「笑わない数学/フェルマーの最終定理」メモ

「笑わない数学/フェルマーの最終定理」の回をオモシロク観た。で、また考えた。数学嫌いの自分には、そんなにややこしいことのように思えないからだ。フェルマーが余白にメモ書きしたのもわかる気がする。

ピタゴラスの定理($${a^2+b^2 = c^2}$$)は、数学嫌いでもイメージしやすくて好きなので、ピタゴラスの定理に「引き寄せて」考えてみると、フェルマーの言ってることはすぐに「正しい」とわかるどうということはない。なんで、350年もかかったんだろう?

(以下は、数学的に正しいかどうかは一切関知しない。数学嫌いなので)

フェルマーが「成立しない」と主張している式($${x^n+y^n=z^n}$$)は、ピタゴラスの定理の変奏にすぎない。ピタゴラスの定理ってのは、結局、「一辺がaの正方形の面積と、一辺がbの正方形の面積を足すと、一辺がcの正方形の面積になるa、b、cが存在する」って言ってるだけなんだけど、フェルマーは「でも、指数が3以上になると、そんなことが成立するa、b、c(正確にはx,y,z)なんて存在しないぜ」とメモった。

例の式で、指数が「2」のとき(ピタゴラスの定理)は、それぞれの正方形の面積の足し算の話。で、指数が「3」以上になると、そこに「それぞれの正方形が何枚あるか」という条件が加わるだけ。例えば、だから、指数が「3」のときのそれを式で書くと、多分、

$${a^2×a +b^2×b=c^2×c}$$(だって、$${a^3}$$って正体は$${a×a×a}$$でしょ?)
フェルマー流に言うと、$${x^2×x +y^2×y=z^2×z }$$

さて、指数が「3」のときが一番わかり易いし書きやすいので、このまま指数「3」で話をすすめる(指数が「4」以上でも、それぞれの正方形の「枚数」が増えるだけで、考え方は何も変わらない)。

フェルマーの言い分を、指数「3」の場合で、平文で言ってみると「一辺がxの正方形x枚の面積と、一辺がyの正方形y枚の面積を足して、一辺がzの正方形z枚の面積と等しくなるような、x、y、zは存在しない」となる。

ここではピタゴラスの定理に引き寄せて考えているので、xとyは、どちらもzよりも小さい数になる。さらに、どっちがどっちでもいいんだけど、xはyよりも小さい数としよう。輒ち、$${x < y < z}$$、ということ。

ここからは数学は全然関係ない。頭の中で、独房の受刑者のような内職をする。一辺がxの正方形と、一辺がyの正方形と、一辺がzの正方形を、それぞれ一枚ずつ、ひとまとめにする作業だ(要するに、$${x^2 +y^2 =z^2}$$の式を作っていくのである)。地味な仕事だ。地味だけど真面目にやっていくと、x枚しかないxの正方形が最初になくなる(上でxが一番小さい数と決めたので)。そして、この時点で、すでにyの正方形は、zの正方形より枚数が少ないので、最後には必ず、zの正方形が余る事がわかる。というか、そもそも最初から、zの正方形の枚数が一番多いのだから、最後にzの正方形が余って当然なのだ(念の為に言うと、yの何枚か組み合わせが、zの何枚かの組み合わせと等しくなる可能性はあるが、それでもやっぱり最後にzが余る(yが足りなくなる)。なぜなら、zの正方形は一枚辺りに広さも、枚数も、yの正方形よりも大きくて多いからだ)。

フェルマーの最終定理の「ひっかけ」は、式の右辺のzが、xとyの2つの数の「合計」でありうるかと問うているように思えるところ。でも本当はそうじゃないのは、今、見てきたとおり。本当は、「ピタゴラスの定理を成立させている三種類の正方形の枚数が全て異なるときには、どうしても余りの正方形が出てしまう」という馬鹿な(しかし至極真っ当な)主張でしかない。一つの式を作るには正方形はそれぞれ必ず一つずつ必要なのだから、そもそもの枚数が違えば、余りが出るに決まってる。

最後にもう一度。フェルマーの主張を具体的にイメージしたらこうなったというだけなので、数学的に正しいかどうかは、全然どうでもいい。数学嫌いだし。専門的な説明をされても「????」だろうし。

ちなみに、最初は立方体(の個数)で考えていたんだけど、平面(正方形の枚数)の方が簡単でいいや、と思って平面にした。OK! Thank you!(©尾形)

【追記】
勿論、上の話は、「ピタゴラスの定理」に当てはまらないx、y、zについては全く考えられていない。つまり、正方形$${x^2}$$と正方形$${y^2}$$と正方形$${z^2}$$が各々一枚づつでは、$${x^2+y^2=z^2}$$という等式は成立しないにもかかわらず、三種の正方形がそれぞれ二枚以上存在したときに、例の等式が成立するようなx、y、zが存在するかもしれない、という可能性については一切考えられていない。だから、あくまでもアソビなんだけど、フェルマーの最終定理が正しいことが既に証明されている有利な立場にいる我々は、また別の愉快なアソビができる

フェルマー(の最終定理)によれば、$${x^3+y^3=z^3}$$という式は絶対に成立しない。これをフツウの日本語で表現すると、「最小単位が三次元立方体だった場合、或る三次元立方体(x)に、別の三次元立方体(y)を足しても、より大きな三次元立方体(z)にはならない」ということになる。式を変形して、$${z^3-x^3=y^3}$$とすると、もっとわかりやすい。この場合は、つまり、「三次元立方体を最小単位とする三次元立方体(例えば宇宙)から、それよりも小さな三次元立方体(例えば太陽系)を取り除いたら、残ったもの(太陽系のない宇宙)は三次元立方体ではない」と言っているに等しい。

すぐに思いつくのは3つ。
①宇宙や太陽系は立方体ではない。
②宇宙の最小単位は立方体ではない。
③そもそも時空間は結合や分割ができない。

一番説得力を感じるのは③。立方体であれ直方体であれ球体であれ、時空間同士を足したり引いたりするって、どういうことか全くわからないから。①もいけそう。太陽系ははっきりそうだけど、宇宙だってきっと立方体ではない。ソワソワするのは②で、宇宙の最小単位が「均整がとれていない」=「歪んでいる」ってどういうこと。3次元空間を「隙間なく」埋めるには、最小単位は立方体が「最安値」でしょ。でも、場の理論や、超ひも理論は「そうじゃない」って言ってるんだよね。

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