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N君のこと

N君は、発達障害とか、  
グレーゾーンとかの言葉で何とも言い表せないし、

あんまりその言葉も好きではないから

何て書いたらいいかわからなかった。

だからこの辺りのことはなかなか発信できていない。

でも、やっぱり、学校でいわゆる生きにくい子の

素晴らしい部分を見つけることは本当に大切だと思ってやってきているから

見えていることを記録していきたいと思った。

本当に一人一人すごいんだ。

昨日、本当に感動したことがあったから、
これ、1人の胸には納めてられないんだもの。

N君は、

全体での指示が通らない

文字が書けない

考えていることを話すことが苦手

という、とにかく大変だという引き継ぎで3年生から担任になった。

確かに、その通りだった。

でも、

ひたすら、やれやれ!と言われたら、そうなるよな。の結果の姿だと思った。

ぼーっとしているのは、彼の鎧なんだ。
そうやって自分を守っている。

「そんなの脱いでいいんだよ。」
をまず教えてあげないといけない。

とにかく、怒らないこと、
急かさないこと、
責めるようなことを言わないことを徹底した。

他の子供たちもこの子には
言ってもいいやって雰囲気だった。

まずは、それを徹底的に排除した。 

簡単だった。

先生が、それ(きつく言う。無理矢理させる)
をしないこと。 

子ども達には、それを察する力があるので、
誰もやらなくなった。

逆にめっちゃ手伝うようになった。


鉛筆を変えた。  
マスを変えた。 
それだけで、綺麗に書いてみようと
思える瞬間があった。

それを彼の普通にした。
お母さんにも協力してもらい
太い鉛筆を買ってもらった。

文字は最低限書くことでいいことにした。
でも、ほとんど書くようになっていた。
全く予想もしていことだった。

彼は、書ける。

でも、自分でスラスラ何かを
書くことができるわけではない。

でも最低限のことがかけていることが

本当に嬉しいし素晴らしい。

自分の世界があるということ!!

何にも考えていない。それは嘘だった。

自由帳を見せてくれるようになった。

怪獣のようなものがいっぱい。

それがどこにいて、
どんなことを話しているのか
教えてくれるようになった。

絵を描いている線も色も随分変わってきた!

目が開き、意志がはっきりしてきた。


クラスでの取り組み

「三つの願い事」を考えた。

彼は、、、

一つ目にこう書いた。

「障害のある人を助けたい」

将来の夢は

「ボランティア」

泣けた。

失礼ながら、この子がこんなことを考えているなんて思いもしなかったのだ。

本当に失礼な話だ!!

どうしてこう思ったの?

の質問に

ずいぶん時間をかけて答えてくれた。


「パラリンピックを見ていて感じた」

そうだ。

本当にすごいことた。

誰かを助けることを願いに入れて

将来の夢にいれている。

彼の中の本当の姿がここにあり

可能性が見えてきた。

みんなと同じようにできていないからって

この子の何を潰そうとしているんだ。

とんでもない過ちだ。

どんな子にも

自分の思いがある!!

それだけは絶対に潰しては
いけないのだ!!

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