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おもいでペペロンチーノ2020/06/23

2020/06/23


頑張って時間をかけて作ってみた料理が美味しくない、みたいな無情なことがあるんだなと思うと少しせつない 

一人暮らしの狭いキッチン、火元はIHコンロ一口だけの部屋で奮闘しながら作ったペペロンチーノはぜんぜんおいしくなくて引いた 油はねアチチ、小さいシンクに洗い物はかさむし…次引っ越すときは大きなキッチンのお家に住むぞとメラメラしながら食べ切った


すきなひとのつくった食べ物はやたらと美味しいと思う はるちゃんのおうちに泊まった日、起きぬけに作ってくれた高菜のパスタが忘れられないくらい美味しかった そのあとひとりでおうちで作ってみたらなんだか微妙だった はるちゃん魔法でもかけたのかなと今でも思う 

実家に帰っていたときは母の作ったご飯ばかり食べていた おしょうゆ味の煮込み料理の味付けが普段より甘くなってしまったとき、母はお砂糖入れすぎたな〜って終始言いながら食べるけど、わたしはその甘いのも美味しいと思った 母は自分で作るカレーの味に納得がいっていないらしいけど、わたしは実家のカレーの味が好きだし、ひとりでいるときふと食べたくなる 帰省中カレーを作るのはわたしの当番だったので、手慣れてはいるものの、一人暮らしではひとりで全部食べなきゃいけないのが悲しすぎて、カレールーのカレーを作るのをやめてしまった 半年以上前に買ったルーの半分は未だキッチンの収納の奥に眠ってる だし巻き卵も本当は三つくらい卵使いたいけど食べきれるかこわくて一個でつくって平べったいのができちゃう ぺったんこのたまごやき


それでも料理をするのはなんでだろうと思う、なんでかって、そんなことを思いながら何かをつくることが 案外好きだからかもしれない あの時食べた味は美味しかったなとか そういえばあそこに食べに行ったよなとか 

おもいでは思い出す鍵がなければ一生開かれない 食べることで得た幸せのおもいでとつながる鍵をひとつでも多くあつめるべく、わたしは料理を作るのかもなと感じた 美味しくないペペロンチーノもいつか思い出して笑っちゃえますようにと思った

今から洗い物をします




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