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やっと息ができた日

3月の春めいた風が吹く日、私は電車に乗ってときがわ町に向かっていた。待ちに待っていた、じぶんジカンさんのリトリートイベント。


「都幾川リトリート」


ここ数週間、私は毎日に閉塞感を感じていた。仕事は閑散期で残業せずに帰宅、帰宅後は夕食を食べてテレビを見てお風呂に入って就寝。

なんでだろう。穏やかな毎日なのにすごく辛かった。毎日の仕事に心が動かなくて、休日も生きていくのに必要なタスクをこなしてあっという間に終わってしまう。友達とご飯を食べて楽しい時間を過ごしても、満たされない気持ちがつきまとっていた。少し前の私だったら、買い物をして、好きなテレビを観て、それでストレス発散できていた。でも今はどうもスッキリできない。ずっと抜け出せない状態から何かきっかけをつかみたい、そんな中、リトリートイベントの日を迎えていた。


初めて乗るワンマン運転の電車。畑と家ばかりになっていく風景をぼーっと眺めていた。やるべき事や時間に追われていた日々が遠のいていくような時間だった。駅に迎えに来てくれた岡本さんの車に乗って、会場となるキャンプ民泊「NONIWA」さんへ。

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久しぶりに心が動いた。

外で過ごすことが好きでキャンプにずっと憧れていた私が、いつか来たいと思っていた場所。じわじわとテンションが上がってくるのを感じた。


今日のワークショップのテーマは、「やりたいことのプランを描く」

投げかけられた切り口から、自分のやりたいことを言葉にしていく。

やりたいことが「やりたいこと」のままでいた私は、ずっと選びきれていない自分に劣等感を感じていた。選ぼうとするとすぐに現実の壁が表れて、劇的に現状を変えることを躊躇してまた戻ってきてしまう。でも気持ちに嘘はつけなくて苦しくて仕方なかった。


ワークショップのシェアタイム、松岡さんから「一旦仮決めしてみたらどうですか」という言葉をもらって、心がすーっと軽くなった。

最終的な理想と今の現実とのギャップが辛い。でも、劇的な変化を選べないのだから、仕方ないと思おうとしていた。

でも、「一旦こうなれたら、私は納得できるな」という中間地点を作ることで、今の自分を否定しなくていいと思えた。


周りには自分の思い描く未来に向かって全力で進んでいる素敵な人たちがいる。その人たちを近くで感じられてすごく嬉しいし、刺激ももらえている。でも同時に、今の環境を変えられずにいる自分を責め、今の環境を否定して決めつけて線をひいていたことに気づいた。



お昼ご飯。とっても気持ちの良い河原でチェアリングをしながらお弁当を食べて、午後は自由な個人時間。この時間が本当に良かった。

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1人で河原で考え事をしてもいい。

NONIWAの母屋で松岡さんや岡本さんとおしゃべりをしてもいい。

お昼寝をしてもいい。


川の流れる音が心地よくて、春の風が優しくて、心向くままに自分のことに向き合えた。

人のいない河原でマスクを外して深呼吸した。

気持ちのいい空気が体いっぱいに広がった気がした。

毎日知らず知らずの内に情報を取り込みすぎて、いっぱいいっぱいになっていた。ブルーライトを浴びながら知りたいこと以上の情報に囲まれて、心も体も固まってしまっていたみたいだ。

そんな自分をほどいてくれるような時間だった。



1日過ごしてやっと本来の自分に戻ってこれた気がした。最後、一緒にワークをした他のメンバーの話を聞いて、とってもわくわくした。私は、「好き」や「やりたい」ことに目を輝かせている人の話を聞くのが大好きなのだ。


「都幾川リトリート」、心満たされる1日だった。

素敵なイベントを企画してくれて、ありがとうございました。

やっと息ができた日。



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