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月組DEATH TAKES A HOLIDAY感想

小学生の頃、宝塚を観た後はしばらく頭の中で曲が流れてて、目を閉じるとスターさんが踊ってたりお芝居する姿がすぐに浮かんできて1週間~1ヶ月くらいはぼんやり過ごすことが多かったのですが、今回月組さんのシアターオーブ公演を拝見して久しぶりにその状況になっています・・・!

公演中止期間のチケットが取れていたのですが無念の中止で・・・(涙)
配信もスケジュールが合わず、昨日のソワレのチケットをどうにか手に入れてたった1度きりのデスホリをみてきました!シアターオーブの3階席が高すぎてちょっと怖かったけどそんなものはすぐに吹っ飛び。

Youtubeミュージックでサントラを聴きながらネタバレありの感想を書き連ねます!1度しか見てないので思い違いなどもあるかも・・・。

第一次世界大戦と第二次世界大戦の間にイタリアで書かれた戯曲が原作とのことで、大量に人が亡くなりすぎて疲弊した死神が主人公っていう時点で面白い。

夜中の森、スピードを出す車で立ち上がって歌うグラツィア海ちゃん。
生命力に溢れた令嬢ということで暗い舞台の上でスポットに照らされる海ちゃんがとっても美しくて印象的な始まりでした。

海ちゃんスカステで声の作り方を工夫してるっておっしゃってましたが、いつもよりも透き通っているような可憐な声で(いつももう少し硬質な強めのイメージ)今回のお役、ピッタリでした。常に白いまぶしい光を放っている麗しい令嬢でこの海ちゃん大好きでした。本当にお似合いだった。

車を運転するのはグラツィアの婚約者コラードれんこん。グラツィアのお父さんランベルティ公爵おだちん、お母さんのさちかさん、亡くなったロベルトの奥さんのアリスりりちゃんに、お友達のデイジーおはねちゃんに運転手の一星くんが車に乗っていて、コーラスの迫力にずっと鳥肌でした!

猛スピードで運転する車は黒い闇に飲み込まれて事故にあってしまい、グラツィアは車の外に投げ出され、本当であれば亡くなるはずが人間に興味がわいた死神れこさんに見逃され、けが一つなく済む。

これだけ聞くとエリザベートみもありますが、れーこさんは海ちゃんに一目ぼれしたとかではなさそうで、人間は死を怖がるくせにどうして森で猛スピードで走ったり、その車で立ち上がって歌ったり無謀なことをするんだろう?みたいなところからの興味だったように見えました。
れこさんの鳥みたいな仮面のお姿もカッコよかった。

お屋敷に着いたら、執事のフィデレヤスくんやコラードの祖母で少しボケてしまっているエヴァンジェリーナみちるちゃん、主治医のダリオじゅんこちゃんが出迎える。

お家で一息つくおだちんの前に死神が現れ、2日間このお屋敷で人間として休暇を満喫したい!って宣言する場面もめちゃ面白かったです。死神さんが触れた薔薇がしおしお~ってなっちゃう場面、フェアリーテイルのエリュを少し思い出しました・・・!その後、話を聞いてしまってたヤス君とおだちんの歌も面白い!Death!っていうのちゃんと聴きましたw

人間として目覚めた死神さんの目玉焼きにめっちゃテンション上がっているナンバーも可愛くって!パジャマから一気に水色のスーツにお着換えするところは、私の席から結構裏側が見えてそんな舞台裏も楽しかったです。本当にいろんな人の力で成り立ってるんだなぁ~って感じた。

ニコライ・サーキとなった死神さんはみんなを魅了していきます。メイドの桃歌雪ちゃんがとってもセクシーに誘惑してて可愛かった~。
グラツィアも婚約者よりもニコライさんにぐいぐい惹かれてて、どこでどう好きになったのかわからないところもあるけどw、恋に落ちるのって明確な理由なんてないし、どんどん惹かれ合うグラツィアとニコライが切なくて良きでした(れこうみの中で1番好きなお役かも)

白河りりちゃんの「パリの人みたいに」のナンバーが最高に可愛くてパンチがあって、タップも楽しくって、ブロードウェイ見てるー!っていう感じが味わえました。りりちゃんのお顔ってほってぃに似ている気がして勝手に親近感を感じてたので今回の作品で大活躍しててうれしい。お見事な場面でした!

