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アミロイドーシス(amyloidosis)とは、線維状蛋白のアミロイド細線維蛋白が細胞外に沈着することで、臓器障害を引き起こす一連の疾患群の総称です。アミロイド線維形成機序は、アミロイドの前駆体となる蛋白質が産生され、それがプロセッシングを受け、重合、凝集してアミロイド線維となると考えられています。臨床的には、全身性アミロイドーシスと限局性アミロイドーシスに大別されます。

全身性アミロイドーシスは、複数の内臓臓器や末梢神経が障害される疾患です。生命予後に大きな影響を与え、治療しなければ予後不良です。一方、限局性アミロイドーシスは、1つの臓器の局所にアミロイド沈着が起こる疾患です。大部分は良性の疾患ですが、脳血管のアミロイドーシス(脳アミロイド血管症)はアルツハイマー型認知症の原因の1つです。

原因としては、多発性骨髄腫、関節リウマチや長期間の人工透析などがあります。以下、限局性アミロイドーシスとしての肺アミロイドーシスについて述べます。

肺アミロイドーシスは、部位によって症状が異なります。気管や気管支などに病変が生じると、空気の流れが著しく阻害されて咳や息苦しさなどが現れます。末梢部位に病変が生じると、明確な症状がなく経過することもあります。ときに気胸を起こすこともあり、突然の胸痛や呼吸苦を起こします。アミロイドが沈着する部位により次の3型に分類されます。

1.気管・気管支型肺アミロイドーシス
2.結節性肺実質型肺アミロイドーシス
3.びまん性肺胞中隔型アミロイドーシス

気管・気管支型とびまん性肺胞中隔型は、予後不良と考えられています。結節性肺実質型は、通常無症状で合併疾患の報告も少なく予後良好とされています。

胸部単純レントゲン写真、CT、気管支鏡などを用いて検査を行いますが、確定診断のためには病変部位の生検が必要です。アミロイドの蓄積が肺に限局し、特に症状がない場合は、経過観察をします。肺アミロイドーシスの病変部位が多い場合には手術切除が検討されます。

人間ドックなどの健診で肺結節の指摘を受け、精密検査の結果で肺アミロイドーシスとの確定診断されたのであれば、生命保険の加入に問題はなさそうです。ただし、全身性アミロイドーシスでないことや基礎疾患のないことを確認しておく必要がありますね。





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