見出し画像

間伐材からバイオプラスティックへ

 国土の7割が樹木で包まれている日本、森林を上手に管理する必要があることは論を待ちませんが、人手不足や国産木材価格の低迷などの要因で林業にかつての繁栄を見ることが出来ません。足元だけ見れば円安ドル高の影響や世界情勢の不透明さから国内木材の価値が見出されつつありますが未だ林業の再活性化への道のりは遠いようです。

 とは言いながらも、日本古来の伝統工芸品を含む様々な製品が日本産木材でつくられています。私が友人と共に立ち上げた「やさしい」企業を紹介するサイトANSLists2.0Jをご覧いただくと若干ですが木材使用製品を製造する企業を見て頂くことが出来ます。 因みに、その一社(株)磐梯高箸は国産杉の間伐材を中心に箸、枕、おが粉活用のぬいぐるみなどをつくりつつ東北の森林保全に貢献しています。先日同社の割り箸を購入し、4か月経過した今もまだ十分使用に耐えており、杉材の割り箸の素晴らしさに感動しています。 最初に驚いたのは、この割り箸でつかむと豆腐の形を崩さずに食べることが出来ることです。 下の写真の左二膳が未使用の箸、右端の少し黒ずんでいるものが4カ月間使用中の箸です。

磐梯高箸社製の割り箸

 少し脱線しましたが、このような杉間伐材を使った製品のみならず、間伐材の利活用法は他にもあります。最新技術を活用したバイオプラスティックなどはその典型例と言えそうです。バイオプラスティックは単にCO2削減に役立つだけではなく、化石資源由来のマイクロプラスティックによる生態系への影響の観点から、プラスティックの代用品としてこれからますます注目されるものだと思います。バイオプラスティックについては別途ページを改めて述べたいと思いますが、今日は木材から抽出するリグニンという物質からバイオプラスティックを作り出す技術について解説している農林水産省のウェブサイトページを紹介しておきます。この農水省のウェブページでは杉を原料としたバイオプラスティックを生み出す「改質リグニン」について述べています。 この改質リグニンに関して森林総合研究所山田さんの解説動画がありますのでそのリンクも此処に貼り付けておきます。

 杉といえば、今年(2023年)5月30日に岸田首相が我が国の杉花粉を半減させるために今後10年かけて2割の杉の木を植えかえるとの方針を発表しました。このことは、建材や割り箸などを含む様々な製品の原材料が豊富に出回る可能性と共に、バイオプラスティック製品の普及に大いに役立つのではないかと期待が膨らみます。

ANSListsでは「やさしい」企業を多数紹介しています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?