あと忘れちゃいけない、グラツィアの兄ロベルトの戦友役のエリック瑠音ちゃんも大ナンバーがあって大活躍されてました。顔ちっさくてかっこいい。回想のロベルトはキド君でますますかっこよく、お芝居に磨きがかかってました。これからが楽しみだ~♡

2幕はさちかさんのお歌からスタート!恋に落ちたグラツィアがなんだかおかしい、元に戻るのかみたいな歌でこれもすごい迫力のコーラスでした。
思い出しても鳥肌たつ・・・。

メイドさんの菜々野ありちゃんとボーイさんのるおりあくんのロベルトのお部屋だけそのままの歌もうれしかった!ありちゃんはダンスの場面になると目を奪われますが歌も上手なんだ、と気づかされました。るおりあくんも顔も良しお芝居も良しお歌も良しで月組さんも本当に目が足りない。天つ風くんもよく目についたおひとりでした。

そこで、亡くなったロベルトのお部屋をそのままにしている傷心の母心をさちかさんが歌われてて、号泣。
おだちんが娘の命を取るなら、代わりに私の命をというところも泣けて泣けて嗚咽でした。このお話の後のお二人が心配になりました・・・。家族とか人と人が思いあうこともテーマで、最近こういうの弱くなりました(涙)

婚約者に振られたコラードれんこんとそんなコラードをひそかに思うデイジーおはねちゃんのナンバーも壮大で素敵だった!お二人の声が合ってる。
死神が休暇に入ったことで記憶がしっかりするエヴァンジェリーナみちるちゃんと一途に思い続けるダリオじゅんこちゃんのナンバーも可愛くて良い場面でした。
このお芝居、2人ピックアップでしっかりたっぷりお歌を聴けるのも幸せ度が高いのかも。

女性陣が妄想の中でそれぞれの想い人と踊る場面も可愛らしかったー!
れこさんってスカステだと海ちゃんにクールですがお芝居の時はめちゃめちゃ熱のこもった目線を送ってて、このダンスの時も海ちゃんを後ろから見つめる目が素敵でキュンポイントでした!

そして2日間の休暇が終わろうとするその時、あともう1日だけでも、あと1分だけでも生きていたいという感情を味わう死神さん。れこさんの魂のこもった歌にまたまた涙でした。二幕ずっと泣いてたな。

最後、グラツィアの選択がどういう経緯なのか考えられるのも面白い。
生命力に溢れた女子も恋に落ちることでその命を燃やし尽くして死を選ぶこともあるのかなとか、死に取りつかれてしまった結果なのかなとか、どういうことなのかいろいろ考えて楽しめるのも観劇の良いとこですよね。とにかくご両親が心配ですw

銀髪?のれこさんが本当に美しくて、神様みたいでした。
死神のかげを雅耀くんがやってたそうなんですが、れこさんばりに麗しかったことも書いておかねば。

フィナーレナンバーは無かったですが本当にお芝居とナンバーに感動しまくりの3時間でした。あー、本当に感動感激胸いっぱい。
公演期間が短くなってしまったのが本当に惜しい。どうにかもう少し長い期間やってもらえないものか・・・。

公演プログラムの生田先生のコメントの熱量がすごいな!って思って最初読んでましたが、その熱量をそのまま感じられる作品に出会えて幸せです(涙)
28日の千秋楽まで無事に終わりますように!たくさんの人がこの作品に触れられますように!