原神の大陸的主人公感

「蛍」も「空」も「パイモン」も非常に大陸的だという話なので、それ以外は特に内容のないとりとめもない話だ。
ここでいう「大陸的」というのは「中国っぽい」みたいな意味と捕らえていただけるといいと思う。また私の周囲では「中国」を指して「大陸」と呼ぶ文化?があるため今回は便宜上「大陸的」と表現している。

先日友人と出かけ、ご飯を食べた。
相手は韓国出身で年齢がほとんど同じ、日本語はネイティブレベルに流ちょうに話すことができ、おかげさまで韓国語が一切理解できない私とも交流してくれる優しい人だ。

ただ、韓国という大陸に位置する国と、日本という大陸から切り離された島国とでは(もちろんお国柄もあるが)、全く考え方なども異なるわけで、そういった部分の話を聞くのも楽しい。
特に私が遊び惚けていた高校時代、11時ごろまで学校内で自習していたという話など衝撃的すぎる。

で、そういった流れでゲームの話になり、話題に上がったのが原神のローカライズについての話だった。

例えば日本語版原神では「理屈責め」と呼ばれる両手剣が登場する。
韓国語版では「훌륭한 대화수단」、直訳で「素晴らしい会話手段」になる。
なるほど、確かに話が通じない相手に対しては武力こそが素晴らしい会話手段だからね。
またある意味では理屈をこねまわし責めるのは暴力であるとも言えなくはない。
miHoYoはこういったローカライズにもかなり力を入れていて、他の中華ゲーとは一線を画している会社のひとつだと思う。
もちろんYostarもやばい会社なのだが。

さてこうした国ごとの違いが面白いよね、という会話の流れの中で
「主人公やパイモンの性格が日本や韓国のゲームであればあんな性格には絶対にならなかった」
という話になった。

さっきも書いた通りゲームのローカライズをmiHoYoおよびホヨバースは非常に頑張っていて、ほとんど違和感のない仕上がりになっているというのは常々感じるところだ。
だが、それでも隠し切れない違和感などはあちこちにあり、例えば文字が簡体字になっていたり、文章的に意味が明瞭ではなかったり、明らかな誤訳も存在する。
そういった部分は後から修正すればいいので別にいいのだが、キャラクターの性格などはどうにもならない。

顕著な例で言えばパイモンだが、パイモンはとにかく金(モラ)と食べ物への執着がすさまじい。
最近の例で言えばアランナラを集めるイベントだ。
このイベントではせっかくアランナラが作った貴重なスープを「やめた方が良い」と旅人が選択肢でいさめても口にしてしまうシーンが登場する。
また依頼などでも何より重視するのはモラであり、お宝という言葉に目がない。
依頼などで話がスタートすると、もうそこから先はもらえるモラのことしか頭にないことも多く、発言も「お宝」「モラ」「報酬」ばかりになりがちだ。
パイモンのがめつさ、言ってしまえば意地汚さというのは個人的には目に余るレベルだと感じていて、見た目はかわいいのに…といつも思う。
私なら実際に一緒にパイモンと旅はできない。器がそこまでデカくない。
こうやって書くと、ここまで原神をプレイしているのが奇跡レベルかもしれない。

また旅人のモラへの執着もなかなかのものだ。
とはいえパイモンと比べてしまえばまだマイルドで「依頼をしたらちゃんとお金はもらう」という報酬に対するこだわりが強いと感じる。
ただ日本のRPGに登場する主人公ではなかなかいないタイプだろうし、選択肢の内容もなかなか辛辣なものの言い方が多いほか、露骨に面倒くささを表に出したりもするので異色といえば異色だ。
しかもその選択肢や反応は蛍も空も同じだから、
「蛍も同じことを言ってるのか…」
と空君を操作しながら考えてしまう。

どちらにしても「金や食べ物」というものに対して強い執着を見せるという部分も、辛辣な意見を吐きがちなのもいかにも大陸っぽい。

韓国人である友人から見ても「大陸っぽい」、要するに中国っぽいキャラクターだと感じるらしいので、意図的につけられたにせよ、中国人にとってはもうちょっと旅人は親しみを覚えるキャラ設定なのかもしれない。
ただこれについては、まだ中国本土の人のご意見を伺えていないし、大体私も友人も「それぞれの国で生まれ育った一個人」でしかない。

残念ながら典型的な「中国人」の友人がいないため確認しようがないので、とりあえず「香港人」と「台湾人」から反応を探ってみようかな、と思っているところだ。

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