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【サブスクで聴くGaita Zuliana:vol.1】Guaco『Sin Peligro de Extinción』(2018)

私がGaita Zulianaの沼にハマるキッカケとなった作品。Guacoというグループについては検索すれば諸々ヒットするし、日本語の情報も複数あるので詳細は割愛。

本作は、1994年リリースの『clasico Ⅲ』を最後に本格的なGaita Zuliano作品を発表していなかったGuacoが、実に24年ぶりに発表したGaita Zulianoオンリーのアルバムである。
この24年間にGuacoの音楽性は進化を続け、「アヴァン・トロピカル・ダンス・バンド」として確固たる地位を築いた。そんな彼らの、Gaita Zulianaのグループとしての復帰作のタイトルが「Sin Peligro de Extinción」、訳すと「絶滅の恐れなし」であることは非常に泣かせるポイントである。

まず1曲目「Los Huecos」からして、彼らが1966年に発表した楽曲の、52年越しのセルフカバーである。グループの歴史の長さにも圧倒されるが、本曲のオリジナル・ボーカリスト(canta)であるGustavo Aguadoが未だグループの長老として健在であることにも驚嘆させられる。

その後も2曲目「Aguinaldo Maracucho」と8曲目「Con los Guaco No Hay Quien Pueda」が1978年作から、4曲目「Las Pulgas」が1980年作からのセルフカバーとなっている(9曲目も伝統的なGaitaのメドレーなのだろうが、ネットに情報がなさすぎて詳細は不明)。

しかしセルフカバーするにしても、単なる過去の焼き増しとならないのがGuacoである。本作はそもそも録音が非常にモダンだし、そのうえで極力音数少なめに、引き算の美学で作られているのが素晴らしい。
一般的なガイタのイメージというのは音数多く賑やかなものだが、そうじゃなくてもガイタはできるんですよ、まだまだやり方はあるんですよという、彼らからのメッセージが聞こえてくる。

さらに本作はオリジナル楽曲も充実で、特にRenato Aguirre先生の作曲による3曲目「Mujer」、5曲目「Rosarina」は素晴らしいの一言。ちなみに「Mujer」で女性ボーカルをしているCamila BorjasはLuis Fernando Borjasの娘さんらしく、本曲でなんと親子デュエットが実現している(多世代バンドだなぁ)。
また7曲目「Perfecta para Mi」は、若手シンガーソングライターJuan Miguel Dell'Orcoのペンによるもの。ガイタの基本を保ちつつも、本アルバムで最もアーバンな1曲に仕上がっている。

全9曲で37分というトータルタイムもグッド。ガイタに触れたことのない初心者でも十分に”聴ける”アルバムだし、万人に勧めたい。

1.「Los Huecos」
canta. Gustavo Aguado、LyM. Mario Viloria
2.「Aguinaldo Maracucho」
canta. Gustavo Aguado、LyM. Simón García
3.「Mujer」
canta. Camila Borjas, Luis Fernando Borjas、LyM. Renato Aguirre
4.「Las Pulgas」
canta. Gustavo Aguado、LyM. Ricardo Hernandez
5.「Rosarina」
canta. Gustavo Aguado、LyM. Renato Aguirre
6.「El Muchacho」
canta. Gustavo Aguado、LyM. Renato Aguirre(もしかしたら違うかも)
7.「Perfecta para Mi」
canta. Luis Fernando Borjas、LyM. Juan Miguel Dell'Orco
8.「Con los Guaco No Hay Quien Pueda」
canta. Luis Fernando Borjas、LyM. Ricardo Hernandez
9.「El Centralismo / La Reforma / La Universidad / Piedad / Golpe Sabroso」
canta. Gustavo Aguado、LyM. Mario Viloria

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音楽が好きです。最近はベネズエラのGaita Zulianaにハマってます。

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ベネズエラの「Gaita Zuliana」についてのノート。国内盤が出る望みなど無いガイタも、サブスクなら国境なき聴き団。本当は現地ディグしたいけど、遠いし政情不安定なので難しそう。ゆるく更新します。

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