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オールドリネンにみる美しさ

フランスのアンティークやオールドミリタリーに見られる麻の風合いにはいつも見惚れてしまう。油染みなんかが付着しているものもあるけど、それはそれでまた魅力になってしまうほど。

麻といっても様々ですが、やっぱり昔ながらの少し肉感のあるリネンが好みです。もともとは亜麻の茎が原料になっていて、その植物の繊維を撚って糸にしています。故に丈夫でありながらコシのある柔らかな生地が出来上がるのです。そして、その繊維が良い意味で不均一なことで生地の凹凸や所々にでる節となり、あの表情が生まれのです。

技術がどれだけ進んでも、古い織機が今でも大切に受け継がれているのはそんな味を大切に考えている人がいるからなのでしょう。
何でもかんでも綺麗に整えてしまうというのも考えものです。

どんなことにも言えるのですが、「美しい」という定義は一般的なあの美しいだけではない訳です。

わかっている人には当たり前のことなのですが、理解できていない人が多く存在していることは街中を見渡せば一目瞭然です。
表面を取り繕う行為が美しさから遠のかせてしまう、「美しさ」とは皮肉にもそんなものと表裏一体なのかもしれません。

シリーズ化して展開しているコックシャツ。
今回はどうしてもハリコシのあるそんなリネンの風合いをのせたかった。
原料は上級なフランス産の亜麻を使用し、織りは昔ながらの平織りであえて粗野な仕上げ。
そんな素材感に千鳥格子という柄をのせました、料理人の仕事着というストーリーにものっかり全てに合点がいきました。

着込んでいくことで徐々に柔らかくなっていきますが、洗いざらしに袖を通す度に奥にコシのようなものを感じとることが出来るでしょう。
いつかほころび、穴が開いたとしても、きっとその美しさは色褪せない。

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