トルコ人の詐欺師

LINKEDINで”S”いうイギリス在住のトルコ人から
ビジネスオファーが来た。
イギリスのある研究所で勤める彼は、昨年から供給の止まっている
あるハーブのエキスが相当の利益幅で売られていた事が分かり、
供給者をあてがえば、見返りとして20%ほど要求できる踏んでいた。

Linkedinのメッセージで私に連絡がきた。
会社を12月で辞めることとなっている私にとってビジネスオファーは
喉から手が出るほど欲しいが、月に1億円ほどの資金が出ていく事と
利益率が50%以上であることから、到底信じられない話であった。

詐欺である事が前提でSの話は聞いていたが、詳細が細かい事
また金額が半端ないが、うまい事受注していけば一夜にして大金持ち。
こんな夢物語を心のどこかで信じたいというアホな自分がいた事は確か。

イギリスの研究所の購買部に指示された通りのメールを購買部のトップである”P”にメールすると、当然のことながら購買したいという返答の連絡が来る。
付随したテスト成績書も難なくパスして、こちらまで商材のテストをしに
やってくるという。こちらは慌てふためいて、コロナ禍であることから
サンプル2缶でイギリスでテストして欲しいと依頼。その為に銀行へ行き
送金手配をする。今時の海外送金は手厳しく、色々と資料なり準備が必要で、結構な時間を要した。

数百万円というお金が週末を抜かすと3日で先方に到着。
ハーブのメーカーは数日後出荷したとクーリエのトラッキング番号をよこす。客先でであるイギリスの研究所も商品を受け取ってテスト機関に回したと言う。

AWBという出荷が確認できる書類が来なかったのであるが、先方に既に到着していた。そこでこの流れが犯罪であると私の中で明らかとなる。
メーカーからメールで来たトラッキング番号を使って、運送会社のホームページで出荷状況を確認したところ、トラッキングが出来なかったのである。
それが原因でクーリエのホームページIPアドレスを確認する事となる。
このクーリエ会社のホームページは数日前に作成されたサイトであった。

その後、ハーブメーカーのホームページのIPアドレスを確認すると
今年の6月に作成されたもの。
イギリスの研究所のホームページのIPアドレスも6月に作成されたもの。
よくよくネット検索していくと、研究所の本物のホームページも見つけた。
その電話番号に電話してみると、Sという人間もいなければ、Pという購買の人間も存在しない。

イギリスのトルコ人、トルコのトルコ人、この二人は繋がっている。
メーカーもなければ研究所の購買のトップPも存在しない。
どうしたらいいのか?

イギリスのCyber Crimeの報告をするAction Fraudへ報告する。
28日間の内に調査した結果の報告が来ると言う。
イギリスの研究所に偽装のホームページが存在するとの事を伝えるが
受付のおばさんはITに連絡をするとは言っていたが、対応してくれているだろうか?
トルコの日本領事館にも報告するが、日本のトルコ大使館と最寄りの警察に被害届をしてくださいと言われる。
日本のトルコ大使館は対応できないと。

最寄りの警察は刑事課の人間に事情を伝えるが、1時間半かけてなんとなく
理解できたが消化しきれていない感じ。
また、国際的な詐欺であると一介の刑事がどこまでできるか?
とても不安そうで情けないと言う表情であった。
Linkedinはネットで調べてもクレーム出来るようなメールアドレスや電話番号もないと伝えると、その刑事は警察でも調べるのが大変でという。
警察はそんな事も出来ないのか?

このような国際的な詐欺はネット社会になっている今、頻繁に起こる事であるし、防ぎようがなくなってくる。政府はその事に気づいているのであろうか?

今後の日本がとても不安だ。


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