新共通テストに係る緊急声明への賛同のお願い

 「入試改革を考える会」では,2020年度からの実施が予定されている新共通テストに関して,大学入試英語成績提供システムの共通ID発行申込みが始まる11月1日に緊急声明文を発表し,また,萩生田光一文部科学大臣に提出します。
 以下に示した声明文の趣旨にご賛同いただける個人,団体を募集いたします。ご賛同いただける方は,次の情報を anti.nyushi.kaikaku@gmail.com 宛にメールでお知らせください。
  個人:氏名,所属(例:吉田弘幸,予備校講師・物理)
  団体:団体名,代表の氏名(例:「入試改革を考える会」代表 大内裕和)
メールをいただいた方には,同じアドレスより折り返し確認のメールをお送りします。
なお,ご賛同いただいた個人(氏名,所属),団体(団体名のみ)は,声明文を連名で発表させていただきます。

 以下が声明文です。

    新共通テストの2020年度からの実施延期を求める緊急声明

 2019年10月13日(日)に、東京大学で「新共通テストの2020年度からの実施をとめよう!10・13緊急シンポジウム」が行われました。シンポジウムには、研究者、教員、予備校講師、保護者、高校生など、新共通テストに関わるさまざまな人々が集まり、討論を行いました。そこで、新共通テストのさまざまな問題点が明らかにされました。
 英語民間試験については異なる民間試験の比較が困難であること、障がい等のある受験生への配慮が不十分であること、新たな受検料や試験会場までの交通費がかかることで経済格差や地域格差を助長する危険性が高いにもかかわらず、それらへの対策が不十分であることが大きな問題です。
 国語・数学の記述式問題については、記述式問題を採点することのできる採点者を十分に集めることが困難であり、採点の正確さや公正さに不安があること、受験生が自己採点を正確に行うことが容易ではないこと、などの問題を指摘することができます。  これらの不安や疑問を十分に解消することなく、「スケジュールありき」で入試改革をここまで推し進めてきたことが最大の問題です。
 新共通テストはその内容だけでなく、運営上の不備も明らかとなっています。英語民間試験は実施まで半年に迫っているにもかかわらず、試験をいつ、どこで行うのかの情報が出そろっていません。現在でも民間試験の公表内容に「未定」が頻発しています。このことは、今回の新共通テストを推進する立場の人々も憂慮されている点でしょう。高校2年生をはじめとする受験生は、新共通テストの実施に大きな不安を感じており、新共通テストをめぐる情報が錯綜することによって教育現場をすでに混乱させています。
 10・13緊急シンポジウムで指摘された数多くの制度的問題点を、十分に検討することなくこのまま強行突破すれば、多くの受験生が公平・公正な入試を受けられなくなる可能性が極めて高いと言えます。公平・公正な入試を受けられず、受験生が犠牲となる事態だけは絶対に避けなければなりません。
 受験生に重大な被害を与えないために、新共通テストや入試改革への賛否を超えて、ここは緊急避難的措置が必要だと私たちは考えます。新共通テストの2020年度からの実施を延期して一旦立ち止まり、入試制度改革について萩生田光一文部科学大臣に再検討することを強く求めます。

呼びかけ人:
大内裕和(「入試改革を考える会」代表・中京大学教授・教育社会学)、
中村高康(「入試改革を考える会」・東京大学教授・教育社会学)、
吉田弘幸(「入試改革を考える会」・予備校講師・物理)、
紅野謙介(日本大学教授・日本文学)、
阿部公彦(東京大学教授・英文学)


 上記の声明文の趣旨にご賛同いただける個人,団体は,個人の場合は氏名と所属,団体の場合は団体名と代表の氏名を anti.nyushi.kaikaku@gmail.com 宛にメールでお知らせください。宜しくお願いいたします。

 なお,誠に勝手ではございますが,集計の都合上,ご賛同のメールは11月1日の午前零時で締め切らせていただきます。ご了承ください。

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