TIE:Tarjeta de identidad de extranjero申請へ スペイン 就労ビザとその帯同家族の場合

TIE:Tarjeta de identidad de extranjero 

TIEと略される Tarjeta de identidad de extranjero  は、スペインでのEU民ではない外国人の居住身分証明書です。(ネット上はTIEイコールTarjeta de identidad de estudiante の情報が溢れていると思いますが、本来はTarjeta de identidad de extranjeroのこと。)6ヶ月以上在住する非EU民が申請しなければならない大切な身分証明書です。TIEの取得は非EU民には必要で、かつ苦行として知られています。
アメリカ人やイギリス人によるTIE取得の大変さを嘆くつぶやきや動画は検索すると結構出てきます。

私たちもビザ申請の時点でスペインの書類仕事の煩雑さにうんざりしていましたがまだまだ序の口、ここからが本番です。
ここでは、就労ビザを所有する世帯主とその帯同家族におけるTIE申請についてまとめました。


TIE取得に必要な書類

以下、TIE取得の際に必要な書類です。

  1. TIE カード申請書

  2. TIE申請料金振込済の領収書

  3. 住民登録済みの証明書(原本とコピー)

  4. パスポート(原本と全ページのコピー)

  5. 家族関係証明書(VISA申請時から使っている、戸籍謄本、アポスティーユ認証付、スペイン政府公認通訳者による翻訳版)

  6. 写真

  7. 大学からの就労証明の書類

  8. 予約日のお知らせの紙(メールで受信するのでそれを印刷して持参)

TIE申請書類

TIE申請書式は複数ある!
実は、ネット検索で出てくる多くの日本人が紹介しているTIEの申請書類は学生ビザ用のものです。
こちらの申請方法は、カエデさんの記事が一番丁寧だと思います。単身学生ビザの方は、こちらをご参照ください。
https://www.kaedetaniyoshi.work/entry/2019/09/19/033159

私たちは就労ビザを有する日本人とその帯同家族なので、申請書式が少し異なりました。
受け入れ先の大学事務局から、このサイトの書類に記載するように指示されました。
Modelos de solicitudes de la Ley 14/2013 - Migraciones
この中で、Modelo de solicitud de la Tarjeta de Identidad de Extranjero
を選択して申請を行います。
これらの書類の各国語版が以下のページにありますが、実際には、スペイン語書式で提出するように求められていますのでこの書式は使用しないでください。
https://www.inclusion.gob.es/documents/410169/2156463/modelo_de_solicitud_de_la_Tarjeta_de_Identidad_de_Extranjero_MI_TIE_Ingles.pdf

就労者本人と、その帯同家族でチェックする項目が異なるので留意しながら書類を作成します。
TIE申請のためには予約が必要でこの枠の獲得が大変なのですが、今回、TIE申請の予約は大学事務局が代行してくれたので、予約の取り方テクニックについては前述したKaedeさんの記事をご参照ください。


TIE申請料金振込済の領収書

まず、支払いのための振込用紙を作成する必要があります。
このサイトですが、
Tasa modelo 790 Código 012. Reconocimientos, Autorizaciones y Concursos

【項目】Tarjetas de identidad de extranjeros (TIE) y certificados de registro de residentes comunitarios.
☞操作)「TIE que documenta la primera concesión de la autorización de residencia temporal, de estancia o para trabajadores transfronterizos.」を選択。(自動的に16.80Euroと計算される)
【支払い方法の項目】Forma de pago (*)
☞操作)「En efectivo」を選択し、次の画面へ。

このページから家族3人分の申請書を印刷しました。(この時点で、ペーパーレス生活は無理と考え、スキャナー付インクジェットプリンター(HP社)を購入しました。実際、プリンターは仕事や学校生活でも必要だったので、早めに購入して正解でした。)ATMでの支払い方法は、英語表記を選択しても難しくATM前で格闘しました。現金で支払う場合、50ユーロ紙幣では釣り銭が出ない可能性がありますので、できるだけ5もしくは10ユーロ紙幣で支払う方が望ましいです。数字の入力などもあり、手間がかかるので、時間と気持ちのゆとりがあるときにすることをお勧めします。

