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【医学生・初期研修医向け】消化器内科を回る前に読んでおきたいスライド4選

病棟実習や初期研修では、消化器内科を回る機会がありますよね。消化器内科は胃・十二指腸・小腸・大腸といった消化管だけでなく、肝臓、胆嚢、膵臓などの実質臓器も取り扱います。したがって、覚えるべき疾患が多く、ローテーション前にひと通り復習をするのはなかなか大変です。

この記事では、消化器内科を回る前に読んでおきたい疾患に関するスライドを紹介しています。ローテーション前にAntaa Slideで消化器内科の重要な疾患を確認しておきましょう。

腸閉塞とイレウスの違いを理解して学ぼう

病棟実習・初期研修では、腸閉塞またはイレウスを診る機会があります。実際の臨床では、両方ともイレウスと呼ばれることもあるようです。しかし、急性腹症ガイドライン2015によると、海外ではイレウスは機能性イレウス(腸管麻痺)を示し、腸閉塞は機械性イレウスのことを示しています。KI77@消化器外科先生のスライドで、腸閉塞とイレウスの違いを理解した上で診断や治療を学びましょう。
スライドでは腸閉塞とイレウスの分類・原因が整理されて載っています。また、CT読影のポイントもわかりやすく解説されています。排ガス、便停止を訴え、画像検査でniveauの所見を認めた時に、ただ「腸閉塞またはイレウス」だと疑うのではなく、問診や診察・読影のポイントを踏まえて、「何が原因でどの分類の腸閉塞またはイレウス」か推測できるようになりましょう。

消化器内科が扱う指定難病のひとつに潰瘍性大腸炎があります。潰瘍性大腸炎は内視鏡像や注腸造影所見が特徴的ですが、合併症や治療法が多く、苦手意識を持ちやすいですよね。次に紹介する、くるとん@消化器内科先生のスライドで復習をしましょう。

潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜に炎症が起こり、びらんや潰瘍などを生じる炎症性腸疾患と呼ばれる疾患のひとつです。症状としては腹痛だけでなく、粘血便や下痢を認めます。合併症には、腸管に生じる「腸管合併症」と腸管外に生じる「腸管外合併症」があります。たとえば、虹彩炎や原発性硬化性胆管炎は「腸管外合併症」です。このように、ローテーション前にスライドで合併症を整理しておきたいですね。

潰瘍性大腸炎の治療には、薬物療法や生物学的製剤があります。スライドでは、炎症性腸疾患のキードラッグである5-ASA製剤を含め、治療に用いる薬物、生物学的製剤を詳しく解説しています。名前を覚えるだけではなく、その薬剤がどういう目的で用いられているのかをスライドで勉強しましょう。

ガイドラインに基づいた急性膵炎の対応

消化器内科で扱う緊急疾患のひとつとして、急性膵炎があります。急性膵炎は、時に重症になることもある疾患です。そのため、救急科のローテーションで対応することもあります。番場祐基先生のスライドで急性膵炎について勉強しましょう。

スライドでは急性膵炎の基本知識が解説されています。急性膵炎の原因は多岐にわたり、胆石が最も多く、アルコールが次に多いです。他にも診断基準、重症度判定などの指標も押さえておきましょう。

また、ガイドラインに基づいた急性膵炎の治療もスライドでわかりやすく解説されています。急性膵炎といえば輸液、抗菌薬、蛋白分解酵素阻害薬などをイメージしている方もいるのではないでしょうか。輸液に関しては、初期治療として積極的輸液療法がすすめられていますが、過剰輸液にならないようモニタリングが必要です。予防的抗菌薬(特に軽症例に対する)と蛋白分解酵素阻害薬に関しては、実は予後改善効果は証明されていないそうです。

救急科をローテーションする際にも遭遇する疾患ですので、素早く診断から初期対応や正しい治療ができるように、スライドで予習しておきましょう。

胆嚢炎と胆管炎を比較して学ぼう

急性膵炎と同じく、急性期の疾患として胆管炎と胆嚢炎があります。名前が似ているので共通点と相違点をハッキリ理解しておきたいところです。Melon@消化器内科先生のスライドで、胆管炎と胆嚢炎の診断と治療の原則を予習しましょう。

スライドでは胆管炎と胆嚢炎の違いを比較しながら学べます。たとえば、胆管炎の診断基準に腹痛は含まれませんが、黄疸・発熱は含まれます。一方、胆嚢炎の診断基準に腹痛は含まれますが、黄疸・発熱は含まれません。

また、起因菌を踏まえた抗菌薬選択や、腹腔鏡下胆嚢摘出術についても詳しく解説されています。胆管炎と胆嚢炎の診断から治療までの流れを理解した上で、実習または研修に臨みましょう。

Antaa Slideを活用して混同しやすい疾患を理解しよう

今回は消化器内科を回る前に読んでおきたいスライドを紹介しました。消化器内科は覚えるべき疾患が多いだけでなく、混同しやすい疾患が多いです。Antaa Slideでは各疾患をわかりやすく解説するスライドが揃っています。ローテーション前にAntaa Slideで予習をしておきましょう。

執筆:ヒラメ筋