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「全国最強サッカー部は俺たちが引っ張るんだ」

新平(シンピョン)高校サッカー部
ユ・ヤンジュン監督
シン・イルリョン主将

原文記事:『唐津時代』WEB 2023年9月12日
文/ユ・スア記者  翻訳/@ansupporter


 新平高等学校が、韓国のユース年代でにわかに注目を集めている。忠清南道唐津市に位置する同校は、高校サッカー部としては異例の6名もの選手が来年度のプロクラブ入団を控えているのだ。そのうち、5名は他のプロクラブ傘下のユースチームで控えだったり、実力を評価されていないと感じ、この私立高校へ転籍してきたという経歴をもつ。今回は、3年生にとっては高校生活最後となる大会を前に、同チームの監督・キャプテンにインタビューした記事を紹介する。



 新平高校サッカー部は1988年に創立され、今年で35年の歴史をもつ。近年では全国規模の大会を席巻し、サッカー強豪校として地位を確立した。
今年開かれた第31回白鹿旗全国高校サッカー大会では優勝を、第78回全国高校サッカー選手権大会では準優勝を果たした。新平高校サッカー部を率いるユ・ヤンジュン監督とキャプテンのシン・イルヨン選手に会った。新平高サッカー部は来る10月全羅南道一帯で開かれる第104回全国体育大会に集中している―――。
 

兄を追いサッカーを始める

「私は英国のリバプールFCに所属するトレント・アレクサンダー=アーノルド選手が大好きです。彼はその若さにもかかわらず、優れた試合運用能力とスキルを備えています。」
 シン・イルヨン選手は京畿道龍仁市出身で実兄の影響を受けてボールを蹴るようになった。小学校4年生の時、兄が出場した試合を現地で観戦しサッカーに興味を感じた。以後、少年サッカー団モヒョンFCに入団すると、シン・イルヨン選手の試合を見たユ・ヤンジュン監督がスカウトし新平高校サッカー部へと進むこととなった。ユ・ヤンジュン監督は「初めて見たときには力が弱くスピードも遅かったが、ボールを蹴る実力が傑出していた」、「今では多方面に優れた能力を備えた「星形のプレーヤー」(※)と見ることができる」と語る。
※訳注:五角形選手=能力値のレーダーチャートで全ての項目が優れている選手
 
 主将のシン・イルヨン選手は、新平高サッカー部の長所として和やかな雰囲気を挙げた。そんなチームの雰囲気が自身の原動力で、チーム優勝の秘訣なのだと。

 新平高サッカー部は、学期中は午後4時から6時まで戦術の練習とフィジカルトレーニングを実施する。タフなフィジカルトレーニングにうんざり時もあったが、その甲斐あり彼の武器は強い体力になった。
 トレーニングに集中しにくかったこともあった。スランプがやってきたが諦めず、監督とコーチの助けを借りて再び立ち上がることができた。

 その一方で、韓国代表を夢見るシン・イルヨン選手はK1リーグの多くのチームからラブコールを受けていた。今はそのうちのあるチームと、今月末契約を控えている。
 シン選手は「多くのファンの応援を受けながら黙々とチームメンバーを支える役割をしたい」と語る。


 両親は反対するも、プロ選手に

 新平高サッカー部を率いるユ・ヤンジュン監督は天安出身で、牙山市陰峰面に位置する小学校に通いながらサッカーに触れることとなった。4年生の時、友達とボールを蹴っていた姿を見た天安小学校サッカー部監督がサッカーを勧めたが、当初は両親の反対にぶつかった。1年後に再び訪れた監督のおかげで、12歳から本格的なサッカー生活を始めたという。

 彼は新平高に進学すると、チュ・ギョンチョルサッカー部監督(当時)にコーチングを受けた。その後、大学を卒業したのち、2007年に水原サムスンFCに入団。2年間プロ選手として活動した彼は、母校の新平高で学生たちを教えるようになり今年で15年目に入った。ユ監督は語る。

「私が高校でやっていた時よりも多くの支援が行われ、学生がサッカーをするのに良い環境が整ったと思います。学生たちの優れた実力はもちろん、新平高校、唐津市サッカー協会、唐津市体育会などの支援で新平高サッカー部が今日のように成長できたと思います。良い成績で期待に応えられるよう努力します。」

 新平高は、ケソン小・新平中(共に唐津市)と連携するユースシステムが整備されている。一部の選手はユ監督が直接スカウトすることもある。プロ選手の夢に近づくために、新平高サッカー部に加入しようとわざわざ近辺に引っ越したり転校してきたりする学生も多いという。彼は「常に良い選手を発掘しようと努力している」と話す。

 ユ・ヤンジュン監督は過去15年間、多くの学生選手を指導し、プロ選手を排出してきた。その中で最も記憶に残る選手は現在慶南FCで活動しているソ・ジェウォン選手だ。2021春季全国高校サッカー大会で、ユ監督が指揮についてから初めてとなる優勝を共にした選手であり、休み時間になるたびにトレーニングに専念するなどサッカーに対しいつでも最善を尽くしたのが印象深かったという。

  一方、ユ監督は学生たちに楽しく試合することを強調する。試合に参加した選手たちが面白い試合をして満足してこそ、観客にも楽しさが伝わると考えるからだ。

「(日も近づいてきた)全国体育大会が、3年生の選手たちには新平高サッカー部として最後の試合です。1・2年生選手たちも最善を尽くして準備しています。生徒のための惜しみない支援に感謝し、新平高校が全国で最も良いサッカーをするチームになるように一生懸命指導します。」



星印の選手は2024年からプロの道へと進む

7番MF:シン・イルリョン▶水原FC
8番FW:パク・チャンギョ▶天安シティ
22MF/DF:チョ・インジョン▶済州ユナイテッド
77番DF:チョン・マホ▶忠南牙山FC
4番DF:ハム・ソヌ▶未公開
11番MF:イ・ユミン▶未公開

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