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地球が回るのは

「君がここに居ないことで あなたがここに居ないことで 回ってしまう地球なら別にいらないんだけどな」と歌うクローバー。

「ありがとう 君を乗せて地球は今日も回るんだよ」と歌うスペースシャトル・ララバイ。

どちらも主人公にとって「君」「あなた」が大事な存在だということを強く訴えている歌詞であるが、どこか全く同じ感情だとは言い難い。それはなんなのか。
この2者の違いについて解明すべく、彼らに尋ねてみることにした。
「あなたにとって地球が回ることとは?」
※100%、妄言。

『クローバー』
2009年4月15日にリリースされたアルバム、「UNISON SQUARE GARDEN」に収録。不思議な言葉回しをするが、パーティーをそっと抜け出すお茶目さを持ち合わせる。

『スペースシャトル・ララバイ』
2023年4月12日にリリースされたアルバム、「Ninth Peel」に収録。ガソリンスタンドでバイト経験あり。


▶︎宜しくお願いします。
ク・ス「よろしくお願いします。」
▶︎今回、お二人の歌の中で共通点があると思っての対談なのですが、そもそもお二人の接点ってありますでしょうか?
クローバー「多分お互いに名前は知ってるけど直接は…って感じかな。」
スペースシャトル・ララバイ(以下、「スペース」)「そうですね!僕は2023年生まれで、クローバーさんが2009年?で合ってます?(クローバーが頷く)年の差もあって、顔合わせる機会がやっぱりないですね。」
▶︎クローバーさんが2023年に披露されたのは2月に行われたcinema staffとの対バンのみでした。スペースシャトル・ララバイさんはまだ世に出ていないですね…
スペース「でもその後僕、めちゃくちゃ働いたからなぁ。クローバーさんも、今年の20周年イヤーは流石に出勤してくださいよ〜!喜ぶ人いっぱいいますよ。」
クローバー「そうかな?だとしたら嬉しいけど、僕の意思で決めることではないからね。」

▶︎今年はお二人が共演出来ることを願っていますね。
さて、本題なのですが今回お伺いしたいのはお二人にとって「地球が回る」、とは?という点です。私はクローバーさんの『別にいらないんだけどな』という言葉には少し「諦め」のような少し虚しい気持ちを感じるのですが、どうでしょう?
クローバー「諦め、ですか。」
▶︎元々、地球もとい世の中が好きでは無いのかな…と。世の中を諦めているからこそ、大事な人への執着のような感情が強く出ているのではと思いました。
クローバー「あながち間違ってはいないかもですね…確かに僕はあまりこの世の中は好きではありません。思い通りにならないことが多すぎる。」
▶︎スペースシャトル・ララバイさんも、似たようなことを仰っていますよね?
スペース「思い通りにならないことが沢山ある点については同意です!でも僕は世の中は嫌いではないですね。」
▶︎そうなんですか?意外ですね…。
スペース「曲の中で世界を万華鏡に例えた表現をしてるんですけど、ほんとにその通りだと僕は思っていて。あれって何もしなければ何も起こらないけれど、手で回すとキラキラするじゃないですか。自分の手でどうにかするというか、視界が動き出すのは面白いし、好きですね。」
クローバー「スペースシャトルくんは能動的な人だよね。そうみると僕は受動的なのかもしれない。ずっと大人にはなりたくないし、何かを忘れてしまう時も『しょうがないかな』と思ってしまいそうだ。」
▶︎でも、クローバーさんは、今自分で抱えている物を大事にしてるように写ります。
クローバー「僕は昔に見た映画のあらすじもこと細やかに覚えているんだけど、それもあるのかな?『WALL・E ウォーリー』とか凄く好きだった。」
スペース「なんですかそれ。」
クローバー「僕がリリースされた年の映画なんだけど、知らない?良い映画だよ。」
▶︎映画談義になってしまいますね(笑)クローバーさんに対して、スペースシャトル・ララバイさんはまだ見たことないものを見つける、手にするための行動を厭わない人なんですね。
スペース「そうですねぇ。過去も大事にして、そこから今が繋がってるって思ってるから、その繋がりが強いほど今も強く動き出せる気がして。あれ、伝わるかな、これ…」
▶︎大丈夫ですよ。熱意が伝わってきます。
スペース「でもクローバーさんも、過去と今が未来に繋がるような事言ってますよね?」
クローバー「うん。あと、僕は相手に委ねているって感じだね。僕が大事にしているものが、僕から離れるかどうか相手次第。でも、好きじゃないこの世の中で出会えて、「また、会おう」とか言ってくれたら、それはとても嬉しいよね。」
スペース「結局僕も、相手に決定権は委ねてますね。煽ってはいますが。」

▶︎お二人のお話を聞いていて、それぞれの大事な人の現在地、その人がどこを見ているかが御二方の言葉の違いなのかなと感じました。
クローバー「と、いうと?」
▶︎クローバーさんはお相手が「別れ」の方向に向かっているような…スペースシャトルさんのお相手は、進もうとしてるけど挫けて進めないような。
スペース「なるほどねぇ…」
クローバー「確かに、僕は大事な人がいないことを仮定してしまっているからね。いなくなることを少し受け入れているかも。でもスペースシャトルくんは、それを許さない感じがするね。」
スペース「僕は、大事な人がいなくなるっていうのは……うーん、想像しただけでダメですね(笑)」

▶︎最後ですが、最初に出したお二人にとって「地球が回ることとは?」について聞かせてください。
クローバー「僕は地球を自分から手放してしまってもいいと思っているよ。最初から。ただ、大事な人がいるなら、それも含めて大事にしたい。その人がいなくなったら、また地球はいらない物に戻る感じかな。地球自体は、回っても回らなくてもって思ってる。」
スペース「あーだこーだ思いつつ、地球は回り続ける、回っていなくちゃいけないし、大事な人もいなくちゃいけない。欲張りなようですけど、僕はそう思ってますかね!」
▶︎ありがとうございます。今回のお話でお二人の言葉をもっと咀嚼したくなりました。今年のライブでお二人に会える日を心待ちにしていますね。
本日はお時間いただき、ありがとうございました。
クローバー「ありがとうございました。」
スペース「ありがとうございました!」

インタビュー日:2024/1/16

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