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役割と仕事

歌が好きだから、自分も音楽に励まされたから。

そんな、100人いたら95人ぐらいが答えそうな動機で
ただ突っ走っていた15歳のわたし。

もし、あのときのわたしに、いまの私が会えるのなら、
ひとつ言ってあげたい言葉があります。

『その仕事は誰のための仕事なの?』

いま思い返してみてもお客さんの顔をあまり思い出せないのです。

あのときに聴いてくれた人は誰だったんだろう。
誰に向かって歌っていたんだろう。

それを見失っていては仕事は成り立たちません。

だれのどんな幸せのために「働いて」いるのか、
受け取るべき人にちゃんと届き、対価としてお金をいただけるのかどうか。
それこそが【仕事】なのではないでしょうか。

nutteというサービスは
【縫製職人のための】サービスです。

だから、私が外部の人とお話するときは

「いまから私が答える内容が、職人さんたちの幸せにつながるかどうか」
を考えて発言しています。

「小ロットの縫製でしょ、他のところじゃロット足りないから同じ値段でやってよ。」
「内職さんでしょ。安くやってよ。」
なんていうお話は糞食らえと思ってます。マジで。
でも糞食らえっていうと職人さんたちの未来の為にならないのでもう少しソフトにお断りしています。笑

nutteはいわゆる「インフラ」です。
いまある問題を解決することはできます。
目の前にある依頼を受け取ることはできますが、
『いまは顕在化していない需要』
を生み出すことはできません。

いま顕在化していない需要をつくりだすことが「職人の未来をつくる」仕事になります。

nutteというインフラが受け止められる仕事は多種多様なので、
ここはいくらでも開発のしようがあります。
私たちがいま手をつけ始めている teshioni というサービスも
それにあたります。

teshioniは
デザイナーさんと
ブランドを立ち上げて一緒に運営するサービスです。

nutteであればマッチングですので、
応募するもしないも職人さんが決められます。
仕事の意味を問い、やりたいと思ったら妥当性のある価格で応募し、
双方が合意してお仕事がスタートします。

しかしteshioniは
ブランドの運営、生産、販売すべてを行うため、
私たちが「この仕事が職人さんのためになるかどうか」
を判断しなければならない立場にあります。

わたしはそうしたブランド候補の中から
teshioniでご一緒できるブランドを選択するとき、

縫う職人さんたちにわたし自身が
「誰のしあわせの為の仕事なのか」
を伝えられるブランドになるのかどうか。

ということをとても大切にしています。

だけどそれは
考えてみれば、超絶普通のことなんです。

お野菜を作る人が、食べる人のことを考えて作ったら、
そりゃ体に良くておいしいお野菜ができるでしょう。

お料理する人が、食べる人のことを知っていたら、
嫌いな食材を入れないか、または嫌いな食材が食べられるように調理するでしょう。

お料理を提供する人が、そんなバックグラウンドを知っていたら、
お野菜がどうやって作られて、どう工夫して調理されているかを
答えることができるでしょう。

それを食べたあなたは、またそのお店に行こうと思うでしょう。

超絶普通のHAPPYサイクル。

これをやっているのがteshioniです。

その中で、「わたし自身」が担う役割は
その情報の伝達だと思っています。
ここでいう情報の伝達とは、
どこをどんな風に縫うか、細かく何が間違ってて間違ってないか、みたいなことではありません。

この仕事がどんな幸せに繋がっているのか、という「意義」の情報です。
職人側にそれを伝え
また職人側からそれを受け取り
teshioniにおいてもっとも購入者と近いデザイナーに伝える。

誰かの、または何かの、「価値」を「定義する」仕事。

わたしがやっている仕事はまさしくそれです。

「誰の」「どんなHAPPYのために」「わたしが」「何をして」「どんな結果を目指すか」

どんな仕事もこれさえわかればとても楽しい仕事になりませんか。

どのサービスも、どのブランドも、
すべて自分の仕事、自分の役割があり、
最終的にわたしはとても楽しく仕事をしていてとても幸せです。

「好きなことができて幸せです。」

その裏にあること。
社会における自分の仕事と役割を
理解したときに
自分の仕事の価値は最大化できる。

あなたの仕事は誰の笑顔をつくっているのか。
それを見失わないようにするのが
私の仕事です。

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