容姿について。

儚くなりたい。
輪郭やまつげ、髪の毛一本一本が白線で描かれたイラストの女の子のように、今にも消えそうな女の子になりたい。掴んでないと何処かに行ってしまいそうになりたい。

わたしは、良くも悪くも、めちゃくちゃ髪の毛も瞳も黒くて、服装も全身赤だのピンクだの、ゴテゴテのヴィヴィアン、シルバーのマーチン、どこからどう見てもめでたい装いだし、消えてなくならないしどこにも行かない。なんなら肌もめちゃくちゃ焼けてる。とにかく、わろてまうほど肌が黒い。

肌が黒いのが本当に嫌で嫌で、この世に存在する美白になると謳われている化粧品、医薬品系はほとんど試したと思う。ウユクリームとかニベアとか。地黒にはびっくりするぐらい効かなかった。メラニンの強さ、すこしはメンタルのほうに流れてほしい。

20年間生きてきて、やっとやっとやっと、黒くてもいいか、と考えるようになった。というか、開き直りに近いのだけど。本当にここ一年くらいの話。

私が、黒肌よくない!?というマインドに変わっていけたのは、紛れもなくサイバージャパンダンサーズの女性たちのおかげだ。
「最強ビキニギャル集団」でお馴染みのあの方達。もう、本当に可愛い。語彙力など必要ない。もう、めちゃくちゃに可愛いのだ。私はかずへ〜ちゃんこと渡辺加和ちゃんに熱烈に恋をして、「黒肌最高!黒ギャル、最高」という思考回路をゲットした。

駄目だ、ギャルになりたい。

思考の処理方法が、百均に売ってる早押しクイズのボタンと同じなので、サイバージャパンにハマった次の日に人生で初めてまつげエクステに行った。
「肌はすでに黒い。次は、目力か。。。
…目に毛が要るのでは?」
冷静に振り返ると、アホすぎて愛おしいまであるな。

まつげに関してなんの知識もなかったので、ギャルの友達に連絡して、ギャルの友達御用達のお店へ。
倖田來未ちゃんと浜崎あゆみさんの曲がずっと交互に流れ続ける、というBGMの究極形態で洗礼を受けてわたしはギャルになった。(?)

結果、まつげがボーボーで肌が浅黒いベリーショートの、服装の派手な女が爆誕してしまった。とても後悔した。

すごく迷走していたと思う。でもなんか、あの時間が私には必要だったのだろうな、とも思う。

これからも、ギャルになりたくなったり、色素が薄くなりたくて仕方なくなったり、ロングヘアに憧れたり、何かに影響を受けるたびに私はおかしな事をする。
ありえないほどお金がないのにクレカで3万円払って髪の毛に100本エクステをつけたり、まつげをボーボーにしたり、顔面に一番白い色のクッションファンデを叩き込んでチクショーー!!!的風貌になったりする、きっと。

そうやって生きてく中で、私は私を探してるのだろうな。そうやって生きてきて、いま、ちょっとだけ、わたし、らしき人の後ろ姿がふと見える時がある。
10年後でも、20年後でも、30年後でも、
どれだけ歳を重ねてからでも良い。おばあちゃんになってからでも良い。
いつか、わたしを見つけることができたら、それ以上に嬉しい事は無いな。

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