濃厚接触者になりました(Day1.2)

3/21(月)(Day 1)

退勤後まもなく、前日に会っていた友人より発熱したとの知らせを受ける。
インフルは陰性とのことだったが、PCR検査の結果は明日出るという。
少し迷ったが、職場に連絡し上司に指示を仰ぐ。
折返し電話があり、まだ検査結果が出ない以上なんともいえない、明日出勤するか否かの判断はそちらでせよ、という至極真っ当な返事がくる。
つまりそれは、休むのであれば有給休暇を使え、ということだ。
それは全く異存がないので、万が一のことを考え休暇を申請する。

家に連絡し、私が帰る時に玄関にいないよう両親に伝える。
幸い、私の居住スペースは2階であり、1階の両親とはほぼ自己隔離することが可能だ。
顔を合わせぬよう、盆に夕ご飯を盛ってもらいドアの外においてもらう。
風呂は私が最後で、最後に消毒用アルコールを振りかける。
居住室から外に出る時にはマスク着用。
台所など共有スペースを使う場合には人払いをし、使い捨て手袋を着用する。
部屋にはお茶の2リットルペットボトル、そして酒(大事)を常備した。
ここまでやってもしも彼等に感染っていたら…という不安が過るも、素人ながら人智を尽くしたとは思うので、これ以上のことは考えないようにした。

3/22(火)(Day 2)

昼間(12時30分)、友人より陽性反応が出た旨の知らせがある。
直後、大阪府の相談窓口に電話で問い合わせところ、まず陽性者の所管の保健所が本人に聞き取り調査をし、その結果名前が出た人間に保健所から連絡があるとのこと。
相談窓口はほぼワンコールで繋がった。
その後、居住市の相談窓口にも念の為連絡したところ、此方もほぼワンコールだった。
一時期の新型コロナ相談電話は繋がらないと話題だったが、どうやらその状況は解消しているらしい。
その後、友人より調査がある旨連絡があったので、改めて連絡先を伝える。

昼休み明け(13時)、上司に電話。
陽性が確定したことのみ取り急ぎ報告する。

連絡を待つ間、しょっちゅう母親がドアの外に来ては連絡はまだか、他のところに連絡してはどうか、とせっつくのが申し訳ないながら鬱陶しくてしかたがなかった。
勿論此方の所為で迷惑をかけていることは百をも承知なのだが…
人智を尽くして天命を待つ、ができず、どうしようもないことに際して何かできることはないのか、と右往左往して、しまいには己のアンダーコントロールのできなさにきーっ!となるの、流石私の母親だと思う。
まさに私もそのような性分なので気持ちは分かるが、なんとかしろ、どうすればいいのだとせっつかれる此方の身にもなってもらいたい。
そんなの、此方が知りたい。

約3時間後(15時20分)、友人所管地の保健所より連絡があり。
ここで漸く濃厚接触者との判定を受ける。
接触より14日後の4月4日までの自宅待機になるだろう、とのことだったが、正式には私の居住市の保健所からの連絡を待てとのこと。
できれば本日中に連絡が欲しいという要望を伝える。

他には発熱状況などを簡単に尋ねられた。
この日の体温は比較的高く、この時点で37.3度程度であった。
だが、私はピルを飲んでいることもあるのだろう、比較的体温が高く、新型コロナ禍以降頻繁に測定してきた値を見るに36度台後半〜37度台前半が平熱であるようなので、その旨も併せて伝えた。

直後、再び上司に連絡。
職場所定の報告書の様式を送るので作成せよ、とのことなので了解する。
速やかに作成し、提出したところ再び連絡があり、曰く不備があるとのこと。
項目に「職場での行動を簡潔に記載せよ」とあり、てっきり濃厚接触後の行動(3/22(月))かと思いきや、接触前2週間の行動まで遡って記載せよというのだ。
…それ、何か意味があるのだろうか。
甚だ疑問に思いつつ了解する。
しかし、正直2週間前の行動など覚えてない。

その後、なんだか気怠くなった。
喉にかすかな違和感も感じる、気がする。
そして更に、肺に圧迫感をも感じた。
…と思った瞬間、お前そこ胃な、肺とちゃうで、と自分に突っ込みを入れる。
取り敢えず、ごちゃごちゃ考えず午睡を取ることにした。
図太いようでいて、案外私のフィジカルはメンタルと直結している。

