緊急事態宣言12日目-アルコールが、欲しい(2020/4/20)

とは言っても飲用の方ではない。念の為。
お前だと飲用だろ、という方はよく私をご存知の方だろう。
でも違う。勿論消毒用アルコールだ。
勿論飲用も愛しているが。

3月に入ってから、とんとアルコールが手に入らなくなった。
家には1リットルくらい備蓄があったのだが、それを小分けにしていたスプレーが何の弾みか損傷し、全て漏れ出していたのを見た時には発狂しそうになった。

皆さんとうにご存知だと思うが、新型コロナウイルスはアルコールで不活性化する。
こいつらはエンベロープ(脂溶性の膜)に包まれており、この膜を損傷させることによって中身のウイルス本体にダメージを与えることができる。
その膜を攻撃するのに打ってつけなのがアルコールという訳だ。
一方、アルコールが効かないウイルスもいる。エンベロープがないタイプのノンエンベロープウイルスである。
なんでも、膜を持たない分ウイルス自体が強固に作られているらしい。
例えばノロウイルスなどが代表選手だ。
こちらになると「酸性アルコール消毒液」などでないと効かないらしい。

とまれ、新型コロナウイルスは幸い?単純なアルコールで退治できる。
次に問題となるのは濃度だが、以下の北里大学のプレスリリースによると、一般的に消毒用アルコールとして認められる70%よりも低い50%程度の製品でも効果が認められるらしい。

医薬部外品および雑貨の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)不活化効果について

外国の記事で40%あればいけるよ、なんていうのも見かけたが(だからウイスキーも効くよ!但し飲んでも効き目はないよ!消毒に使うんだよ!というオチを見てそんな勿体無いことできるかよ、と思ったが)まあ安全パイをとって50%以上あれば大丈夫と考えれば良さそうである。

しかし、今現在マスクこそちらほら手に入るなんて話も聞くが(まだまだ高いが)、消毒用アルコールは本当に見つからない。
見つかってもとにかく価格が高い。

そこであちこちの酒造が立ち上がった、というのもきっとニュースでご存知のところだろう。
今年4月10日、厚生労働省医政局より「新型コロナウイルス感染症の発生に伴う高濃度エタノール製品の使用について」の改定連絡があり、酒類製造業者においても高濃度エタノール製品を消毒用エタノールの代替品として手指消毒に使用できることを記載できる旨が通知された。

これを受け、各地の酒造は次々と度数70%以上の「酒」をリリースし始めた。
これはお酒です、でもうっかり手にこぼしちゃったりしたら消毒もできますよ、というスタンスらしい。
尤も、そういうアングラ的スタンスは上記通知でとる必要はなくなったらしいが。
今の所どこのものも品薄だが(私も販売開始通知を見て買いに行ったが既に焼け野原だった)その内安定供給されるようになるのかもしれない。

私はというと、先ほどアマゾンで66%のウォッカを買ってみた。
750mlで約1500円。まあまあ常識価格だろう。
この事態がめでたく収束した暁に余っていたらモスコミュールでも作って乾杯すればいい。

ツイッターのフォロワー様は、自家製簡易蒸留機で40%くらいのウォッカを再蒸留して高濃度アルコールを作っておられた。
(勿論合法です)
シリコンチューブさえあれば出来そうなので、私も暇なときに一度チャレンジしてみたいと思う。
但しくれぐれも火気厳禁!である。

しかし、スーパーに行っても薬局に行っても一見以前と変わらずものが溢れているのにとあるものだけが徹底的にない、というのを目の当たりにするとやはりその異常さに恐怖に似たものを覚えるし、焦燥感に駆られてしまう。
そして世に代用品や知恵がどっと溢れるのを見ては人間すげえなあ、と感心するとともにそこまで追い詰められてるんだな私達、と不安になる。
月並み過ぎてアレだけど、本当に早く全てが元どおりになるようにと願って止まない。
モスコミュール、近いうちに飲めますように。



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