「バカ問題」:境界知能と高IQバカ

人類社会を悩ませ続ける、所謂「バカ問題」を引き起こすのは「低IQ者」だけではない。「高IQ者」もまた同様に「バカ問題」の原因になる。という話。

「境界知能」という用語が独り歩きして、SNS上などで差別的に用いられていることに、専門家が困惑しているという記事を読んで、「バカ問題」についてまた少し考えた。

因みに、五分割で示された〔知能指数の正規分布図〕の、向かって左から2つ目の領域が、所謂「境界知能」と呼ばれているところで、全体に対する割合は約14%、知能指数は70〜85ということになっている。と、文字で書くとややこしいが、図で書くと簡単。

所謂「境界知能」

「境界知能」とはよく言ったもので、実は、正規分布図の向かって右側にも同じような領域が存在していて、やっぱりこれも「境界知能」には違いない、と思うからだ。

左右両端の2%ずつはさすがに違うと思うが、真ん中3つの領域の「知能」は〔単なるパラメータの偏りすぎない〕というのが、最近の直感。つまり、知能指数70から130までは、同じ「知力量」の〔配分の仕方〕の違いでしかない。ような気がして仕方がない。そうでないと、世の中で散見される「高IQバカ」の存在を説明できないから。

向かって左側の「境界知能」も、向かって右側の「境界知能」も、知力の「総量」は、中央68%の「標準知能」と何も変わらないのだが、「右側」の人たちは、「左側」の人たちよりも、〔IQテストで高得点を得るのに有利なパラメータ〕に〔より多くの知力〕が配分されているので、結果、知能指数が高くなる、という、ただそれだけの気がする。言い換えると、高IQ者は〔IQテストに貢献しないパラメータ(それがどのような能力かは知らない)〕が、低IQ者よりも劣っている可能性がある(何しろ、振り分けられる知力の総量は、低IQ者も高IQ者も標準IQ者も同じなのだから、どこかを多めにすれば、どこかが少なめになるのが道理)。そう考えると、おそらくあなたも何人かは顔や名前が浮かぶ「知能指数は高いはずなのに、言動が愚かでトンチンカンな、あの人やこの人」のことが理解できるようになる。彼らは、IQテストや学校の試験やパズルゲームのような「知的曲芸」が得意なだけで、必ずしも〔全人格的に賢い〕わけではないので、愚かでトンチンカンな人間であっても、まあ、別段不思議はないのだ。

正規分布図の左側の「境界知能」の人たちに対して持つ「誤った評価(印象?)」は「怠けている」とか「やる気がない」とか「だらしない」なのだが、正規分布図の右側の「境界知能」の人たちに対して持つ、「尊大」とか「無神経」とか「薄情」という評価(印象?)も、だから、やっぱり「誤って」いるのだろう。当人たちは、好きでそんな風にふるまっているのではない(のかもしれない)からだ。

長話は嫌いなのでもうやめるが、最後に一言。

正規分布の両端2%ずつの人々は、これはもう、「知力の総量」そのものが「標準」よりも少なかったり多かったりするのだろう。だから、一方は、パラメータ配分をどう工夫しても、全体として「標準」を下回りがちで、もう一方は、全パラメータが「最初から」高いので、謂わば「その序に」、IQテストの結果も高くなってしまう。

(とは言え、所詮「生命現象依存型知性現象」でしかない人間は、初めから知性現象としての限界がある。人間という知性現象にできる最善は、「真の知性現象」である「生命現象依存型知性現象」(人工人格)を完成させること。間違っても自らの手で宇宙制覇など目論まないように。自然淘汰の「申し子」が出張っても、銀河に殺し合いを広げるだけだから。)

2024年2月9日 穴藤

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