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【銀英伝】ミッターマイヤーを描いてみた

帝国軍双壁の一人、ミッターマイヤーを描きました。
「銀河きっての神速男。疾きこと風の如し、吹きまくる爽やかさ! 日頃から厳しくも理にかなった訓練をし、艦隊の掌握に努める理想の上司。それがミッターマイヤー、ウォルフ・デア・シュトルムだ!」
(って、幕僚のバイエルラインなら言いそう)

※この記事は、銀河英雄伝説の紹介中に色々なネタバレが含まれます。主観やオリジナル要素も多いので、お気をつけください。


◆ウォルフガング・ミッターマイヤー

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ミッターマイヤーは軍規に誇りを持っている男です。略奪・暴行などダメな物をダメと言えるし、部下ならば貴族であっても断固処断、なんてこともありました。
しかし彼は平民出身のため、貴族を処刑することは許されません。有力者から怨みを買ったミッターマイヤーは牢獄に入れられ、激しく拷問される境遇に転落します。

それでも彼は誰にも助けを求めなかった。
潔いと呼ぶべきか、帝政に疎いと見るべきか。
いずれにせよ迅速な行動を起こしたのは、親友のロイエンタールでした。

ロイエンタールは自分の忠誠と引き換えに、ラインハルトへ助力を請います。このときラインハルトから、
「卿をそこまでさせるミッターマイヤーとはどんな人か?」
と問われました。ロイエンタールは、
「彼は気持ちのいい男です。ああいう人間がいなくなると、その分宇宙から精気が失われます」
と答えます。ミッターマイヤーが真っ直ぐな心でロイエンタールに接していたのが感じられる台詞です。このシーンは、二人の信頼関係が見えてくるようで、心に残っています。

あと、ロイエンタールの心を開かせて友誼を結んだことは印象的です。
ロイエンタールは残酷な過去のせいで自分を責めたり、つい敵を作るような発言をしてしまいがちな人物です。ミッターマイヤーは、そんなささくれた友の様子に気づくたび、親身になって酒を酌み交わします。
時に明るく、時に自嘲的に、時に本音で。そうした対話の末、たいていロイエンタールは反省して、次の日には険しい表情を解くのです。なんでも話し合える親友が一人いることで、傷ついた心が少しずつ癒されていく。
こういう時間を繰り返し過ごしながら、二人は親友になっていったんだろうな、と私は推測しています。

けれど陰謀や裏切りが重なり、ロイエンタールはついに還らぬ人になってしまいました。かけがえのない友を失ったミッターマイヤーは、人目をはばからず涙します。
友を失った悲しみと、救えなかった悔しさ。彼は自分のことだけじゃなくて、いつも相手のことを思っていた。そう感じる度に、胸が締めつけられます。

ミッターマイヤーは陰が無く純粋、王道を等身大で歩む感じがとっても素敵だと思います。だから歯を見せて笑うような、爽やかさを描きました。


ところでミッターマイヤーと言えば、人の心を惹きつける朗らかな人柄が浮かびます。さっき気づいたのですが、似たような性質をキルヒアイスも持っています。そして偶然にも二人の父親は園芸家なのです。
著者の田中芳樹氏は「花作りの上手な男性は子育てがうまい」という考えを持っているのかな、と思いました。

実際お花は、四季を通して成長を見守りますし、言葉で求められもしないのに日々世話が必要です。時には不要な枝葉をばっさりと切り戻したりもする。
自制心、優しさ、厳しさにとどまらず、開花の美しさや香りを喜ぶ心のゆとりがある。それはたしかに素敵な父親像の一つと言えるかも知れません。


◆ミッターマイヤーの立ち絵と階級表

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上の絵は軍装のミッターマイヤーに、帝国軍の階級表をメモしたものです。
原作の記述と現実の軍隊を参考にして、こんな感じかなと早見表的に仕立ててみました。
階級や役職の関係性というのは、銀英伝を読むのにいいスパイスになると思っています。本を読むときの参考にしていただけたら幸いです。

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ミッターマイヤーって、作品後半になると漢詩みたいな言い回しが増えて、結構見どころです。
ヒットしたのは「小官は悪運強く、なお現世に足をとどめたり。敵の砲火はヴァルハラの門扉を撃ち破るあたわず」
こういうメッセージを一度でいいから貰ってみたいです。
最後まで楽しませてくれる男ミッターマイヤー、好きです☆彡

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※この記事は、田中芳樹さんの作品の版権管理会社「らいとすたっふ」の二次利用規約に則した創作をしています。規約をよく読んで、大丈夫だと思う表現をしたのですが、もしお気づきの点があればフィードバックしていただけると幸いです。

ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。


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