52ヶ月間のヤーレンズ(その8)

2022年11月―

M-1グランプリ3回戦を突破し毎月恒例のトークライブを開催する

各所行く先々で「仕上がってる(らしい)」と言われる数が増えていくヤーレンズ

『仕上がってるって何?』、『仕上がってるらしいってことはネタは観ていない』等、言われることへの嘆きも含めつつ、この回はヤーレンズなりの視点から深いお笑い談義がいつにも増して繰り広げられていた

過去、挑戦し続けてきた場面を二人が振り返る中で

「だから準々決勝で落ちるんだ」と出井さんが切り出した2018年の予選について、続けて、当時のエピソードを楢原さんが話し始めた場面があった―

↑この内容は将来、もっとオープンに話す機会があると思うので後半に軽く触れるぐらいにする

2018年といえば、その7でもお話したとおり私が和牛を追い出した時期でもある

当時は今と違いM-1に対しての熱量はそこまで無く予選動画もチェックしていなかった

そんな中、Twitterで繋がっていた和牛ファンの方が

『M-1予選動画のヤーレンズが面白い』


というツイートをしていた


私は全く知らないコンビだった


「でもせっかくなら見てみようかな」


見てみた


私の記憶だと紺スーツにアスコットタイの頃のヤーレンズである


「容姿が好き」というのが初見の印象だ


ここまでダラダラしゃべってきて「結局顔ファンの話かい!」と残念な気持ちを抱いた方にはもう少し話を聞いてほしい


私は世間で言う容姿にかかる『カッコいい』・『可愛い』、はたまた『ブス』・『ブサイク』だの日本語独特のスラングを会話の中で使う機会がまず無い 

思っても口にしない、という訳でも無く

その言葉の意味が【分からない】から使う事がない



どれぐらい分からないかの具合を言えば

「1+1は?」と聞かれすぐに「2」と答えられる人が大多数を占めるなら

私の場合は「まず+(プラス)って何?」って所からつまずいて寝っ伏したまま今に至っている


理解しきれていない言葉を、はなし言葉で使うのはどうしても気が引けてしまう性である

過去、自身がファンになったお笑い芸人はそれなりにいるが何を持って好きになったのかと言えばその人の「はなし言葉」が全てだった


そんな私の中でヤーレンズは初めて容姿でインパクトを受けた芸人だった

初めて『こういう人達のことを“カッコいい"と言うんじゃないだろうか』と思えた


内容はもう覚えていないがその時観た漫才も
確実に誰にも真似できない、
確実にこの人達にしか出来ない掛け合いがあり
ヤーレンズの漫才(お笑い)は強かった

ただ、

『こんなに面白いなら特に応援しなくたって勝手に売れていく人達だろう』と思えるぐらいだったため、以降は毎年M-1の結果だけを確認するぐらいの存在になっていた―


そんな出来事を体験した2018年

ヤーレンズが当時のことについて何を語ったかというとその年の漫才は本人的には荒削りだったというのだ



私はその荒削りの漫才の面白さは心に残っていた



ともなれば



ヤーレンズって天才じゃない?(真顔)




と、2022年のヤーレンズの漫才をより信頼できたトークライブの一場面だった

(※先般、古参ファンの方にこの頃の衣装の話をしたところ、この年は既に赤緑のサテンスーツだったらしいので見間違いの可能性があるかもとのこと)


2022年11月中旬―

M-1準々決勝が近付く

この頃、ヤーレンズのTwitterでのサジェストでは「仕上がってる」の表示がしばらく出るようになる

ヤーレンズのYouTube公式チャンネルにはM-1 3回戦解説動画がアップされた この動画からどんどんヤーレンズの漫才の面白さに気付く人が増えていった様子もあった

そしてこの時期にやっと気付いたが

2022年の中でヤーレンズはサンパチマイクにたどり着くまでの動きにも変化を付けていた

私はこの動きが今の雰囲気にとても合っていて好きである

ヤーレンズが出演した準々決勝が終了し、翌日には準決勝進出者発表のツイートと共に進出者の写真が掲載された


一瞬、あれだけウケていたのにいない!?と焦ったが良く観たら上側にヤーレンズはいた

遂に準々決勝の壁を乗り越えた


そして―



Twitterの日本のトレンドTOP30にヤーレンズが出現した


もう一度言う


Twitterの日本のトレンドTOP30にヤーレンズが出現した


ラストイヤー組がこぞって落選し、そちらも話題になっている中でも関連ツイート数が一番多かったのがヤーレンズだったのだ


ヤーレンズを応援してきた人が一気に興奮した瞬間だった




準決勝までの間、楢原さんはラジオ、出井さんは配信にそれぞれゲスト出演する

芸人仲間からのエールも熱かった


そして準決勝となる11月30日を迎える―



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