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何故ファブル(映画二作目)にノれなかったか考える

 「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」が公開された。前作ファブルはイマイチな部分があってもアクション部分が結構良かったので順当に進化すればもっと楽しくなるぞ、と見に行ったのだが全然ノれなかった。俺はがっかりしたが世間的な評価を見るとかなり良いようだ。

 映画評価サイトについてはあまり詳しくなく、映画名で検索するとよく出てくるここを見ている。ここでは作品が3~3.5の間に納まっていることが多い中4というのはハッキリと高い数値である。
 世間の評価と自分の評価の違いなどよくあることである。だがなぜ合わなかったのか考えることは有意義であると考える。ということで覚えている内容の中でなぜ合わなかったのか考えてみようと思う。映画内容についてふれていくので当然ネタバレになる。見る予定の人は注意。

ヒナコの鉄棒トレーニング

 今回のメインヒロインで、敵の組織に所属する車いすに乗る女性ヒナコ。かつてファブルと接触した経験があり、そのとき起こった事故で歩けなくなってしまった。
 この子とファブルとの現代における接触の最初が「ヒナコが歩けるようになるために公園の鉄棒に捕まり立とうとするのを目撃する」である。
 ここの違和感がとんでもなかった。最近見た映画で歩けなくなるシーンが出ても、どれも病院での指導を受けてのリハビリシーンが出てきた。イマドキ昭和のスポコンみたいな無茶をするシーンにとても違和感を感じてしまった。敵組織のボスが「歩けるはずないのに訓練している」といっているので、現実を受け入れられず無茶をしていると、とらえられる。だが劇中の鉄棒捕まりのシーン見るとそこまで絶望的な感じがしないのだ。ファブルも頑張れば歩けるようになると即座に見抜くし。
 原作でどうなっているか知らないが、まとめるとイマドキ専門家の指導やアドバイスなしに自力で頑張るというシーンに古さを感じ気持ちが下がってしまった。敵ボスが病院でのリハビリを妨害している方がまだ納得感あったかな。

たいした出番なく死ぬ井崎

 敵組織の新人でヒナコにトイレとかアレのときどうするの?と聞くゲス野郎井崎。この手のキャラはヘイトを振りまくだけ振りまいて、気持ちよく死んでもらうのが役目であると考える。
 今回の組織のボス宇津保はファブルと因縁があり、ファブルとつながりがある組織に所属していたことで雇った。のだがファブルに関することを何を問われず、仕事でヘマして仲間に始末された。その始末のシーンも回想で撃たれたシーンが出てくるのみ。全く気持ちよさがないし、コイツがいる意味を感じない。不快感だけ振りまいて死んだだけであった。 

気が長すぎる組織

 今回の敵組織「子供たちを危険から守るNPO団体」のボス宇津保、表の顔では危険な遊具の閉鎖?や橋のフェンスの低さについて語り子供たちの身近にある危険を取り除こうとしている。裏の顔では過保護に育てられ、わがままで犯罪を起こす若者を保護した体で始末し、親から金をふんだくっている。
 過保護に育てられた子供はいいぞといってるところ見るに、安全安心で子供を包むことによって過保護な子供を作ろうとしているのだろうか。だが会の対象年齢は小学生の子を持つ親のようだし、小学生が荒れた若者になるまで早く見積もっても高校生ぐらいまでかかりそうな気がするけど大丈夫なんですかね……
 単なる子供すきの可能性はあるのが、それならそれで表の顔は単なる隠れ蓑以上の意味を持たせないで欲しい。

いい感じに死ぬ宇津保

 ヒナコと肉体関係を持つセクハラ親父宇津保。正直、井崎とキャラが被ってる部分があるのでますます井崎の居場所がない。
 とにかくこいつはゲスだ。元売春組織の所属で、ヒナコの両親を殺害している。とくに終盤、真実に気付いたヒナコを罵倒する様は、死ぬために生まれたゲスを通り越してソロソロ死なないと辛いなぁと思うほどだ。
 なぜかコイツ、ピンの抜いてない手りゅう弾を投げ、わざと撃たれて死ぬ。そしてヒナコが死体に手を合わせるのだ。
 流れから考えると、絶対に立てないと思っていたヒナコが立つ。さらにヒナコが絶体絶命のピンチになるが、ファブルとヒナコ側に寝返った殺し屋鈴木の協力プレイでヒナコが助かってしまう。そんな奇跡の繰り返しを目撃し、彼の価値観が揺らいでしまったのだろうか。
 手を合わせたの考えると、すくなくとも劇中の人物はヤケクソで手りゅう弾を投げて殺させたという風にはとらえてないだろう。だがどう甘く見積もっても両親殺し、騙して望んでないであろう肉体関係を持った相手に、手を合わせる義理はない。ヒナコはそんな男にも祈れる聖人キャラしてるように見えないし。なのになぜ祈れるのかわからないのだ。

長い走馬灯

 ヒナコの絶体絶命のシーン、ファブルに踏ませるはずであった地雷をヒナコが立ち上がった瞬間踏んでしまい、足を踏み外せば地雷が作動するという状況である。
 ヒナコの脚の上にショベルカーのショベルを置き、ファブルがヒナコの脚を引き抜いた瞬間ショベルを下ろして、爆発をショベルで受けようというシーンである。この爆発した時ヒナコは走馬灯を見ながら後ろに倒れるのだが、長い。めっちゃゆっくりで邦吉で取り上げられたら絶対に擦られるシーンだと確信するほど長い。オマケに地雷が爆発した瞬間をカメラを切り替えて見せる。さらに長くなる。
 ちなみに少し前の宇津保のヒナコ罵倒シーンも長く、これ尺稼ぎかと疑問に思うほどである。

まとめ

 以上が今回ファブルが面白くないと思った理由である。細かく切り出せば、殺さない殺せないのに明らかに死人がでてるだろうというシーンがあったり、スローモーションの使い方がマトリックス時代をまだひきづってるのか?と感じたりするが、上記に比べれば些細である。
 改めて書いて眺めて見ると新キャラたちに魅力がないのが主な原因かもしれない。全体的に一昔前の悪役行ったところで(漫画の出たころ考えると本当に一昔前かもしれないが)、原作を尊重しているとしても現代風味を加えたアレンジをいくばくか入れてほしかった。とはいっても世間的には評価されているようなので、自分が感じている問題点は全然問題点ではないのかもしれない。自分の評価はこれで終わりにして、あとはみたひとたちの反応を見てどこが楽しかったのか理解してみようと思う。
 みんなの感想待ってるぞ。

さぽーとすると映画館にいくかいすうが増えます