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一緒にババアになろう。

Twitterに乗せると長いツリーになってしまうので、こちらに書くことにしました。

8月3日~5日の2泊3日で札幌に行ってきました。
目的は友人の見舞いでした。

友人は今年に入って肺がんステージ4と脳への転移が発覚して、現在は抗がん剤と放射線治療で入退院を繰り返しながら自宅療養中です。
療養といっても寝たきりというわけではなく、体調が許す範囲で外出もしているとのこと。
「会いに行くよ」と言ったら、「8月にNさんとSさん(共通の友人)が来るから一緒に来れば」というので、みんなで集まることに。
友人とは9年ぶり、Nさんとは約30年ぶり、Sさんとは約15年ぶりの再会となりました。
みんなそれぞれに年を取っていて、でもやっぱり変わっていなくて、懐かしいけどそんなに久しぶりな感じもしなくて、不思議な感覚でした。
昔の話や、誰それがどうしたとかあの人は今は何してるとか、あのとき実はこうだったとかいう「暴露話」、それにいまいまの世間話も混じって、昼食をはさんであっという間の4時間でした。
久々の再会で、元気ならば「晩メシも一緒に」となるところですが、友人は抗がん剤の副作用もあって疲れやすく、またコロナのこともあるので長居はできませんでした。

友人は調子が良ければ来年2月に東京に行く用事があると言っていました。
がんの治療は今は本当に進歩していて、うまくなだめすかしながらではあっても、通常に近い生活を送ることもできるのだなと思いました。
ステージ4なので寛解も極めて難しい状態で、投薬と放射線で可能な限り現状を維持するという治療だけれど、友人は「悲観はしていないし、できることをやるだけ」と言います。
ことさらに前向きなわけでもなく、悪あがきをするでもなく、負け惜しみを言っているのでもなく、淡々と治療に向き合っています。
彼女らしいな、昔から変わってないな、と思います。

でも。
がんの怖いところは、どこかのタイミングで状態が急降下する可能性があることです。
彼女もおそらく、口には出さないけれど分かっていると思います。
私もそんな話は一切しません。
いま普通に近い生活ができているからそれでいい。
先のことは先のこと。

でも。
それでも。
自分はなんとなく無意識のうちに、彼女と一緒に70歳80歳になって、白髪でシワシワのババアになれると思っていた、でもそれはできないのかもしれない、という現実を考えると、なんて理不尽なんだ、と思うのです。

札幌から戻るとき、離陸した直後の飛行機の中で涙がぽろぽろ出てしまいました。我ながらみっともなかった。けど、これで最後になるとは思いたくない。また絶対に来る。そう思ったら泣けて仕方がなかった。

当たり前のことだけれど、人は必ず死にます。
今回の友人たちとも、「あの人ってまだ生きてるの」とか「誰それの葬式で会った」とかいう話になりました。
いつかは別れが来ます。
会えなくなる日が来る。

だから、会いたいと思う人には会えるときに会っておこうね。
そのうちいつか機会があったら、なんて言っていないで。
20代、30代ならともかく、50歳を超えたら機会は無理やりにでも作らないと、向こうからはやってこないよ。