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青森ねぶた

 今年の青森ねぶたは8月2日から7日までの6日間だった。
 初日(8/2)は弘前ねぷたを見たが、土曜日(8/3)から毎晩YouTubeで青森ねぶたのライブを見ていた。

 青森ねぶたは竹の骨に和紙を貼るのは弘前と同じだが、平面に絵を描くのではなく武者絵を立体的に作る。
 人物はもちろん、天女の羽衣のように宙をうねる大蛇でも、海の波でも、ハリボテで作って中に灯りを入れる。

 ねぶた全体の大きさも巨大で、大型ねぶたはざっと見たところ30人ほどが、台に取り付けた棒を抱えて移動させ、回転させたり傾けたりしていた。

 こんな大きなねぶたを作るには費用も掛かるだろうが、企業や団体がスポンサーだからできる。
 参加回数が50回以上の会社も多い。
 宣伝効果も高いだろうし、企業イメージもアップする。

 青森は跳ね人(はねと)が大勢で、「ラッセーラ、ラッセーラ、ラッセー、ラッセー、ラッセーラ」と掛け声を掛けながら飛び跳ねていくのが威勢がいい。
 この掛け声の起源には諸説あり、1つは子供たちが七夕祭りにに家々を回ってロウソクを出せと言った「出せ」が「ラッセー」になったという。

 跳ね人は男が女の赤い長襦袢を着て花笠で顔を隠し、男か女かわからないようにして跳ねていったのが始まりだとか。
 跳ね人の衣装(浴衣にたすき掛け)を着れば誰でも参加できるそうで、公式チャンネルの解説を聞いていたら、跳ね人が2,000人もついているねぶたもあると言っていた。
 参加ルールは青森ねぶた祭のオフィシャルサイトに詳しい情報が載っている。


 みんなうちわを持っているのは暑いからか、それとも決まりなのか、それは書いてない。
 ねぶたの運行コースは全長3.1キロなので、跳ぶより歩いている時間の方が長いと思うが、ライブカメラの前に来ると威勢よく飛び跳ねて見せる人もいる。
 片足ケンケンのように、右右、左左と、交互に足を横に蹴り上げて跳んでいく。
 スクリーンショットを撮ったが、動きが速過ぎてブレてしまった。

顔に白塗りの化け物のメイクをした化け人(ばけと)もいる。まるでキッスの顔のようだが、素人なのでメイクはうまくない。
 でも、みんな楽しそうだ。
 私が参加するなら化け人だな〜。

 ねぶたに限らず私は祭囃子が好きで、自分の町内のお祭りで笛の音が聞こえてくると、ついふらふらと出ていってしまう。
 青森ねぶたは太鼓と笛と鉦のお囃子が途切れることなく続いているので、YouTubeをつけたまま食後の片付けなどをしながら聞いていた。

 ねぶたは立体なので、表から見ても横から見ても後ろから見てもサマなるようにデザインされている。
 その辺りもねぶた師(ねぶたの制作者)の腕の見せどころなのだろう。
 ねぶた師は名人が現在7人いるそうだが、名人かどうかにかかわらず、見ているうちに好みの絵を描くねぶた師の名前は覚えてしまう。

 祭りの後半には賞をとったねぶたに額が付けられる。
 今年ねぶた大賞を取ったのは、青森市民ねぶた実行委員会の鬼子母神。
 作者の北村麻子は最優秀制作者賞を受賞した。
 この人はねぶた名人、北村隆の娘で、去年も名前を聞いて覚えていた。ねぶた史上初の女性ねぶた師ということだった。
 絵に緩急があってうまい。

左が子供を取って食う、鬼の形相の鬼子母神。左腕に子供を抱えている。
 右がお釈迦様。


送り(後ろ側)はお釈迦様に教え諭されて改心した鬼子母神。自分がお釈迦様のような柔和な表情で、子供の守り神になった。


 6日目の最終日には大型ねぶた4台が海上運行され、花火大会も同時開催された。

大型ねぶたと花火のコラボ



 東京にいながら青森ねぶたを楽しんだ数日間だった。

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