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のあの自己紹介 〜中編〜

ここから私の転落人生が始まります。

コロナ禍真っ只中で証券口座にログインした私は衝撃を受けました。

当時の保有銘柄達の亡骸です。

ちなみにこの日が大底でした。今から振り返ったら凄いタイミングでログインしたものです。

心臓がキュッと締め付けられる感覚と同時に眩暈がしました。

「う、そ、やめてやめてお願い、どうなっちゃうの・・・」

それから米国株式市場にて、連日サーキットブレーカー(緊急取引停止措置)が発動します。

日経平均株価は5000円を割る!

世界経済は終わりだ!

もう二度と元の生活には戻らない!

人類は滅亡する!

そんな悲観論を私は本気で信じていました。


そんな時、WTI原油先物価格が暴落しました。

瞬間的にマイナス41ドルを記録します。

価格がマイナスってどういうことかわかりますか?
「原油を売る人が"お金を払って"原油を買ってもらう」という異常事態です。

私はよく理解できないまま、なんとなくこれをチャンスだと思いました(パニック状態)


WTI原油連動ETFを50万円分購入。ドキドキしました。

ここから第一の悪夢が始まります。

翌日、私が使っている野村証券から電話がかかってきました。

営業電話かなって思いましたがどうやら様子がおかしいのです。

「WTI原油連動ETFを購入されたすべてのお客様に連絡しているのですが、現在このETFは価格が連動しておりません。今後どのような動きなるか、また売却も約定される保証がございません。大丈夫でしょうか?」

大丈夫でしょうかって私に聞かれても・・・だって原油価格マイナスなんじゃないの?

その日、50万円で買ったETFは42万円に下がっていました。マイナス価格の時に買ったはずなのにまだ下がります。

翌日、36万円。

さらに翌日32万円。27万円。21万円。15万円。


約2週間で50万円が11万円になりました。マイナス価格で買ったはずなのにどうして?

実は原油先物価格がマイナスになった時、連動ETFはマイナスになることが想定されておらず、連動が一時的にストップしていました。そこから時間をかけて段階的に価格が下がっていったのです。

だから私は原油価格が下がる前のピークの時にETFを購入していたのです。

毎日、顔面蒼白で吐きそうになりながら通勤していました。自業自得過ぎて涙も出ません。みっともなくて誰にも相談できませんでした。

その時の私の感情は「恐怖」

その正体は「仕事を辞められなくなる恐怖」

FIREから遠ざかっていくということは、つまり苦痛の仕事を続けなければなりませんでした。これは私にとって最悪の環境が長く続くことを意味していました。

しかしここで私は無い知識で考えます。

リーマンショックだって2番底があった。今回もさらに株価は下落するはず!


株価は3月を底にして反発していましたが、私には一時的な反発にしか見えませんでした。

デッドバウンスキャット。つまりどんな状況でも株価は多少反発するから、今回もそれに違いないと。

大底をつけるまで資金を温存して、大底が来たら買い向かおう!

だから今は種銭を作るためにFXをやる!今は株はダメなんだ!

私はドル円の自動売買(EA)を購入して100万円で運用を始めます。これが第二悪夢

2週間後。

↑強制ロスカット直前のスクショ。

これが2回続いて退場しました。私のFXの挑戦は1ヶ月で大怪我をして幕を閉じます。


あの時の私は数ある2択の選択肢を悉く間違え続けました。

さらに失敗は続きます。これ以上見ていられない人は次の「後編」にお進みください。



その後、GAFAMを筆頭に米国株式市場は急速に回復に向かいました。ところが私はそういう株を買わずに、南アフリカの株を購入してしまいました。

ティッカーシンボルHMY
南ア第3位の金鉱山会社のハーモニーゴールドです。これを50万円分購入。これが第三の悪夢

「世界経済はこれから大不況に向かっていく。有事の金を買うべきタイミング。ならば金鉱山会社はこれから大きく上昇するはず!」

私の目論見ではこうなるはずでした。

しかし現実は真逆で世界経済は力強く復活していきます。

HMYのチャートです。買った瞬間から株価は下落していき、2022年の9月には半値以下に落ちて、今年の4月にようやく損切りできました。ちなみにドルベースではマイナスになっていて損切りでしたが、円ベースではプラスで終えられました。円安ありがとうございます😭


その後、さらに私は失敗します。

2021年、アルケゴスショック。

アルケゴスキャピタルが破綻し、いくつかの株が暴落しました。私はそれを拾ってしまったのです。

バイアコムCBS(現在のパラマウントグローバル)というメディアを50万円で購入。これが第四の悪夢

こうなりました。

暴落したらもう下がらないと思っていましたが、それはS&P500のような優良株で構成された指数に限った話で、こういう不安定な個別株は暴落後には徐々に株価は下落していくことが多いです。

嫌予感を感じた私はちょっと反発したタイミングで損切りしました。


本当に何やっても上手くいかない。
何もかも自信を無くして、そのまま退職してホームレスになろうと考えた時期もあります。

そして2022年2月、取引先の社長と食事している時についに限界が来て泣き出してしまいました。

仕事が辛い
時間が無い
お金は減る一方
投資は全部失敗して
生きる希望も何もかもない
すみません

言葉にならず、嗚咽混じりで社長に今までの経験を全部話しました。自分の上司でもなんでもなく、取引先の社長にです。あり得ないですよね。

もう怒られても良い。どうにでもなれって思いました。

すると社長は「借金があるなら利子なんていらないから貸してあげるよ。仕事が辛かったら辞めても良い。家に居づらかったらうちに来なさい。」って

いや、借金は無いんですけどね

もう号泣です。初めて人の優しさに触れた気がして、涙が止まりませんでした。


それから、少し考えて退職。その社長の会社に事務として就職することにしました。FXも危ない個別株もやめて、これからはS&P500インデックスに積立投資しようと決意。

ボロボロになりましたが、ようやく心の平穏を取り戻すことができました。



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