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国民年金納付期間が5年延長?負担と給付はどうなるのか?

今日は年金の話をしたいと思います。
最近出てきた国民年金の納付を65歳まで延長する、これは結局負担と給付どうなるのを説明したいと思います。

65歳までまた保険料負担を5年間もやらなきゃいけないのっていうことで、テレビなんかでも出てますけども背景を説明したいんです。
皆さんサラリーマンの方は厚生年金に入っておられる方が多いと思うので、今回は国民年金の話です。

国民年金は今まで20歳から納付義務があって60歳まで40年間払う、そうすると65歳からもらえます。
ここは5年間のギャップがあるというのは今も変わらないんですが、もらえるのは65歳からなんです。
繰上げ繰下げいろいろあるんですけれども、そこを埋めていこうというのがまず一つ。
今だいたい月額16,980円払って、そして40年間払うと今で言うとだいたい満額もらって68,000円ぐらいなんですが、実際に満額もらってる人は少なくて5万円台とか人によっては4万円台という方もいらっしゃいます。
これが実態です。

これだと食べていけないですよね。
厚生年金でも十数万円もらっているとなんとかいけるんですけど、この国民年金だけで暮らしている方っていうのはなかなか厳しい。
かつてはこの国民年金ってのは自営業者で、家でお商売をしていたり農業やってたりして他に収入とかがある方に対して導入された国民年金制度なんですけれども、十分な生きていくために必要な給付額をどう確保するんだっていうのが実は今の年金制度の最大の課題です。

少し難しい言葉で言うと年金の持つ最低保証機能。
生活を最低限支えるその最低保証機能がこの国民年金ではもう失われつつあるんじゃないのか、もっと言うと生活保護にいった方がいいんじゃないのということになるわけです。
ですから40年を収めて生きていくに十分な額がなかったらバカらしく払わないと言ってますます払わなくなり、年金制度・国民年金制度が崩壊してしまうので「十分な生きていくための給付額を確保するためにはどうすればいいんだ」というのがこの問題の背景にあるということをまずご理解いただきたいと思います。

年金はもういろんな難しいことを全部除いて言うと羊羹なんです。
羊羹って何かというと40年を収めます、そして収めることによって一定の塊のお金をもらう権利がいただけます。
その納付額によって羊羹の体積が決まるんですけど、その寿命が伸びてくると同じ体積のものを羊羹引っ張りますから薄くなっていくんです。
じゃあその羊羹の体積を増やすためにはどうするかというと、そこに入れるお金を増やすしかないです。

例えば3つあって、一つは保険料をそこにより入れる。
その一つの案が5年間納付する期間を伸ばしましょうということです。
もちろん羊羹体積増えればそのもらえる額も大きくなって厚くなるので、それは相関関係があるわけです。
あとはそこに税金を入れる話もあれば運用益を入れるとか、そういういくつかの体積を増やす方策については考えられるわけです。
実は2019年前回の5年に1回年金制度は「大丈夫かな、大丈夫かな」という財政検証というチェックを5年に1回やってるんですが、前回の2019年時も実は今問題になっている「国民年金の納付期間を5年間伸ばしましょう」というのはオプションBという形で実はその時提案されています。
国会でもあるように月額16,980円を5年間払うと追加で100万円ぐらい負担が増えるのは事実です。
ただ一方で当時の検証によると、そのことによって月々8,000円、年間10万円ぐらい年金額が増えます。
だから68,000円が76,000円になるとかです。
そういう形に増えていくと(追加約100万円の負担で)年間10万円増えるということですから、10年間生きると元が取れるんです。
65歳からもらい始めました。
最低でも75歳まで生きるとトントンです。
75歳よりさらに生きるとお得になっていくと。

いずれにしても今のままの制度であると、誰が悪いわけでもなくて寿命が思った以上に伸びてしまっていることと、支える側の働く人の数が減ってきているということで、どうしても先細りにならざるを得ないということで、調整を働かすんですけども、ただ年金財政は調整働かして何とか財政が保たれても、その額だと生きていけなくなるわけです。
だから生きていくために必要な額をどうやって確保するのかということで、申し訳ありませんけれども「5年間、65歳まで納付をしていただけませんか、その代わり生きていくために必要な額に近づくように年金額を増やしていきます」というのがそういう制度なんです。

ただ一つ最後に付言しておくと、基礎年金(国民年金)というの実は半分の額に税金入れてます。
例えば68,000円だと34,000円は保険料じゃなくて税金入れてるんです。
基礎年金の国庫負担分って言いますけど、基礎年金が増えると国庫負担も増えていくので、もちろん保険料収入ところも増えますけど未来の税金も増えていきますから年間1兆円ぐらいかかると言われてますけど、こういう増税の議論も今後出てくる可能性があるということで、その点について皆さんもご理解いただきたいなと。

こういうことを今検討しているということでありまして、本格的には来年に向けて年金の議論はだんだん具体化していくと思いますので、また時々たまきチャンネルでも公表していきたい解説していきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

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