荘の常連が目撃した。
その人は50代くらいだけど今でいうと元半グレみたいな人で、
裏社会に片足突っ込んだことはあるけどあくまでも表の人、っていうそんな感じのオッサンだから、
その金融屋がどのくらいのヤバさなのか知っていたらしい。
速攻でC君を捕まえて店に戻り、C君が借りた分をその場で立て替えてそこでも借金はチャラにしてあげたっていうからすごい。

別に友達でもなんでもなく、雀荘の常連同士ってだけの間柄のやつに、
いくらそいつが闇金に身ぐるみ剥がされそうになっているっていっても、
15万円くらいの金を立て替えてあげるなんて、男気がありすぎる。
その事件があるまで俺はそのオッサンにタメ口使っていたけど(麻雀中の煽りがゲスすぎるから)、
それ以来敬語を使うようになった。

ちなみに今でも忘れられないけど、
その日C君が借りたのは14万円。それまでに16万円の借金があり、
その日でちょうど30万円になったと。
でも14万円借りて店を出た1分後くらいに、C君が持っていた金をすべて返したにもかかわらず、1万4千円が足りなかったらしい。
普通にビビった。

要は、14万貸しましたよ、1割利子つけて10日後までに返してね。
ではなくて、14万円貸しましたよ。利子分1万4千円はさきにもらっとくから、
10日後までに14万円を返してね。このほうがわかりやすいでしょ?
ってやつ。
そんなバカなシステムあるかよって思うかもしんないけど、
闇金だとこれは普通にある。
理由の大部分は闇金側の都合だけど、一部ガチで利子1割の意味がわかんないバカな客がいるので、わかりやすくするためっていうのもあるらしい。

禁パチ・・・というより年収1000万円超えを目指して

ここまでの話からなぜこの見出しの内容になっていくのか意味不明かもしれないが、まあ続けていく。

C君はオッサンに雀荘へ連れて行かれた。
ひたすら泣き続けるC君にオッサン連中は何も声をかけなかったが、
1時間くらいすると、C君がぽつぽつと喋りだした。

「すみませんでした、お金は必ず返します」
「もう、いちどパチンコはやめます」

改心してくれたかと胸をなでおろすオッサンたち。
ただここから雲行きが怪しくなってくる。

「欠損に耐えられない資金しかなかった自分が悪いんです」
「計算上、おそらく4000万くらい資金があれば今回の欠損に耐えつつ人間らしい生活ができたと思います」

なにか反省している雰囲気だが、明らかに反省の質が違う。

「自分、とりあえず資金を貯めます」
「400万円くらいの年収でコツコツ貯めるわけにはいきません」
「腕が落ちないうちに、貯めきりたい」
「年収1000万円稼ぎます」

とわけのわからない方向に話が進んでいく。

「4,000万円くらい資金を貯めたら、思う存分パチンコを打って、自分のやり方が間違っていなかったことを証明します」

とさっぱりした顔で言いのけたらしい。

とりあえずパチンコを辞めてくれるようでよかった、とほっとしたオッサンたちだったが、
その日以来C君が雀荘に顔を出すことはなくなった。

年収1,200万円プレイヤーに

何人かの常連のLINEに、「知り合いかも?」とC君の名前が突然出てきたのはそれから2年くらい経ってからのことだった。

みんなで一斉に連絡をしてC君と会ってみると、
もともと痩せ型だった当時よりさらに痩せこけていた。

やはりまだマトモな生活ができていないのか・・
と思っていた矢先、

「ありがとうございます。お陰様で年収1,000万を超えることができました」
と深々と頭を下げるC君。

俺には何のことやらわからないが、なんだかプログラミング的なスキルを磨きまくり、会社員という立場ではなく、
フリーランスとして年収が1,200万円くらいあるらしい。

あれ以来ひたすら勉強して案件を受けまくり、ただひたすらそれだけをやって2年過ごしてきたらしい。
携帯も当時のままだった。痩せていたのは、それに注力しすぎてメシが適当すぎる状態になっていたからだった。

それまでPC上で別のチャットツールを色々使ってクライアントとやりとりをしていたので、LINEなど入れる機会がなく、今回、クライアントからの依頼でLINEでのやりとりを希望され、LINEをインストールしたらしい。
それでやっと知り合いとつながることができたという話。

モチベーションは今でもパチンコ

今回の話は、ハッキリ言ってパチンコを完全に辞めることができた話かというと、
真逆の話だったりする。

年収1,200万円にも到達したC君のモチベーションは、今でもパチンコだ。
いまは資金が1800万円くらいしかないので、資金を貯めている状態らしい。

ただC君が試算したところによると、
闇金事件の当時は4,000万円必要だった資金が、
いまのパチンコのスペックに対応させると5,000万円くらいになるらしい。

だからC君は5,000万円を目標に資金を貯め続けている。

5000万円の潤沢な資金をもとに、
期待値稼働がいかに正しいかを証明すべく、
思う存分パチンコを打つんだと目を輝かせていたC君。

目標の資金を貯めるために好きなことをビシッと辞め、
年収1,000万円以上のスキルを身に着けたのは確かにすごいと思うが、
その状況になってもまだモチベーションはパチンコだというところに、
狂気を感じる。

もともと彼が凝り性というのもあるかもしれないが、
パチンコというものがそこまで人の脳を依存させる魔力があるというのがよくわかった。

たぶんこのペースでいくと、2023年の年末くらいには資金が溜まっている計算になる。

目標とする資金を貯め終えたとき、C君は本当にパチンコの世界に戻るのか。
今の年収1,200万円という勝ち組生活を断つことができるのか。

正直、いまの俺にはわからない。

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