住民登録済みの証明書(原本とコピー)

TIE申請の前に、まず住民登録が必要です。前述のカエデさんの記事にも記載はあります。
私たちは自宅の契約が済むと同時に、日本からインターネットで住民登録の手続きについて予約をしました。スペイン在住の知人に教えていただき、手続きをしました。
https://seuelectronica.ajuntament.barcelona.cat/APPS/portaltramits/formulari/ptbcitaprevia/T128/init/es/PTCIU.html

最初に氏名、電話番号、emailアドレスの登録をした後に、「Selección temática」で「PADRON ALTA/CAMBIO DOMICILIO」の項目を選択すれば、オフィスの場所と時間の予約に移ります。家族3人分なので連続して3枠空いている時間帯が必要ですが、幸い8月末のまだ夏休み期間だったため、枠が空いていてすぐに予約できました。
予約日にパスポートと住宅の契約書、家族関係証明のために戸籍謄本(スペイン語翻訳済み)を持参しました。
その場で住民登録した証明書を発行してくれますので、これをあとでTIE申請の際に提出します。コピーも持参しました。なお、帰国前に転出届を出す必要があります。

パスポート(原本と全ページのコピー)

写真のあるページ以外にも、スペインへの入国日、ビザの記載は大切な情報です。担当者によっては「全ページのコピーがいる」と言われるかもしれない為、全ページのコピーを用意しました。無駄に思えますが、念には念をいれたほうがいいでしょう。我が家は購入したスキャナー付きプリンターでコピーを取りましたが、街にコピー屋さんもあります。

家族関係証明書

ビザ申請時から使っている、戸籍謄本、アポスティーユ認証付、スペイン政府公認通訳者による翻訳版を使い回します。住民登録の際にも無事、返却してもらえたので、それを使います。
一番心配だったのは、有効期限です。ビザ申請前に用意した書類なので、TIE申請の予約日時点で、戸籍謄本発行日からはぎりぎり6ヶ月になっていました。が、翻訳されてからは6ヶ月以内だったからか、無事使い回しができました。ただし、戸籍謄本については、出発直前に再度取り寄せておきました。領事館に戸籍謄本を提出すればスペイン語で戸籍の記載事項証明・家族証明をスペイン語で作成できますし、アポスティーユ認証もつけてくれます。

写真

この写真も背景が白色であることと指定されています。ビザ申請の時と同じもので構わないので、多めに持参することをお勧めします。最悪、こちらの地下鉄の駅などで日本にあるような証明写真撮影機があるのでそれでも大丈夫です。
サイズは32x26 mm です。

大学からの就労証明の書類

大学から発行してもらっている証明書を持参しました。

予約日のお知らせの紙

メールで受信するのでそれを印刷して持参。スマホに保存しておいてそれを見せるのでも大丈夫です。

いざ申請へ

上記の書類を持参し申請に挑みました。セキュリティのため、入り口にいる警察官が予約の有無を確認の上、入館します。さらに受付で担当窓口の番号を指示され、待機します。大きな時間の遅れはなく、受付されます。
書類の不備もなく受理され、指紋登録を行い、1ヶ月後以降の日付で引取の予約をするように指示されて終了でした。
2023年秋時点では、この引取場所は、申請場所とは異なる警察署になっていました。(以前は申請と受理が同じ警察署だったこともあるらしいです。)
随時変更があるかもしれませんので、あえて場所は記載しません。申請の最後に説明してくれるのでわからなかったら確認してください。

その後、申請日より1ヶ月以上後の日程で、3人枠が連続して空いている日を予約します。指定日時に別の警察署へ出向き、TIEカードを取得できました。

住民登録・TIE申請、当然ですがスペイン語でのやりとりです。ホームページも英語表記があるとはいえ、スペイン語中心なので、大変です。
我が家は弥次さんがひたすらパソコンから入力して書類作成していましたが、なかなかハードルが高いなぁと横で見ていて思いました。単身で頑張っている方々には敬意を表します。

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