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変態的美術館 第五話


そうして私達四人はお洒落にライトアップされた
テラスに近い窓際のテーブルに座った。


(、、、、、、、、)



四人の中に少し居心地の悪い沈黙が数秒流れたが、
佐々木さんが来た時は誰もがホッとした。


「なーんだ!香織ちゃんが言っていたオペラグラスの彼って、テオ君の事だったのか〜
いや、それにしても世間は狭いねえ、だって二人
僕の店の常連さんなんだもん」


と笑いながら言った。


彼も佐々木さんに向かって、
「ほんと凄い偶然、僕も今日の出来事ここに来たら佐々木に話そうと思ってたんですよ〜」
と言った。


この話について彼の横にいる女と健一は退屈そうだった。


私は今の瞬間に彼の情報が二つも知れた。


名前はテオ。私と同じここの常連。



「で〜えっと、何にしようか?」

佐々木さんは手を擦り合わせて言った。



私以外の3人はそんなに飲んで無い様子だったので
ボトルで赤ワイン、ブルゴーニュ・ピノ・ノワール2017年とチーズの盛り合わせとドライフルーツ、
ブルスケッタを頼む事にした。


注文の後にやっと私はこの状況をやっと受け入れる事が出来たが先程の身体の中にに滑り込ませた5杯のワインは緊張とパニックで消え去っていた。



佐々木さんがキッチンに戻った後

彼(テオ)が


「じゃあワインくる間に自己紹介しますか。」


「僕は天澤テオです。今年31歳の代です。あ、テオって名前珍しいですよね。
おばあちゃんがフランス人で僕クオーターです。
テオはギリシャ語で神を表す「テオス」と言う意味です。仕事は空間デザイン、インテリアのバイヤーをしています。趣味は読書、乗馬、美術館巡りです。
どうぞよろしく。」


彼の自己紹介が終わるまで私はまるで心ここにあらずだった。

彼の声は心地よく、その華麗なプロフィールは私を骨抜きにした。


続いてテオの横にいた女の番になり私は少し身構えた。



「百合園麗華です。24歳です。
仕事は父の会社を手伝っています。
趣味は乗馬、、、これと言ってありません。
よろしくどうぞ。」


百合園麗華、、、
漫画に出てきそうなお嬢様ネーム。
見るからにお嬢様だ。


「あ、 僕と麗華は幼馴染でお父さんの会社と僕の会社は取引先なんです。」



ヘぇ〜と健一と私は小さくうなずいた。

私は内心「やったーーーー!!!」と心おどった。

彼らが恋愛関係でないと言うことが
とても嬉しかった。


「はーいおまたせ〜」

二人目の自己紹介を終えた所で
佐々木さんがワインとチーズの盛り合わせを持ってきた。


佐々木さんは私達の前でワインを開けながら

「まだ21時だっていうのに今日は客足が少ないよ君達だけかな、お客さん。
そういえば健一君、今日は車じゃあないの?」



「今日はタクシーで来ました。割と近いし。」

と私をちらっと見て言った。

??


全員のグラスにワインが注がれ終えて

「ごゆっくり」
と優しい笑み見せて佐々木さんは
キッチンへ戻って行った。



「ワインも来た事だし一旦乾杯しましょうよ。」

と麗華が言った。

全員グラスを持ちテオが音頭をとった。



「じゃあ〜今日の二度の偶然と(私の方をチラッとみて)この4人の出逢いに乾杯」


乾杯の声と同時に皆でグラスを掲げた。


次の自己紹介の番は私と健一だ。







To be continue...

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