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石見国一ノ宮 物部神社@島根

出雲地方へ足を伸ばしてみました。
出雲大社を始め多くの神社や古事記などの神話が残る出雲は、ワクワクが止まらない場所です。
そんな中で、石見国の一宮である物部神社を参拝させていただきました。
気軽におとづれた神社でしたが、実は超半端ない神社でした。

国道9号線経由、大田市の市街地より国道375線を三瓶山・石見銀山に向けて川合町へ車を進めます。約15分程で物部神社の標識が現れ、左折。
すぐに神社の駐車場が現れます。

灯籠と鳥居

鳥居越しに社殿が見え、多くの木々に囲まれた素敵な神社です。
一宮神社だけに、質実剛健な感じがします。
この鳥居は木製の明神鳥居で、県内最大の鳥居だそうです。
階段を上がり、鳥居の前で一礼をして、境内へ。

手水舎

境内に入り右手に手水舎があります。
ここの手水舎には説明書きがありました。

富金石(ふきんせき)の手水舎
手水者の曲玉

「富金石」
「富金石」という砂金を含んだ石で作られた大変珍しい手水舎です。
「浄」「勝」「財」「健」「徳」の御利益のある曲玉が彫られており、触れるとそれぞれの御神徳を授かれるといわれています。
注がれているお水は境内の御神井から湧き出ている清らかな御神水です。
※写真に見えるのは、「健」「徳」の曲玉です。

当然、説明書きを読んだ直後に、曲玉を一生懸命に撫でました。
どの玉を撫でたかは秘密です。(笑

拝殿
社殿は入母屋造、銅板葺の屋根です。
威風堂々とした構えです。

拝殿

御本殿
県内では出雲大社に次ぐ大きさで、春日造りとしては日本一の規模を誇る巨大神殿だそうです。
千木は外削ぎ、鰹木は3本。

本殿

亀の彫り物
しかし、戦火などによる三度の消失から「亀は水を呼ぶ」ということで、本殿屋根の千木の下に亀の彫刻が彫られています。
御本殿を観察していて、亀の彫り物があるので驚きましたが、鶴と亀で縁起を担いで彫られているのだと思いましたが、火災予防だったとは知りませんでした。

亀は水を呼ぶ

物部神社の御神紋「ひおい鶴」
物部神社の御祭神「宇摩志麻遅命(うましまじのみこと)」はこの石東の地を平和な豊かな地域とするため、鶴に乗って御降臨されました。その山を鶴降山といい、山頂には今も国見をされた場所と伝えられる遺跡が保存されています。この国見をされたおり、平和な穏やかな里「安濃郡( 旧 大田地方)」と名づけられました。 この鶴に乗って勝運を運んできた神にちなんで真っ赤な太陽を背負った鶴を全国で唯一この物部神社の御神紋と定められました。(物部神社HPより引用)

御神紋「ひおい鶴」

狛鶴
御祭神・宇摩志麻遅命が鶴の背に乗って降臨されたという伝説が残っていることから物部神社の神使(神さまのお使い)は「鶴」です。
そのことから境内各所には鶴の像や御神紋ひおい鶴が多数配置されています。

禊石
神職が神事の時に身の穢れを祓い清める祓所です。

狛鶴と禊石

パワースポットの宝庫
・勝石

宇摩志麻遅命が石見の地に降臨された際にお腰を掛けられたと言われる岩。
触れると御祭神の勝運の御神徳にあやかり全ての願いに通じる勝運を授かれると言われています。
御神墓
社殿裏手の神体山である八百山のふもとに御祭神・宇摩志麻遅命がお鎮まりになられていると伝わる円墳で、八百山を神体山として崇めています。


御神徳
石見一宮物部神社は、古来より文武両道の神・鎮魂の神・勝運の神として崇敬されてきました。
御祭神・宇摩志麻遅命(うましまじのみこと)が鎮魂祈祷を最初に行った謂れから、神職の始めを為す神として占い・まじない・祈祷の神の信仰も厚いことでも知られています。

御祭神
 主祭神  宇摩志麻遅命(ウマシマジノミコト)   物部氏の初代
 相殿神
  右座
     饒速日命(ニギハヤヒノミコト)  物部氏祖神で宇摩志麻遅命の父神
     布都霊神(フツノミタマノカミ)  所有していた剣の霊神
  左座
     天御中主大神(アメノミナカヌシノオオカミ)
     天照大神(アマテラスオオカミ)
  客座
     五神(詳細は不詳なれども別天神か)
     別天神(ことあまつかみ)
      ・天之御中主神(アメノミナカヌシノカミ)
      ・高御産巣日神(タカミムスビノカミ)
      ・神産巣日神(カンムスビノカミ)
      ・宇麻志阿新訶備比古遅神(ウマシアシカビヒコジノカミ)
      ・天之常立神(アメノトコタチノカミ)
     鎮魂八神(たましずめやはしらのかみ)
      ・高皇産霊神(タカミムスビノカミ)
      ・神皇産霊神(カンムスビノカミ)
      ・魂留産霊神(タマツメムスビノカミ)
      ・生産霊神(イクムスビノカミ)
      ・足産霊神(タルムスビノカミ)
      ・大宮売神(オオミヤメノカミ)
      ・事代主神(コトシロヌシノカミ)
      ・御食津神(ミケツカミ)

