全員シード宣言
ANRI4号がスタートして半年が経ちました。投資も10社以上進み順調です。
ファンドの資金調達も予想を遥かに上回るペースで進んでいます。
本当に良い起業家に、投資家に、選んでもらい、信じることができています。
ただ、僕は一つ危機感を持っています。
このままだとANRIは「普通のファンド」になってしまうのではないか?
トレンドとして表出したマーケットで、プロダクトローンチ後に、6名のメンバーがいる会社に1億円を投資する、そんな投資家の多くが信じられるスタートアップに多数決的な意思決定で投資をしていく。
そういった戦い方では1-2年は投資が続けられても、多くの尊敬すべきベンチャーキャピタルとは差がついていくばかり。目に見えています。
ANRIはレイターラウンドに十分な金額を投資するには小さく、直感的にその場で投資判断が下せるシード特化の投資をするには大きい。油断するとどちらともつかないぼんやりした組織になってしまいます。
僕らは投資を検討するには十分に優秀で経験がある。そのメンバーでディスカッションを進めて合意形成を計ろうとすると、結果的に「誰しもが納得できる会社」にしか投資ができなくなります。
ANRIはもっともっとシードに投資していきたい。
スタートアップの投資は究極的に言うと「起業家と投資担当だけが信じられる世界」にリスクマネーを提供することです。ANRIは高いレベルで価値観を共有できていますが、それでもすべてが一致することを目指すことは不可能です。
なので、必ずしもすべてを一致させることを目指さないでいきましょう。
「何がわからないかわかっている」のであれば、GO。
誰が反対していも、賛成しても、大事なのは「自分が、自分だけはその起業家と戦いたいのか」。
不確実性とは、大成功と大失敗のイメージはできるが、それぞれがどれくらいの可能性で発生するかわからない状態を指します。
ANRIは不確実性を愛して、不確実性の中で戦うことを強みにしていきたいのです。
で、具体的に何をするかというと、新しいプログラム「ソクダン」を始めます。
バリュエーション3億円までのシード投資で、10%出資ならば、1営業日以内で起業家に回答とします。
全員シード宣言をしたい。どんな起業家を、技術を、愛せるか。
どう愛しているか、実現したらどんな圧倒的な未来が待っているのか、それを話し合い、不確実性を取る組織でありたい。
責任あるお金を預かっている立場なので、網羅しなくてはならない情報やプロセスは当然あります。
ただそれに以上に、僕らの存在理由は、起業家自身しか信じていない、もしかしたら起業家自身すらもあいまいなときに、「俺と一緒に成功しよう」と言うことです。
日経平均が14ヶ月ぶりに2万円を割り、世界経済は悲壮感を増しています。
これからは、スタートアップもそしてベンチャーキャピタルも、よりはっきりと勝敗が決していくでしょう。
リーマンショックど真ん中で創業したラクスルやユーザーベースのように、嵐の中での船出をする起業家を、今はまだ誰も知らない将来のヒーローを、僕たちは応援していきます。
「誰も見ていないところからヒーローは現れる」、いつだってそれを信じて挑戦していきましょう。
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