飛んで火に入る夏の虫が、馬鹿な奴といったニュアンスで用いられる事に納得できない。実際に焚き火に向かっていく虫達をよく見つめると、焚き火に一心に向かう虫は炎のゆらめきを微かに震わし、線香花火の様な輝きを最期に灯して消えゆく。一体こんなにも崇高で幸福な死があるのだろうかと思わされる。

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