見出し画像

石川ダイナマイト!

 僕は廃ゲーセンで椅子に縛り付けられ、不良達に囲まれている。神様、いるなら助けてください。
「おい石川!」
「ぼく井上です」
「ちげぇよ!石川県出身だろうが!」
「僕の出身は京都です。石川には中1のとき来ました」
「うるせー!黙れ!」
 不良のリーダーっぽい筋骨隆々男になぜか殴られた。神様、今すぐ天罰を。
「石川の住人はクソだ!アイツら石川こそ北陸の盟主だと思ってやがる!だが本当は富山だ!藤子・F・不二雄の出身地だぞ!ドラえもんの経済効果わかってんのか!?」
「でも藤子・F・不二雄ミュージアムあるの神奈川県ですよね」
「藤子・F・不二雄ふるさとギャラリー舐めんじゃねぇよ!」
 なぜかまた殴られてしまった。
「いいか、俺たちは石川の全高校を支配する。そのために石川最強のダイナマイトをシめる。そんでお前はソイツを呼ぶエサだ」
「ダイナマイトさん!?ダメです!5人殺してるの知らないんですか!?」
「5人?おもしれぇな!高校生で5人殺してシャバにいるとか早く会いてぇよ」
 駄目だ!ダイナマイトさんだけは絶対に!だけどあの人は……。
「イノッチ助けに来たぜ!」
来てしまった……。
「何だてめぇ!?」
 僕も最初見たとき驚いた。赤い服を着て、体は寸胴で……いやもっと簡潔に表現しよう。ダイナマイトに手足が生えた物体が学ランを着ている。
「お前らが会いたがってたダイナマイト様だ!俺の怒りの導火線は既に火が付いてるぜ!」
 彼の言う通り2mほどある紐の先はチリチリと燃えている。
「辮髪野郎が!ささっとこいや!」
 みな一度驚いたあとは異様さに突っ込まない。どう見ても導火線なのに辮髪という。何故だ!あの火が頭まで達すると爆発し全てを吹っ飛ばす。この間のガス爆発事故は、実際はダイナマイトさんの爆発だ。僕をさらった暴走族が五人死んだ。火が消えるのは怒りが静まるか、意識が吹っ飛ぶかだ。早く助けて、もしくは早く負けてくれ!

【続く】

さぽーとすると映画館にいくかいすうが増えます