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夢に関する「科学的迷信」を覆す

■この記事の要約

〇夢が奇異で、非合理で、脈絡がなく、不可思議に見えるのは、夢のロジックについて知らないからである。夢とは本来ロジカルなものである。
〇悪夢ほど有り難いものはない。強いインパクトを残す夢であればあるほど、「心の緊急事態」に対する警告なのだ。それは同時に、自己変革、自己成長の大きなチャンスでもある。病気の原因や回復のヒントまで夢に表れることがある。悪夢は祝福である場合すらある。
〇悪夢をみて不眠症になった患者に睡眠薬を処方することが間違っているのではなく、悪夢を放ったらかしにすることが間違っているのだ。
〇総じて悪夢とは、夢の中で死と快楽に向けて徹底的に大胆に振る舞いそこねたことによる「中途半端な目覚め」にすぎない。
〇夢には、崩れた心のバランスをもとに戻そうとする「ホメオスタシス」の機能がある。
〇客観性科学の方法論だけを用いるなら、「夢≒睡眠」「無意識の働き≒脳の働き」というふうに見えてもおかしくはない。しかしそれは20世紀前半までなら通用したかもしれない「微妙な還元論」(下手をすると唯物論)にすぎない。
〇ある夢をみる引き金(トリガー)と、その夢が意味すること(夢が夢主に伝えようとしているメッセージ)を同一視してはならない。それは、メッセージの「隠し場所」と「隠されたもの」を同一視していることに他ならない。
〇「睡眠不足」「飲酒」「ストレス」といったものも、悪夢のトリガーにはなったとしても、悪夢の意味を形成するものではない。

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