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6章・棺の中に入れる副葬品

6-1 棺に入れたい物・入れられない物・他

棺の中に入れたい物、できれば入れて欲しい物もあれば、入れたくても禁止されてる物があるのはご存知だろうと思います。

駄目な物の最たる理由は「火葬炉を傷める」「火葬時間が長くなる」「有害物質を出す」「法律で禁止されてる」などがあります。

そう言えば前橋斎場でしたが火葬70分が過ぎた頃、斎場職員が慌てて来て「あんしんさんちょっと良いですか!?」と火葬炉前室に呼ばれました。

火葬炉から出たばかりの熱い火葬台の足元部分を指し「これ人間の骨じゃないですよね」と言うので見ると小型犬か猫のような頭部骨があります。

戻って理由を聞くと火葬してあった愛犬だから入れたと聞き、火葬炉に戻って説明し事無きを得ましたが、人間の火葬炉に他の動物の遺骨は論外です。

遺骨は再燃しても残りますから火葬する意味も無く根本的に駄目です。時々内緒で駄目な物を入れる家族もいましたが駄目な物は火葬すれば分ります。

入れたい物は必ず葬儀社に「確認」して了解を得てから入れましょう。

6-2 棺に入れたい物・位牌類

棺に入れる『副葬品ふくそうひん』で入れられる物、入れられない物はネットにも沢山書かれてますが、葬儀社でも聞いた事は無く家族目線の経験から「ぜひ入れて欲しい物」があるので書いておきたいと思います。

生花、食べ物、衣類、手紙、最近は家族写真など利用する火葬場で承認されてる物は葬儀社に聞けば分りますので入れたい物は量も含め確認しましょう。

仏壇の中にある位牌で故人が看てたものは全て棺に入れて持たせましょう。

何も残らず不安なら過去帳(故人を月日毎に記し管理する専用の帳面)に記入しておかれると良いでしょう。

鴨居かもい等に掛けてある大きな遺影、後の始末に困るなら故人に持たせましょう。

ネット等で位牌や遺影はお炊き上げして貰うと書いてありますが、年始や特別な時期以外は「焼く」だけの事、なら看てた故人の棺に入れて持たせれば良く、お炊き上げ費用も掛かりません

最近は線香、水、お茶を供える習慣の無い人も増えてますので、線香や水など供え続ける自信の無い方は位牌を持つのは検討してからにしましょう。

6-3 先に逝った配偶者や故人への土産

スイカなど大きな果物や野菜以外は大抵の食べ物は入れられます。うどん、蕎麦、肉、刺身でも問題ありません。タバコ、菓子、1合紙パック酒も問題ありません。配偶者や両親など先に逝った故人へのお土産もありです。

6-4 いつも被ってた帽子と好きな服

逝去直後ご遺体に着せる服は事前に病院の看護師さんに渡しておけば着せてくれますから、売店で浴衣を買う必要もなくボロボロでもお気に入りを持たせてあげましょうと書きましたがもうひとつあります。

いつも帽子を被ってた故人なら、キャップでも、毛糸でも、いつものように被せてあげると見慣れた故人の顔になり家族の心は和みます。

6-5 入れられない物

金属類、プラスチック類、カーボン、ビン類、缶類、ガラス製品、毛布、布団、毛皮、ベルトバックル、大きなボタン、大量の衣類、ダンボール、CD、カセットテープなどは何処の斎場でも禁止されてます。

6-6 本・書籍・CD

カラオケ好きの故人は多いですが、歌詞本は駄目、本が駄目? 意外に思うかもしれませんが雑誌、書籍、聖書など本類は空気の層があるため燃え残るので駄目、ただ譜面や歌詞カード1枚2枚なら大丈夫です。

6-7 缶・ビン・カーボン・金属・硬貨

お酒が好きな故人も多いですが缶ビール、ガラスカップ酒、ワインボトルも駄目で、生前使用してた杖もカーボン制で殆ど駄目です。

6-8 三途の川の渡し賃(仏式)

三途の川の渡し賃(六文銭)を入れる習慣は全国的にありますが1円、5円、50円、100円、500円硬貨を潰したり損傷させると貨幣損傷等取締法により罰せられる対象です。但し紙幣は燃やしても罰則はありません。

いずれにしても硬貨を燃やす事は犯罪ですから、黙認されてる点を考慮し硬貨なら1円玉6枚が限度と考えておくべきでしょう。

6-9 火葬炉の温度と焼骨

三途の川の渡し賃は1円玉と言ったのは理由があります。

火葬炉内の温度は斎場毎に違い800℃~1100℃、1円玉素材はアルミニウムで融解温度660℃で溶けますが、100円硬貨融解点は900℃ですから燃え残る確率が高く入れるのは止めましょう。

1円で少なければ千円札なら法的な問題も罰則もありません。

火葬炉の温度ですが火葬数が多い火葬場は1000℃~1100℃くらいまで加熱させ時間短縮、火葬数の少ない火葬場と焼骨説明をする斎場は焼骨を大きく残し且つ黒く焦げさせない為800℃~900℃ほどで火葬すると思われます。

熱いまま拾骨する斎場以外なら、火葬時間60分前後の火葬場は設定温度が高く90分火葬は冷却時間をしっかり取る火葬場と考えて良いと思います。

最近は一旦ステンレス皿に取り分けた拾骨が増えてますが、火葬台から直接拾骨する斎場では熱いまま箸で拾骨となります。頭部から足の部分まで火葬台の両側に綺麗に並べてから家族の前に出す斎場もあります。

火葬したまま拾骨と思ってる人もいますが、火葬炉から出して取り分けたり、綺麗に並べて他の焼骨は排除して家族の前に出しており、7寸骨壺に拾骨する東日本でも全ての焼骨を拾うわけではありません。

6-10 六価クロム

棺に入れる物の話しではありませんけど、焼骨から検出される有害物質として『六価クロム』という言葉を耳にするかもしれませんが、焼骨に含まれるので無く火葬炉のメッキ等が高熱で焼骨に付着する事がある程度のものです。

当方でも検査キットで何度も検査した結果0,05mg以下の濃度で気にするレベルではありませんでした。

非常に細かい粒子の六価クロムを含んだ蒸気を吸い込むことで、手足、顔などに発赤、発疹が起こるようです。

しかし僕自身が拾骨に入り少なくとも数百からの焼骨を家族と一緒に素手で触り続けてますが全く問題ありません。

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参考資料(お時間のある時にでも読んでみてください)
あんしんサポート葬儀支援センター  
代表ブログ 葬儀支援ブログ「我想う」

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