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難波優輝「久しぶりにおばに会ったら脚が八本になっていた話」

◆作品紹介

「『多元宇宙的絶滅主義』と絶滅の遅延──静寂機械・遺伝子地雷・多元宇宙モビリティ」(樋口恭介編『異常論文』所収)で「反出生主義」から文字通り宇宙の果てを思弁した作者だが、本作では「ポストヒューマン」を軸に、ほの暗くもどこかあっけらかんとした世界を描く。そこでは「脚を八本にすること」を筆頭にさまざまな欲望が肯定される。それは時として我々を/登場人物を掻き乱し、動揺させる。そしてその動揺もまた、肯定される。ポストヒューマンとは形質や能力の問題ではない。あるべき姿からありたい姿へと向かう意志の問題である。(編・青山新)

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