見出し画像

06:家族の為に読経戒名でしてること

不思議だけど無信仰と明言しても、読経して欲しいとか戒名を付けたいと言う人がいて例外として片づけるには多過ぎる。 無信仰の自分にとって読経や戒名はどうでも良い認識だけど、日本人の中には厚い信仰でなく「なんちゃって信徒」が多いんじゃないかと思う。

大きなお世話だけど、仏教と神道の宗教者は過去の宗教者が作り上げた土台の上に胡坐あぐらをかき檀家や家族ひとりひとりの事より、自己主張ばかりしてきた事が今の信仰離れの引き金になってる気がしてならない。

前例も無く実績も信用もゼロから出発、一歩一歩を言葉でなく実体験しながら葬儀支援事業を確立しなければと藻掻もがいた人間には『もったいないなぁ』と思えるが、外野がとやかく言うことではない。

会員さんを見てると旅立つ家族が途中で困ったり、迷ったり、辛い思いをせず極楽のような心休まる場所に行って欲しいと願う家族愛は結構な人達が持ってるのも分るから何をどうすれば良いか常に考え続けている。

考えてみれば無信仰者代表のような僕でさえ、葬儀支援事業を始める前からの毎年のルーティーンとはいえ元旦夜中は初詣に行き、お賽銭115円(良い御縁)を投げ入れ、二礼二拍手一礼を済ませると我が家と千明家で15個のお守りを買い、境内横で甘酒を飲むと正月が来たと実感する。

根拠は皆健康で一年間過ごせたらの思い、僕自身なんちゃって信徒か!?と思うと笑えるが、何故そうしてるのかと考えると何十年も続けてきた習慣であり、お守りが1個800円と高額で無いから続けてるだけで1個1万円なら受けない(買わない)だろう。

日本人って改めて信仰してなくても初詣は神社、厄年は寺、結婚式は教会、七五三は神社みたいな見ようによっては節操の無い習慣も普通、困った時は神様、仏様にすがる人も多く何でもありって感じだけど天災にあっても暴動もせず助け合えるのが日本人なのだから全く問題無い。

また家族としたら故人にとって良かれと思うから、家族の財布事情に支障の無い料金で可能なら読経や戒名を付けて欲しいと思う家族愛はお守り同様に理解できるが、故人への愛情が強い人は自分は我慢しても――、と考えてしまうから葬式後冷静になると高過ぎると料金面の愚痴をこぼす。

ようするに『宗教者への謝礼が安ければお願いしたい』と思ってる人達が沢山いる事に気付き、読経戒名で宗教者との合意点7万円設定(相場の1/7)でしたが、不景気は続き年金も下り続ける中、最終段階への挑戦として読経戒名で5万円設定を目指したのが、10年間何のメリットも無かったNPO法人閉鎖、一般葬儀社との明確な違いも全て公言し始めた5年前でした。

葬儀支援事業設立初年度わずか3件の施行でしたが倍々ゲームは6年続き、年間200施行を超える頃には現状体制で可能な施行数、葬儀支援を必要とする対象者、対象者が望む内容と費用までハッキリしてきた。

お手伝いしてくれる住職に当方姿勢をより明確にする為『会員以外の依頼は受けない(特例1)』『菩提寺の葬式は受けない(特例2)』『読経時間や住職負担の軽減』も含め目的達成可能な道を探った時期でした。

『特例1』
病院、施設、包括支援センターなどからの依頼は突然でも受けてます。理由は葬儀支援の広告宣伝はホームページを除き一切しておらず、当方の存在を知らない人がいても当たり前である事と、これらの依頼は家族の生活状態が分った上での依頼だからです。

『特例2』
菩提寺の行う葬式は基本受けませんが、布施が5万円以下なら当方と同額ですからお断りする理由はありません。

葬式の現場を客観的に見てると長い読経は好まれず、戒名は居士大姉を希望、また会葬者が焼香だけでなく、故人とのお別れ時間や家族と話しをする時間を造り出す為にも読経時間を減らす事は必然でした。

日本で一番有名な読経、般若心経で4分、本読経と焼香時読経で9分、結経1分の合計15分で読経設定(読経内容は住職お任せ)して貰い、袈裟けさ(僧侶の着物)は移動に着る黒袈裟のまま、初七日法要経と炉前経は希望があれば別料金で対応としてはと相談した。

