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和菓子づくりのきっかけ

最近、和菓子を作る練習をしている。

そのきっかけを思い起こすと、その一つ目はコロナと同じタイミングくらいで流行った「Clubhouse」である。

あの当時、おうち時間をいかに楽しく過ごすか?というニーズに、バッチリハマって流行ったあのClubhouseに私もハマっていた。

いろんなルームで見知らぬ人と会話できるのだが、和菓子をテーマに話すルームを見つけて入ってみると、まだ2人くらいしかその部屋に入っていなくて、オーディエンスからスピーカーにあげられて、私も会話に参加することとなった。

どうやら東京の方で和菓子のお店を営んでらっしゃる方だということまでは会話やプロフィールからは推察できたが、詳しく書かれていなかったのでその先の詳細まではわからなかった。

しかし、その後どんどんその部屋に入ってくる人が増えてきて、その面々が一人一人すごい人。名古屋の有名店の和菓子屋さんの社長とか、京都で和菓子のイベントを主催されている方だとか、誰しも知っている百貨店の和菓子のバイヤーさんとか催事担当者といった感じ。。

話の内容が私の次元と全く違うため、ただただ聞き役になっていたのだが、せっかくスピーカーの位置にいるので、素人丸出しの質問を投げかけてみた。

「和菓子づくりを始めたいと思ったら、まず何から始めればいいでしょう?」

すると、東京の超有名もなかを製造販売されている6代目(だったかな?)から、

「こしあんを作ることからかな!」

との回答。その部屋にいた皆さんも、それに異論が無いような様子だったのと、それまでこしあんを作ったことがなかった私は、何の迷いもなくその翌日にこしあんを作ってました。

その時作ったこしあん。片手鍋に少量の小豆で作った、記念すべき初めてのこしあん。

とても大変な作業だったのに、皮などを捨ててしまう分、同じ量の小豆からできる量が、粒あんよりも少なかったショックを今も鮮明に覚えている。

それと同時に、こしあんの喉越しの滑らかさに感動したのと、単に両手でコロコロと丸めるだけで簡単な和菓子に見えて「これが和菓子作りの第一歩か!」と思ったのを鮮明に覚えている。

ただ、こしあん作りの大変さからか、そこまで長続きはしなかった。。



二つ目はのきっかけは、佐賀で超有名なお菓子屋さんの「おやつやみみ」さん。

一人で切り盛りしてらっしゃるところなど、当店と似たところもあるのだが、彼女のすごい所はキャラクターを模したあの可愛らしい焼き菓子を「ちゃんと作っている」ところだと思う。

「何言ってるの?」

と思う人もいるかもしれません。
どんなお店でも商品をちゃんと作って販売しています。

しかしお気づきでしょうか?あのお菓子を作るにあたって、しっかりとしたテクニックやいろんな道具の準備がないと作れないお菓子がいくつかあると思っています。

私が一番びっくりしてるのは、大きな熊の顔の形をしたクッキー。(分かるかな?分かりますよね?)

以前、彼女のインスタで、そこそこな太さの棒状のクッキー生地をスライスしている動画が投稿されていたのだが、金太郎飴のように1枚1枚、愛らしい熊の顔の柄の断面がクッキーの生地としてできあがるのだ。

よく考えてみて欲しいんです!

断面がかわいい熊の顔になっているあんな太い生地の塊をどうやって作るか分かりますか?私はどうやって作るのか、想像すらできません。。
しかもそれを1枚ずつスライスするって難しいと思うんです。私なら切る包丁の圧力で熊の顔がどんどん潰れて変な顔になってしまうような気がするんです。

あの動画を見て「テクニックって大事だ」と思ったし、テクニックが無いと作りたいものをちゃんと作ることができないと思いました。

先に書いた「ちゃんと作る」ってそういうことです。

かたや、私は料理を習ったことがあるわけでもなく、参考にするレシピはクックパッドなどのレシピサイトで「素人でも簡単!」みたいなメニューばかりを参考にしてきた。私のレベルだったらそれでいいと思っていた。

でも、今まで作るのを敬遠していた「餅」を使ったものや、練り切りのような和菓子が作れるテクニックが自分に身についたら、今まで以上に楽しいことが容易に想像できたので、それからは職人の方がやっているYoutubeのチャンネル等を見て細かな手つきをじっくりと観察しながら作る和菓子作りにハマっていき、今年の春先には白玉粉やもち粉を使った大福づくりを徹底的に取り組んだ。

その当時作ったものを投稿したInstagram

もちが手にベタベタひっつくし、時間をかけるとどんどん硬くなっていく。
何度も何度も失敗しながら、なんとなくコツを掴めるようになるまでにはなったかと思うが、、先の長い道のまだ1歩くらいだろうと思っている。



さらにもう一つ和菓子作りにハマるきっかけとなったのが、最近の話ではあるが、とあるマルシェに出店していた時のことである。

見知らぬお客さんから、「茶道の教室でお出しする練り切りを作れませんか?いつも購入しているお店が閉店して困っているんです!」とのこと。

その時は正直ほとんど作ったこともなかったし、道具すら持っていなかったので、その旨をちゃんとお伝えしましたが、「自分が上生菓子を始める動機としては申し分ないチャンスだ!」とピンときて、そのお客さんに一度頑張ってみて、本当に商品として販売できるようなものができるかを見極める時間がほしいとお願いし、その日から練り切りと真剣に向かい合うこととなった。

道具はたまたまお譲りくださる方がいらっしゃって、ありがたく拝借して使わせてもらうこととし、練り切りあん作りから始まり、包餡の練習、道具の使い方など、Youtubeを見ながら学ぶ日が続きました。
その甲斐あって先にご相談いただいた方からの案件は、何とか納品まで漕ぎ着けたましたが、お茶の先生からのご指摘もいただいたりと、上生菓子の奥の深さを知ることとなりましたし、本当に為になる貴重な機会だったと思っている。

最初に納品した練り切りの「朝顔」と、その奥にチラッと見えるのが葛で作った「みぞれ」。

そこからどっぷりと練り切り作りにハマっている。
道具についても、いただきものだけでなく、自分で購入したものもいくつかある。いまだに失敗作ばかりだし、全然ちゃんとできないことの方が多いのだが、たまにできる「奇跡の一品」がモチベーションを上げてくれる。

先日も夜中の某カフェでイベントの企画話から実施させていただいた、練り切りをライブで作るイベント。
リハーサルも行いましたが、意外と手元に集中しすぎて緊張しなかったために、実際に数名のお客さんが見守る中、大胆にもこんな素人が練り切りを作ってしまいました。

イベントでのライブの模様を撮影した写真はなかったので、試作で作った「花火」

今は、ハサミや針切り箸といった道具を使った細工と格闘中である。

今年50歳を迎えたおっさんですが、今後も腕を磨き、練り切りだけでなくいろんな和菓子が作れるように腕を磨いていきたいと思います。

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