【おはようびわ湖】 vol. 4 - Hazy IPA ってどうして濁る? 後半-
2024/11/04
おはようございます!
さて段々とやざわのおはよう琵琶湖の周期がみなさんわかってきたのではないでしょうか。今日は久しぶりにお家のベッドで寝たら、本当に久しぶりにがっつり寝坊しまして。
仙台、沖縄と本当に美味しいお酒と美味しい食事に囲まれすぎて体が元気になりすぎていたのかもしれません。みなさん、やっぱり健康は食事からですね!👆
今年の金木犀は開花が遅かったですね。
花は季節に敏感で、今年の夏がどれだけ長かったのかを香りや色味で伝えてくれます。古代より続く素敵なお便りの方法です。金木犀は2種類のミードに使いました。1つは洋梨と国産の蜂蜜と合わせてばっちりドライにして、瓶内二次発酵。もう1つは去年リリースしたLe Dessin。今年の宮本農園さんのミカンと金木犀をあわせて、甘酸っぱい仕上げに。
最初のミードは滋賀のレストラン・Sowerの限定作品。
後者のリリースは11月末~12月頭。映画を肩寄せ合ってみたくなってきた季節にリリースしますからね、みたい映画を探しておきましょう🎥(Joker 2見た人、ネタバレ禁止ですからね🦊)
そういうわけで今週ももう一踏ん張り!やっていきましょう!
Today's ANTELOPE - Sower と ANTELOPE -
Sower と始めて繋がったのはもう2年以上も前。
滋賀にすごいところができた、という情報だけがあって。僕は作りに手一杯だから、ふーんくらいにしか思ってなかったけど、やっぱり一緒にお酒を作りましょうと言われると高まってしまう。
そう、僕達はミーハーなのだ。
恥ずかしがり屋で、なおかつミーハー。でも感情は素直に出すタイプ。どう?こんなプロフィールの人は左にスワイプ、スワイプ?👈
結局時間が少し経って、Sowerと始めてお酒を作ろうとなったのは、1年前の7月。
メキシカンマリーゴールドが咲きましたので、とりあえず来てくださいと。いい匂いだから、来てくださいと。
なんて素敵な。岡田くんと二人で車を走らせたのを覚えていますし、そのときにめちゃくちゃスズメバチに囲まれながらメキシカンマリーゴールドを黙々と摘んだのも覚えています。
そうして出来上がったのがはじめてのコラボ。
そして二回のコラボが桜。3作目は金木犀だ。
写真はSowerチームと一生懸命に花以外の部分を取り除く岡田くん(写真右)。
たぶん一生懸命にしてるだけで、何を取り除いていいかは分かってなかったと思います。それでも一生懸命なんだから尊敬しちゃうよ。
国産のはちみつのデラウェアのような香りに青い洋梨、そして摘みたての金木犀でドライに仕上げたミードは華やかでシャンパンのように使いたい。
コルク栓をすると長期の熟成を取らないといけないし、そんな広い貯蔵スペースもないから王冠使用。
これもSower限定の作品。
いつからオンメニューするかはわかりませんが、春先でもいいですね
Check us, Check Sower.
