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菱友システムズ 銘柄分析

Xにも簡易版を投稿したのですが、noteでは詳しく分析してみます♪

💫総評💫
この会社は2013年〜2015年まで人員整理を行い、経営をスリム化しました。この期間は退職金等の支払いで売上も利益も下がりましたが、2016年から営業利益が急成長&株価も急成長しました。業績も財務も全く問題ありませんが、今後の成長余地は「いかに三菱重工業以外の顧客を見つけるか」にかかっています。

Xのポストの最後の総評部分。こちらを今回は詳しく解説・分析してみます。


✅そもそも何の会社?

三菱重工系のSIerです。三菱重工が売上の6割を占めています。良くも悪くも売上は三菱重工次第ということですね。

✅経営のスリム化

この会社は2013年〜2015年にかけて経営効率を上げました。

こちらは従業員の推移です。

2015年にかなり従業員数が少なくなっています。その代わり、退職金などの費用が増大しました。

2016年、人員の整理が完了して退職金などの費用も減少。

そのおかげで2016年、売上高はほぼ横ばいなのに営業利益が急増しました。ここから菱友システムズの躍進が始まります❣️

経営をスリム化した結果、業績は着実に成長します。
この経営のスリム化が完了した2016年以降、株価は3倍以上に上がりました❣️


✅売上アップが必須

そんな素晴らしい成長を遂げた菱友システムズですが、近年はその成長に限界が近づいてきているように見えます。

経営スリム化以前の2014年の人件費は91億円
経営スリム化以降の2016年の人件費は75億円

こうやって主に人件費を削減して販管費を縮小した結果、営業利益が伸びてきたわけですが、現在の人件費は83億円です。

2016年から少しずつ人件費が増えているんです。

それは社員の平均年収が増加しているからです。低い給与で多くの社員を抱えていた2015年までとは違い、2016年からは少ない社員を高い給与で雇うようになりました。

これ自体は良いことなのですが、これ以上販管費を削ることは難しそうです。節約の限界という感じでしょうか。

というのも、システム系の特徴として「販管費のほとんどが人件費」だからです。維持コストや在庫リスクを抱えない反面、雇用するエンジニアの給与が高くなります。システムが専門的であればあるほどその傾向は強くなります。

これを見ると約6割が労務費、残りが外注費となっています。

つまり、これ以上の利益成長を目指すのであれば「給与を引き下げる」か、「売上を伸ばす」のどちらかが必要です。

専門的なエンジニアを確保するためには給与の引き上げは不可能でしょう。人手不足の時代です。今後も人件費は増加していくでしょう。

だから消去法的に売上自体を増やす必要があります


✅売上アップが当面の課題

これ以上節約するのが難しい以上、分母である売上自体を増やすしかありません。

現状、6割が三菱重工との取引です。

売上をアップさせるには
①三菱重工が新しい事業を始めて菱友システムズの技術を使う
②三菱重工以外の取引先を見つける

この2点になってくると思います。一応、IRに問い合わせしたのですが②は具体的な方針までは決まっていないようでした。

良くも悪くも①の三菱重工次第というところでしょうか。

問題点を挙げてきましたが、財務や現在の業績は全く問題ありません。配当も余裕で支払えるくらい盤石なビジネスです。

ただ、2016年〜2023年のような大幅な株価の上昇は見込めないかもしれません。

今後もし利益を犠牲にしてでも売上を上げてきたら菱友システムズのさらなる躍進が見られるかもしれません❣️

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