戒名は居士大姉を基本とし故人の性格、人間性、仕事、趣味など我々が詳しく聞いた上で暫定戒名と意味を書いてFAX、住職が確認し訂正修正があれば行い返信された戒名を位牌に筆書きする事で住職の負担を減らす。

1回の利益は減るが依頼者数が相当数増える可能性と忌明法要、年忌法要が増える可能性も高く、長い目で見ればメリットはあると本音で相談したところ快く了承して頂けました。

家族からすれば住職と話すより、我々と話すほうが気楽で故人の人と成りも気兼ね無く話せ、家族の思いも理解でき葬式期間も有効活用できますから家族も、住職も、我々にとっても良い結果になります。

葬式当日、戒名が書かれた位牌を見ながら戒名説明すると涙を流して喜んでくれる家族も沢山いて「戒名通りの人、とても良い戒名をありがございました」と言われる家族も多いです。

普通に考えれば戒名は住職が考え授けるもので他者が口を出すなどあり得ないと思われるでしょうが、故人を全く知らない住職の独断より、家族の話しや想いを直接聞いた我々のほうが家族の意に沿え、最終判断は住職、葬式に関わった全ての人達の想いが集約された戒名になります。家族は喜び、住職への感謝や信頼感も上がる副産物がある事も分りました。

但し暫定とはいえ戒名を付けるのですから、戒名については自分なりに学び宗派で良く使う文字、戒名には使わない文字、いんを踏むのを良しとする住職もいれば関係ないと考える住職もいると色々分かってきました。

故人の性格、人柄、仕事、趣味など家族が納得する戒名と家族の想いまで四文字に入れるのは難しい事もありますが、家族が温かく送れて良い葬式だったと思える為に必要な事と手を抜かず続けています。

読経後の戒名説明で家族に伝える内容を簡単に書きます。

『野位牌』
今では斎場に持って行く位牌と思われてますが、日本は元々土葬で土葬は葬式の当日、後日建てられる墓標ぼひょうは一週間ほど掛る為、埋葬した場所の目印として朽ちるまで置いたのが野位牌、雨露が凌げるようワンプと呼ばれる袋を被せます。

新円寂しんえんじゃく』「新帰元しんきげん
白木位牌最上段に書かれた新円寂とは新しく亡くなった方ですよとという意味で白木位牌のみに書く文字です。

『戒名』『法名』
浄土真宗(本願寺)は釋〇〇の三文字ですが、他は〇〇■■△△の6文字が普通で上二文字は「道号どうごう」と呼び故人の人と成りを表す事が多く、真ん中二文字が「戒名」下二文字は「居号」と呼びます(之霊位は別)

戒名は俗名から一文字付ける事も多く、居号は信二信女、居士大姉の二種類、また院号とは居士大姉戒名の一番上に〇〇院と付く戒名の事、天台宗で多く見られる「せい」の字を入れた7文字の戒名もあります。

前橋市布施相場は、信二信女戒名の葬式謝礼が30万円、居士大姉戒名で40万円~80万円、院号付きは上限なしですが個人的に理解出来ないのは、現世には無い身分制度があの世にはあるのか!? と言いたくなるのと謝礼が驚くほど高額な事、国民年金で生活する老人には無理です。

不思議なのは寺役をしてる人達の布施は一様に高額で住職の言う「お世話になってますから」の言葉とは真逆で高額な布施額が多いこと。

生活が大変だからと交渉すると見込んでたように5万円の値引、もしくは分割で良いですよは値引きしないと言ってるのと一緒、たまに10万円、15万円と値引きしてくれる寺もありますが忌明法要、新盆法要、年忌法要等で埋め合わせされる現実もあったりする。

そう考えるとお手伝いしてくれてる住職さん達は読経と居士大姉戒名で5万円でも嫌な顔もせず、お金の事で何か言われた事はないから、日本で最も思いやりと奉仕の心を備えた住職達だと思う。

運よく本当に「布施はお気持ちですから――、」を実践しておられる住職の菩提寺なら超ラッキーと思って全てお任せしましょう。されど現実には殆ど無いでしょうから、信頼に足る葬儀社に聞くか、ネット検索で我が家の財布事情に合う僧侶を探せば読経戒名で10万円以下があるかもしれません。

|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
参考資料(お時間のある時にでも読んでみてください)
あんしんサポート葬儀支援センター  
代表ブログ 葬儀支援ブログ「我想う」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?