詩(5月2日)
突然現れたその人は
私はリエル、大天使ガブリエル様から名を授かったの。と言った。
こちらは聞いてもないのに、
風のように現れて、風のように去っていった。
僕はリエルに惹かれていたのかもしれない
リエルと寝ていればこんなに悩むことも無かったのかも知れない。
けれどもそんな事はしたくなかった。
決してしたくなかったんだ。
―あるかどうか分からないものって、あるって思ったほうがとても人生が面白くならない?―
リエルの語った言葉、笑顔、苦しみ、悲しみを僕はすべて覚えているのに
冷たかったのかも
温くかったのかも
熱かったのかも
もう僕はリエルの体温をとうに忘れてしまった。
あるいはもうどうだったか分からないからこそとても良いのかも知れない。
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