見出し画像

【ゲーム感想】Lobotomy Corporation

買ってずっと積んでいた「Lobotomy Corporation」をプレイし、多分足掛け半年くらいでクリアしたので、今更ながら感想文をだらりと書く。

今回は
ProjectMoonとロボトミざっくり解説
「収容」「管理」「発電」、大体脱走
【総評】99%にはおススメできないが、1%にはおススメ

の3つに分けて書いています。

ProjectMoonとロボトミざっくり解説

さて、この「Lobotomy Corporation」。
ゲームの紹介ページにもある通り、韓国のインディーゲーム製作チームProjectMoonが、海外掲示板発祥の「SCP Foundation」に強く影響を受け製作されたゲームだ。

大学生だった開発者たちは当時、「SCP Foundation」にハマっていたそうだ。そこで何かSCPのゲームで遊びたいと思ったそうなのだが、彼らが遊びたいゲームは見つからなかった。
こうしたSCP関連のゲームは、「Dランク職員(捨て駒)となり、異常が発生したSCPの収容施設から脱出を図るもの」が多数を占めている。
それは彼らが遊びたい!と思ったゲームではなかったそうだ。
そこで1から作ることにした。

そのコンセプトは「もしSCPを実際に管理するなら、どんな風になるだろう?」というもの。
その結果、あまたの化け物(以下アブノーマリティ)を収容するロボトミー社の管理人をプレイヤーが勤めるスタイルに落ち着いたという。

というわけで、彼らProjectMoon作品はこのアブノーマリティが存在する世界を中心に、ディストピアSFの様相を呈している。
現在はシリーズ2作目となる「Library of Ruina」、初のスマートフォンアプリである「Limbus Company」がある。

大雑把な世界観説明

ロボトミー社はクリーンなエネルギー企業。あちこちの会社にエネルギーを提供している比較的新しい会社だ。
この世界ではこのような大企業が「翼」と呼ばれ、いくつか存在している。
今作「Lobotomy Corporation」では、プレイヤーがそんな「翼」のひとつであるロボトミー社の管理人となり、クリーンなエネルギーを生産するお仕事を担当することになる。

さて「翼」はそれぞれが特異点と呼ばれる特殊な能力を持っており、その能力を使って様々な事業を展開したり、他社と協力関係を結んだりしている。
ロボトミー社以外にも傭兵業を生業とする「R社」、空間転移技術を持つ「W社」などが存在し、こうした「翼」は本拠地となる街、「巣」をそれぞれ持っている。
「巣」は複数存在するが、その外に住む人間もいるだけでなく、内側も完全に安全であるとは言い切れないようだ。それでも巣の内側は外よりずっと安全なため、「巣」の内側、ひいては「翼」に所属しようと、人間たちの血みどろの争いも起こっているありさまだ。

「収容」「管理」「発電」、大体脱走

さてゲームの中で我々管理人は、クリーンなエネルギーを生産するために、アブノーマリティ(幻想体)と呼ばれるモンスターを管理する。
私たち管理人は職員、もとい使い捨て要員が全滅しないようにうまくコントロールする必要があり、彼らに指示を出すことになる。
管理する方法は4つ。「本能」「洞察」「愛着」「抑制」で、この4つに対してアブノーマリティが様々な反応を示す。
場合によっては収容違反、つまり収容室から脱走し甚大な被害を及ぼすこともある。

実はベータ版に当たるレガシー版から遊んでいたのだが(アンジェラの立ち絵すらなかった、テキストオンリーだったころだ)、まあ色々あってその後遊んでいなかった。
まだ日本語がなく、がばがば翻訳で遊ぶのもなかなか楽しかった。

だがそんなころから時間が流れ、レガシー版と比べて管理作業が変わっているものも多く大苦戦。
あとそもそも見たことないアブノーマリティもめっちゃ増えているし、作業一回ごとに阿鼻叫喚の地獄絵図が展開されまくった。

「ああ~~~~また死んじゃったよ~~~」と職員の死体を見て頭を抱え、時には死体も残らぬ死に方でもんどりうち、育成した職員も容赦なく肉の塊となり、せっかく管理作業の末にもらったE.G.O(武器や防具のようなもの)が職員と一緒に消滅し、多分大丈夫だろうと収容してみたらめっちゃ強いやつで施設は容赦なく全壊。

苦難の果てに我々が見たものとは…!

という感じで、もしも私がゲーム配信をしていたら視聴者に刺されそうと思うくらいのへたくそプレイが続いていた。
これを諦めず半年も続けた自分を褒めてあげたい。

とはいえある程度トライアルアンドエラーを重ねることでクリアできる。
クリア時には分厚い「ロボトミー攻略メモ」が出来上がっていたが、特に心配なら付箋でも貼ってプレイするのをお勧めする。

【総評】99%にはおススメできないが、1%にはおススメ

さて、これでもかなり改善されたが、様々なバグが多い。システム回りに関してはお世辞にも良いとは言えないUIも多数で、正直イライラする。
またゲーム性もいわゆるローグライクと呼ばれるもので、不確定要素も多く、覚えなければならないことがめちゃくちゃに膨大だ。
序盤で投げ出してしまう人も多かったんじゃなかろうかと思う。

これはそういう序盤ややりにくいシステムを乗り越え、楽しいじゃん!と思えるタイプの人にのみおススメできる。
フロムゲーのような、トライアルアンドエラーを繰り返すゲームが好きな方にはお勧め。

ゲーム性自体も、毎回ハラハラしながら職員を収容室に送り、死ぬかもしれない可能性をひとつずつ潰していかなければならない。もちろんきちんとそのアブノーマリティを理解しても、職員が死ぬ可能性は十分ある。
職員にやたら愛着を沸かせてしまうタイプの人は、恐らくクリアはできないだろう。
職員は捨て駒なのだ。死んでも心を痛めてはならない。

また世界観も先ほど書いた通り、ほぼ人間が絶滅しかかっているような環境のストーリーとなっている。それだけでなく、独自の用語が多く、非常にわかりにくい。

それから仕事をする高性能AI「アンジェラ」と、各エリアを担当する「セフィラ」と呼ばれる存在も人によってはあまり好きになれないかもしれない。
彼らは皆それぞれに問題を抱えており、最終的に私はかなり愛着が沸いたほうだが、皆なぜか初対面であるはずの管理人(プレイヤー)に好感を抱いていない。
嫌でも問題が起こりそうな気配がするし、辛辣な物言いをされることもしばしで、ストーリー中はしんどい。

逆に言えば、システム的な問題も乗り越えられるし、社員を殺されてもなんとも思わず、部下から死んでしまえと思われても平気なタイプであれば大好きだと思う。

新規参入がかなり難しいが、最近始まった「Limbus Company」をより深く楽しみたい!という方、シリーズを遊んでみたいと思う方はぜひこちらからどうぞ。
とはいえ「Limbus Company」は独立した物語だから、ロボトミを知らなくても問題ない。

ぜひ韓国発、誰一人救われないゲームを楽しんでほしい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?