★『YAWARA!』OP2の演出・色彩・ファッション:まいにち100字【27日目】

今回は、ときたひろこが監督したアニメのOPの中から『YAWARA!』OP2を取り上げて書いてみたい。

ときたひろこの経歴はWikipediaに詳しいので、そちらを参照して欲しい。一般的にはタッチやYAWARA!の監督として知られており、脚本の仕事も多数行っているようだ。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%81%A8%E3%81%8D%E3%81%9F%E3%81%B2%E3%82%8D%E3%81%93

(ちなみに、「ミラクル☆ガールズ」OP(1993年)も挙げようと思ったが、ときたひろこが監督になったのは30話からなので今回はパスとした。
また、「水色時代」OP(1996年)については時間が足りなかったのでまた後日書きたい。)

▼「YAWARA!」OP2(1990年)

YAWARAのOPは4本あり、どれも違った良さがあるのだが、筆者は特にこのOP2(今井美樹『雨にキッスの花束を』)が好きなため、取り上げてみた。

このOPは、作画で魅せる動的なアニメOPとは違い、静止画MADに近い様式かつ、光と影や色彩のコントラストを強調したデザインが眼を惹くもので、あまり類を見ないものと言える。

序盤、YAWARAのタイトル文字の上に柔が座っている。これはのちに、石浜真史がスタッフロールなどをアニメOPの一部として扱う表現の、はしりとみて良いかもしれない。次のハイヒールを揃えた瞬間に影ができるカットは、アンリアルだからこそアニメとして描く意味があるカットだろう。また、柔が階段から降りてくるカットは、抽象化された階段と省略された柔の動きが気持ちいい。

サビ(「思いがけないプロポーズ」)に突入してからの色彩バランスはとても美しい。緑~青の背景に対して、柔の黄色と赤、信号機の点滅が映える。画面の動きとしても、カメラは引いていっているようにも見えるが、むしろ舞台装置が動いているようにみえ、作画枚数は少ないながら非常にダイナミックである。

そしてこのOPを通じて、柔の服装の種類が多く、見ていて飽きない。YAWARA!のWikipediaには次のような記述がある。

「主題歌の部分ではOP・EDともに、柔が色々なファッションに身を包んで登場していることがほとんどだが、これは監督のときたひろこが「普段は柔道着ばかり着て女の子らしい服装をする機会が少ないから、せめてOP・EDの中だけでも色々な服を着せてあげたかった」という意向を持っていたため。」
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/YAWARA!

上記のエピソードは出典がなく、軽く検索しても出てこなかったため、雑誌のインタビューか何かから引用したものかもしれない。とはいえ、そうした監督の意図が鮮明に汲み取れるOPのように思える。

YAWARA!のOPに関しては、すでに2008年には下記のようなまとめが上がっているので、是非みて欲しい。個人的にはOP1も、アニメOPとして完成された出来と言って良いと思う。
https://nico.ms/sm2053777

色彩がかっこいいアニメOPなどありましたら教えてください。『輪廻のラグランジェ』OP(演出:鈴木利正、2012年)とかもオシャレで好き。

おわり~❗️

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