About New Release - Poire Shock -
Poire Shock
- 10%
- Honey, Japanese Pear, Japanese Tea
滋賀県の梨と、鹿児島の少し酵素発酵を挟んだ緑茶を使ったポワレ。
本来は低アルコールなポワレですが、蜂蜜を一緒に混ぜて度数をあげて作り込みました。梨の香りを引き立たせるような材料には東京・茶割と選定した緑茶。
とてもきれいな仕上がりでガス感も強め。
よく冷やして。生ハム、オリーブオイル、オイルサーディンとナスのパスタ。
200mlボトルでのご用意もあります。
About our Mead - メープルシロップのミード
メープルシロップと蜂蜜のバレルエイジミード 〈クリスマス前にリリース予定〉
- 14%
- Honey, Maple, Vannila
- Sweet, and Still
ミードには唯一、蜂蜜を使わなくてもよいスタイルがあります。これはとんでもないことで、りんごを使わなくてシードルと呼んでいいですよと言われるスタイルがあるようなものだ。
その原材料がメープルシロップ。
スタイル名は、Acerglyn / アサーグリン。
蜂蜜とメープルシロップを使ったミードのスタイルのことですが、メープルシロップ100%の場合もこのスタイル名を名乗っても良いことになっている。
なっている、というとAOC的な決まりがあるのかと思われますが、ミードはプレイヤーが少なすぎてすべての判断基準を〈つくり手の矜持に任せる〉というようなスタイルになっています。
そんなわけで、僕の矜持は蜂蜜とメープルシロップを1対1。バーボンバレルで熟成させて、バニラの香りも一緒に少しだけ加えた。
Deepseek- honey とどれくらいの変化があるのかな?とワクワクしていますが、結果はいかに。寒いシーズンにしか現れない特別なミード。
数は全体で200本前後。ワクワクしてまちましょう。
〈バレルエイジはおはよう琵琶湖を購読している方に先行案内を送らせていただきます〉
学びの場 - Hazy IPA ってどうして濁る? 後半-
前回は、Hazy IPAに濁る主要な要因を3つに分けました。
①タンパク質量が多い
②ポリフェノール量が多い
③2つが結合するタイミングが多い
今回はこれらがどう結びついて、味わいにどのような影響をあたえるのかを説明していこうと思います✍️
□ ホップを入れるタイミングが重要
Hazy IPAを作るときには一般的に麦汁を煮沸するときに加える「苦みを与える」という目的のホップがほぼ投入されません。
その代わり、発酵中や発酵後期に「香りを与える」という目的のホップを大量に投入します。
ホップを煮沸に投入するというのは苦みを与えるだけでなく、色んな効能があります。その一つが麦汁中にあるタンパク質とホップのポリフェノールを結合させて大きすぎるものは沈殿させるというものです。
雑味の原因ともなりうるタンパク質やアミノ酸を煮沸中にホップをいれることで、結合させてタンクに入る前に取り除こうとするわけです。
しかし、Hazy IPAではあまりそれは行われず大量のタンパク質とアミノ酸が発酵タンクに流れ込み、発酵中にホップが投入されポリフェノールと結合します。
これがHazy IPAの主要な濁りです。
□ 苦みが少なく、なめらかな味わい、そして香りの爆発
Hazy IPAの苦みが少ないのは煮沸中のホップ投入量が非常に少ないため。そして滑らかな味わいなのは煮沸中に過剰に取り除かれなかったタンパク質があるからです。
香りが非常に強いのもホップを発酵中に投入する量が非常に大きいからですね。
重要なのは穀物に含まれるタンパク質とホップのポリフェノールが結合しているということです。他にも酵母が浮いてたり、大きな糖分が浮いていたりとか、色々有るのですがこまいところに踏み込むと抜け出せなくなるのでこのへんで✍️
Qestion : ミード醸造の免許を取るためのステップ
Q: 「ミード醸造をしたいのですが、免許の取り方を教えて下さい」
ミードの製造を始めるには、醸造免許を取る必要があります。僕達がどのように免許を取ったのかを簡単に伝えていこうと思います。
「その他の醸造酒」免許を取りたいと税務署に相談 - まずはここから
醸造設備を購入する - 中国からの直接輸入が一番安いです。設備を買わないと税務署も向き合ってくれません。
その設備で年間6kL以上作れる資料を提出 - 僕達は最初20kLも作れます、という資料を出しました。実際にいまの製造量がそれくらいです。
取引先をスプレッドシートにまとめておく - 年間6kLを販売する取引先のリストを提出する必要があります(お店の承諾書が必要です)、自社ECは認められません。
以降、税務署と毎日話し合ってその都度必要な書類を作っていくだけです
費用感:設備費を除けば免許の取得にかかる初期費用は20万くらいです。登録免許費用に15万円かかります。
醸造ができる根拠:どこかで研修した、などの情報が必要で「適切に作れる根拠」を提出する必要があります。ANTELOPEで1日研修した方が免許を取得できてましたが、参考までに。
スケジュール感:申請から半年~1年(設備をいれるほうが時間がかかるかも)
いちばん大事なこと:ミードへの愛を育むこと。
免許申請は非常に足乗りが長く、どうやっても心が折れるときがあります。それでもミードという素晴らしい液体を作るんや!という気持ちは強力な支えになります。
日本での素晴らしいミード醸造所が増えることを心より祈っています。
お便りでも質問でもなんでも待っています✍️
Q&A
See you Tomorrow, maybe morning.
From Biwako.