御祭神を見ても多くの神々がお祀られていますが、境内摂社、境内末社までを見ると神様のデパートのような顔ぶれに驚きます。
石見国一宮たる所以かもしれません。
境内摂社   ・後神社(うしろじんじゃ)
       ・師長姫命(しながひめのみこと)
境内末社   ・神代七代社(かみよななよのやしろ・別名 東五社)
       ・荒経霊社(あらふつみたましゃ・別名 西五社の一)
       ・皇祖四代社(こうそよんだいしゃ)
       ・須賀見神社(すがみじんじゃ)
       ・乙見神社(おとみじんじゃ)
       ・一瓶社(いっぺいしゃ)
       ・柿本神社(かきのもとじんじゃ)
       ・菅原神社(すがわらじんじゃ)
       ・稲荷神社(いなりじんじゃ)
       ・淡島神社(あわしまじんじゃ)
       ・八重山神社(やえやまじんじゃ)
       ・恵比須神社(えびすじんじゃ)
       ・漢女神社(からめじんじゃ)
       ・伊夜彦神社(いやひこじんじゃ)
さらに境外末社を数えるとまだまだあります。凄い・・・


御由緒
御祭神宇摩志麻遅命(うましまじのみこと)は、物部氏の御祖神として知られております。御祭神の父神である饒速日命(にぎはやひのみこと)は十種神宝を奉じ、天磐舟に乗って大和国哮峯に天降り、御炊屋姫命(みかしきやひめみのみこと)を娶られ御祭神を生まれました。御祭神は父神の遺業を継いで国土開拓に尽くされました。
神武天皇御東遷のとき、忠誠を尽くされましたので天皇より神剣韴霊剣を賜りました。また、神武天皇御即位のとき、御祭神は五十串を樹て、韴霊剣・十種神宝を奉斎して天皇のために鎮魂宝寿を祈願されました。(鎮魂祭の起源)
その後、御祭神は天香具山命と共に物部の兵を卒いて尾張・美濃・越国を平定され、天香具山命は新潟県の弥彦神社に鎮座されました。御祭神はさらに播磨・丹波を経て石見国に入り、都留夫・忍原・於爾・曽保里の兇賊を平定し、厳瓮を据え、天神を奉斎され(一瓶社の起源)、安の国(安濃郡名の起源) とされました。
次いで、御祭神は鶴に乗り鶴降山に降りられ国見をして、八百山が大和の天香具山ににていることから、この八百山の麓に宮居を築かれました。(折居田の起源)
(物部神社HPより引用)

御由緒
御朱印

物部神社の授与品
・勝輪・勝運大祭守護札【勝運大祭期間限定】
全ての願いに通じる勝運を呼ぶ「勝運成就の輪」と大神様の強力な勝運の御神徳を授かった御神札を勝運大祭にあたり特別に授与所にて頒布しています。

勝輪(勝運成就の輪)

・福鶴・福釣るみくじ
新しいおみくじで、付属の釣り竿で御神紋「ひおい鶴」の鶴と同じ姿の開運招福鶴を釣り上げる新感覚のおみくじだそうです。
楽しそうなおみくじです。

福鶴

・つるみくじ
物部神社の神様のお使いである鶴をかたどった可愛い陶器製のおみくじ。
底から出ている赤い紐を引っ張ると中からおみくじがでてきます。
最近この手のおみくじが各神社で販売されてて、御朱印と共に集めるのが楽しみになりました。(笑

つるみくじ

・勝絵馬

勝絵馬


古来より文武両道の神・鎮魂の神・勝運の神として崇敬されて来ただけあって、様々な勝運にまつわるものが多くありました。また、境内には多くの狛鶴があり普段では見慣れない光景でした。

さて、物部氏と聞けば、古代の豪族であり大和朝廷時代の軍事を司る一族程度の知識でした。天皇家を除いて「天孫降臨」「国見」の逸話をもつ唯一の氏族であるというは、全く知りませんでした。
そもそも日本の神=天皇家と思っていたので、とても驚きでした。
出雲国、石見国は、不思議がいっぱいで、古代史の宝庫だと痛感しました。
古事記には書かれていない物語がまだまだ沢山あることだと思います。
そう考えるとワクワクが止まりません。

物部神社は、本当に素敵な神社でした。
ちゃんと下調べをして参拝すべきだったと、反省させられました。
物部神社は、是非参拝すべき神社の一つだと私は思います。



神社: 物部神社
住所: 島根県大田市川合町川合1545
HP: https://www.mononobe-jinja.jp/


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