日向国一之宮・大国主命の都農神社@宮崎
大国主命(おおくにぬしのみこと)と言えば、皆さんよくご存知の神様だと思います。
古事記や日本書紀など日本の神話に多く登場し、幼少の頃に絵本で読んだ因幡の白兎の話などでその名前を知っていると思います。
また、大国主命は「だいこくさま(大国さま)」とも呼ばれ、日本各地でおまつりされています。
ところで大国さまは、七福神の大黒天(大黒さま)とは異なることをご存知ですか?
大国さまと大黒さま
どちらも違いを意識することなく、「だいこくさま」と親しみをこめて
呼んでいると思います。
しかし、大国さまと大黒さまは、元は全く別の神様なのです。
大国さまは、大国主命のことで、つまり日本の神さまです。
大黒さまは、サンスクリット語で「マハーカーラ」という荒々しいインドの神です。
サンスクリット語で、「マハー」=「大」、「カーラ」=「黒」
日本語に訳すと「大いなる暗黒の神」となります。
破壊と再生を司るシヴァ神が、世界を破壊するときにこの姿になるといわれています。
マハーカーラが、中国へ伝わると「大黒」と訳され、がらりと印象を変え、「戦闘神」「軍神」「財福神」の3つの性格のうち、「財福神」としての性格が強調して祀られるようになり、日本へそのまま伝わりました。
日本では独自の大黒天信仰が繰り広げられ、大黒天の「大黒」と大国主命の「大国」が「だいこく」という音で通ずるため、両者は一体視されるようになり、習合信仰されるようになったそうです。
一般的に、寺院で祭られる「だいこくさま」は外来の神、大黒天。
神社での「だいこくさま」は大国主命。
ちなみに七福神のうち日本起源の神様は、恵比須さまだけです。
少し長くなりました。
さてさて、
国道10号線を日南市から宮崎方面に向かって進むと、ワイナリーで有名な都農ワイナリーの近くに都農神社があります。
国道沿いに大きな一の鳥居が見えてきますので、そこから左折します。
車で鳥居をくぐると直ぐに駐車場があります。
駐車場に車を停めて、参道へ向かいます。
一ノ宮神社らしく、立派な参道です。
参道は三方向から入ることができ、太鼓橋を渡って本殿に向かいます。
大絵馬
太鼓橋を渡ったところに、大絵馬がありました。
大国さまが描かれていますが、大黒様なのか大国様なのか判りませんね。
手水舎
大絵馬の反対側には手水社があります。
ここでしっかりと身を清めていきます。
神門[南大門]
境内
境内に入ると、広々としていました。
本殿
外削ぎで、5本の鰹木でした。
すごく綺麗です!
御祭神
・大己貴命 (おおなむちのみこと) ( 別名 : 大国主命 )
創建の由来
創建されたのは御即位6年前の神武天皇が宮崎の宮を発し東遷の折、此の地に立ち寄り、国土平安、海上平穏、武運長久を祈念し御祭神を鎮祭された事と伝えられる。
旧記によれば、日向国の第一の大社であったが、天正年間の島津・大友の争乱の際、大友氏の兵火により社殿・宝物・古文書等全てを焼失したものの、御神体は尾鈴山麓に避難され難を逃れた。
争乱後は長年社殿の再興も無く小さな祠があるのみであった。元禄5年に秋月藩主 秋月種政が再興し、安政6年には篤志家の社殿の寄進があった。
その後、社殿の老朽化に伴い平成14年に「御造営奉賛会」が設立され、平成19年7月7日に現在の社殿が竣成されたのである。
御神徳
大己貴命 (大国主命) は多くの妃を娶り、その妃等との間に多くの御子をもうけました。その謂れから縁結びの神とも子孫繁栄(子授け)の神とも云われる様になりました。
また医療の法を定め多くの人々を助けた事により、医療(病気平癒)の神とも云われ また少彦名命と共に力を合わせて多くの人々と交わり、次々と国造りをされた事により、事業開拓(商売繁盛)の神と云われる様になりました。
※都農神社HPより引用
身代わり人形
人形(ひとかた)とは、古くから神事などで使用される祓い具の一種です。
さて、身代わり人形をつくります。
人型の紙に名前と生年月日を書き、身に憑いた罪や穢れ(けがれ)をこの人形に託すようにして全身を撫でて下さい。
最後に3度息を吹きかけて、納め箱に納めます。
神の石
石持ち神事として、ここにある石に願掛け、本殿裏に納めるそうです。
こちらも、古くから都農神社に伝わる信仰のひとつだそうです。
自祓所(じばらいしょ)
都農神社では自分でお祓いをする神事があります。
手水舎にある自祓所で、祓い串を手にもって「祓へ給い 清め給へ 守り給い 幸へ給へ」と唱えながら左、右、左の順番で大きく振り、身を清めるそうです。
絵馬
大絵馬と同じ絵柄の絵馬です。
日向国一之宮だけあって立派な神社です。
ここは日向国のパワースポットと言われるだけあって、多くの願掛けの施設があります。
紹介した身代わりびな、神の石、自祓の他にも撫でるとご利益があるとされる、「大国様」「白兎」「御神象」や「あぶら石」「大杓文字」などがあります。
御祭神「大己貴命」は、疱瘡(悪性の出来物)を平癒する神様として篤く崇敬されているため、このような願掛けが多くあるのでしょう。
また、大国さまはと大黒さまの違いは、ここを訪れるまでは知りませんでした。
とても日本的な思想が織り込まれているような気がします。
それにしても天孫降臨の地、宮崎には神秘な物語が多く残されていて、ワクワクします。
都農神社、初めて訪れましたが素敵でした。
神社: 都農神社
住所: 宮崎県児湯郡都農町川北13294
HP: http://w01.tp1.jp/~sr09697901/
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