時代の転換点について
芸能界やテレビ・バラエティの歴史を考える上で、「いいとも」が終わり、「バイキング」が始まった時は、時代の転換点だったように思える。われわれは「ポストいいとも」の時代を生きている。
もう記憶も曖昧だが、アナログテレビが地デジに切り替わる瞬間、僕は「いいとも」を見ていた。
その時タモさんが何を喋ったかは、今や全く覚えていない。しかしそのときのタモさんの独特の雰囲気は覚えている。大真面目なステートメントをするわけではなく、それでいてコメディアンとしての矜持を感じる佇まいだった。おそらくタモさんも時代の転換点に自分が立っていることを自覚していたのだろう。
そういえば平成から令和に変わるときのMステも、時代の転換点を感じるものだった。平成最後のMステにKing Gnuが「白日」を歌い、令和最初のMステにOfficial髭男dismが「Pretender」を歌ったのも、きっと偶然ではないだろう。今後も事あるごとに振り返られることを鑑みた番組作りだった。
今や芸能界、いやそれだけでなくあらゆる場所で、弱みを見せたものは、徹底的に追い詰められる時代になっている。それはもうそういう時代になってしまったということだろう。
われわれが生きているのは「ポストいいとも」の時代ではない、「海賊」の時代なのだから。
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