アブラカタブラってみよう。

最近、酒を控えている。
控えるとどうなるかと言うと、シラフでいる時間が長くなる。
シラフでいる時間が長いとどうなるかと言うと、物事を考える時間が長くなる。考える時間が長くなると、1日も長くなる。


時間は、貴重だ。

最近、野球人のYouTubeを観ている。 
引退したとはいえ、超一流選手達が惜しげもなく技術を映像で伝えてくれる。本当に良い時代になったと思う。

私が中高生の時にYouTubeがあったら、どうなっていただろうか。

……おそらくYouTubeばかり観て野球どころでなかっただろう。

積み上げてきた物があるからこそ今がある。だからこそ古田敦也や井端和弘のYouTubeは面白いのだ。

私も積み重ねる必要がある。

「野球系YouTube観ていたら1日終わっちゃいました」

の連続では私に未来は無いだろう。

同じことを繰り返す事は悪い事ではないが、繰り返すなら何か考えて行った方が良い。それはバットで素振りをする事と似ている。

ただただバットを振るのと、内角を意識して肘をたたんでバットを振るのと、アゴをしゃくらせながら振るのと、奇声をあげながらバットを投げ捨てるのとでは効果が全く変わってくる。

私は日々を過ごす上で、いつもと違う素振りをする事にした。

慣れるとあまり考えなくなる。考えなくなると1日も短くなる。

慣れは緩みを生む。いつもと違う刺激を脳に与え、時間の流れを遅らせる。

私は大好きな「ブラックスキャンダル」と「酔拳2」を観るのを我慢し、ネットフリックスで「アンブレラアカデミー」というドラマを観はじめた。


ある日、妊娠していない女性が突然出産するという事が世界中で発生した。とある資産家は、その内の7人を養子にして鍛え上げ、スーパーヒーロー組織を作り上げた。

しかしある事件により組織は解散し、子供たちも散り散りになって行った。

そして十数年後、資産家が死んだ。

その報せを聞き、久しぶりに血のつながらない兄妹達が集まった。資産家は子供たちを番号で呼んでいた。

怪力と巨大な体を持つ1号、投げナイフを自在に扱う2号、言葉で人を操る3号、死者と繋がれる4号、空間を移動できる5号、怪物に変身できる6号、そして何も力を持たない7号。

資産家の死について議論する兄妹達。

そこに子供の頃に失踪した5号が現れた。失踪した当時の子供の姿のままで。

5号は父に禁じられた時空移動によって世界の破滅を目にしてきたと言う。

そして5号は兄妹達に、こう言うのだ。

「未来を変えろ」


……たぶんこんな内容だったと思う。

かの大投手、ダルビッシュがこんな事を言っていた。

「40歳くらいになって仕事も何もない状態。その時に神様に『もう1回だけチャンスをあげるから20歳の時に戻っていいよ』と言われたつもりで頑張った」

実際に神様がそんなチャンスをくれたのだとしたら、ダルビッシュはしっかり未来を変えたのだろう。

奇しくも私とダルビッシュは生年月日が1日違い。

この1日の差は何なのだろうか。


それでも私は

「もう1回だけチャンスをやるから35歳の時に戻っていいよ」

と言われたつもりで、今この時間を積み重ねている。


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