結局、夕刻になっても保健所からは連絡は来なかった。
取り敢えず連絡があれば、濃厚接触者でもホテル隔離は可能かを聞いてみようと思う。
ネットで事例を見るに恐らく難しいのだろう、と思うが、高齢者と同居ということでダメ元で聞いてみてもいいかもしれない。

夕飯、風呂の流れは昨日と同様。
20時頃、上司と同僚からメールが来て、ああ、皆さん残業してらしているのね…ごめんね…となる。
取り急ぎ、秒で返事を返し、暫くやり取りを続ける。
今私にできることはこれくらいしかない。
そして、最後に職場のメンバー全員にお詫びのメールを送った。
幾ら仕方がないこととはいえ、年度末のこのくそ忙しい時期に戦線離脱するのは心苦しいことこの上ない。

話は少しずれるが、今現在、日本史研究者の呉座先生がツイッターの鍵アカウントで某女性研究者の悪口を言い合っていたり、他にも問題発言を繰り返していたとして、NHK次期大河の時代考証を降りたり(これは自発的に)、所属機関が声明を出したりと「炎上」している。
私は彼が書いていた内容を見て正直クズだと思ったのだが(言葉が汚くて失礼)、それよりもより忌避感を抱いたのは、その某女性研究者(フェミニストである)の擁護者、いやもうはっきりいって信者たちが呉座氏、および彼の界隈にいる(と彼/彼女たちが見做した)「男」たちに対する嵐のような謝罪要求、誹謗中傷だった。
ターゲットになった彼等の一部は、謝罪した。
それで済むのかと思いきや、謝って済むと思うのか!やら、あれもこれも謝れ!だの、彼らはイナゴの如く洗いざらい食い散らかした。

それを見て私は、ネット、特に「顔」の見えないSNSでは決して謝ってはならない、と心に誓った。
普通、相手の顔が見える場面での謝罪は、様々な条件つきではあるといえ、「赦し」というアクションがワンセットになっている、拗れた人間関係を修復するための一つのテクニックだ。
「被害者」が「加害者」を幾ら赦せぬ、と心の中で思っていたとしても、その相手と明日からも関係を続けていかねばならないとすれば、表向きでも相手、及び時として第三者に明示的に「赦し」を発動していく必要がある。
しかし、ネット上ではその相手との関係の継続、という「箍」が存在しない。
一度被害者という最強のポジションについたものは、無限に相手をサンドバック化できるのだ。
そしてこの被害者の大部分…いや九割九分はそもそも被害者ですらない。
騒動を目の当たりにして「被害者さん酷い!」と勝手に感情移入、いや憑依した純然たる第三者だ。
そんなものがイナゴ化して襲ってくるなど、恐怖の他ない。

とまあ、ここまでの話は今回の私の「謝罪」とは関係がない(関係がない話をここまでするなという話ではあるが、それはさておき)
確かに私は謝罪しつつも、この件は不幸な籤が当たってしまったようなものだから仕方がないよね?とは思っていた。
でも、結局その理屈では「私の気が済まなかった」のだ。
私の今回の謝罪は相手の赦しを必然的にビルトインしているものではなく、どちらかというと「懺悔」に近いものであった。
つまり、この謝罪は私の自己満足に近い。
私は、私が楽になるために謝ったのだ。
そしてそのことを自覚しているが故に、後味の悪さはいつまでも残るだろうと思う。

とまれ。
その後、酒をちびちび飲みつつ大根おろしをアテにドラマなどをのんびりと見る。
体温は36.6度。
気になっていた気怠さも解消した。

しかし、これでは本気で運動不足になってしまう。
昨年4月以降の緊急事態宣言時と同じく、朝夕に運動せねば、と思い立った。
ので、使っていたDVDを探すも何故か見つからない。
慌ててアマゾンで適当なエクササイズものを探し、購入した。

夜半すぎに就寝する。
1時間起きては目が覚め、1時間起きては…を繰り返す。
別にこれは精神状態に依るものではなく、元々が睡眠障害者なので通常運転といえる。
だが、明日早く起きなくていい、という気楽さからか、割と軽率に?目が覚める回数が増えたように思う。
いつもならば明日に差し支える、と必死で目を閉じるのだが…

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