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僕とキャロリーナ

皆さんは痔になったことはありますか?

色々種類はありますが、僕はキレてる方の痔を患っていました。
今回はそんな痔にまつわるひどい話です。
軽い気持ちで見ていってください。

痔といっても常に痛い事になっているわけではないんですよ。

食のバランスが悪かったり、極端に辛いものを食べたり
お酒を飲みすぎたりするとヤバくなる

つまり暴飲暴食に走ると肛門さんがキレちゃうってことですよね。

症状には段階があって

「あれ?痛いかな?あ、やっぱり血が出てたわ」

って感じの軽いものがほとんどですが、たまに痛みも出血も数日続くという災害レベルの痔に襲われることも。

ある日の痔は出血量もひどくて、なにより痛みがヤバい


昔のボラギノールの「シッダンシッダン!シッダン!」ってCM覚えている人いる?

痔を患っている人が軽快に座っていく中で、ボラギノールを使っていない人だけは、あまりの痛みで椅子に座ることすら許されない演出だったCM

まさにこのとき僕に襲いかかってきた痔さんがこれだった。


普通に座ることができないから、ちょっと女の子座り、いや人魚座りといったほうがしっくりくるか
とにかく肛門様を椅子の面にあてるなんてできない状態

歩くときの振動で気を失いかけることしばしば
排便のときなんてトイレが阿鼻叫喚地獄と化すほどだ。



流石にこれはヤバいだろ


自分でもわかっていたけど、なかなか「肛門科」の病院にいくのは躊躇われた。
だって、診察台にあげられてあんな格好やこんな格好させられるんだろ?(想像です)
そんな診察台に上がったら男の子の大事なものを失いそうじゃん!!(失いません)


肛門科には恥ずかしいから行きたくない
しかし、治る気配はない。
むしろ悪化していっているように思えた。



この痛みを緩和する方法はないものか?





そうだ
名前をつけよう



アメリカでは台風に名前をつけるじゃないですか。
そんなニュースを見ていて、キャッチーでファニーな名前をつければ少しはこの痛みも和らぐのでは?



よし、彼女(痔)の名前は
キャロリーナだ


これで少しは愛着をもってこの痛みを受け入れることができるかもしれない。


当時の僕はそれぐらい追い込まれていたんですね、はい。


しかし愛をもって接しようとしても強烈な痛みで僕を突きはなすキャロリーナ
彼女の怒り(?)が治まる気配が一向にみえない

これはもう背に腹はかえられないな・・・・
だが診察台は・・・・(まだいうか)


そんな僕に当時付き合っていた彼女が
「一緒についていってあげるから」
と肛門科に行くことを勧めてくれました。

自分だけでは決断できなかったけど、一緒についてきてくれるというだけで妙な安心感を得られたんですよね。

幸い、当時住んでいた家のすぐ近くに肛門科がありました。

いまから20数年前のことだから、事前にグーグルで病院評価を見るなんてできない時代
行ってみてよくないところだったらどうしようか?
そんな不安もあったけど、こんな痔を患う僕のそばにたまたまあるなんて、もうそれは運命じゃない?


思い立ったが吉日
その日のうちにキャロリーナじゃないほうの彼女とその肛門科へ行くことにしました。


その肛門科は、入ると正方形の待合室、一角に受付があり、そのすぐ前にはトイレがあるレイアウト

名前が呼ばれたら誰の耳にも聞こえる程度の広くない待合室には、おじいちゃんおばあちゃん、妊婦と思われる女性と小さな子ども

当時二十歳そこそこの僕と彼女のフレッシュな年代なんて居ない


そりゃそうだろう
この若さでキャロリーナ級の痔を患う人なんてそうそう居ないはずだ。


入った瞬間から恥ずかしさはあったけど、とにかく受付をしないと。

受付で問診票を渡されたときに、恰幅の良い婦長さん?ビッグママ?みたいな人にどうしたの?と聞かれました。

この婦長さん。普通の声からしてとにかくでかい。
待合室も広くないのに、このでかい声はまじで勘弁してほしい。

「痔がひどくて・・・・」

絞り出すような小さな声で答えると、さっきまで声が大きかった婦長さんが気を遣って小さな声で話しかけてくれるようになりました。

恰幅の良い婦長さんだから豪快なんだろうな、とは思っていたけど、やっぱり女性だね。
即座にこういった気遣いをしてもらえるのは嬉しい。

問診票を書き終え、婦長さんに渡すとささやくような小さな声で


先生の触診があるから、うんちだせるなら先に出しておける?


触診だと・・・・?
あの活火山のようなキャロリーナに触れるというのか?


ちょっとパニックになった僕を見て婦長さんが気遣って

「出せなかったら出せないでしかたないからひとまず頑張ってみてくれる?」

と。



これが肛門科の通過儀礼ならば倣うしかあるまい。

しかし、ここは病院のトイレだ。待合室も近い。
自宅のトイレのように阿鼻叫喚地獄にするわけにはいかない。

僕は漏れる声を抑えながらキャロリーナと格闘することに決めた。


出そうとする僕
痛みで対抗するキャロリーナ
怯むうんちたち


どうやっても彼女の壁は超えられない
もう開き直って大きな声を上げて出してやろうか?
いや、それはトイレから出たときに間違いなく死ねる、ああ、それは間違いない。

格闘すること十数分

僕の診察の番が回ってきたんだろうな

さっきまで気を遣ってヒソヒソと話してくれていた婦長さんが




トイレのドアをバーン!

だいじょーぶー!?
うんちでてるかなー?
あのんちゃんだいじょうぶー!?






( ゚д゚) さっきまでの気遣いどこいったんや




トイレから出てくると

待合室で失笑するオーディエンス達の中に

一人爆笑する彼女がいました。



痔になったら早めに治すのが良いよ!!!
いやほんとに!!!!


おしまい


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